「技術・人文知識・国際業務って具体的にどんな在留資格なの?」
「従事できる職種や資格取得の要件を知りたい」
このような悩みを抱えている方も多いでしょう。
技術・人文知識・国際業務とは、これまで培ってきた知識・技術を活かして日本で就労できる在留資格です。
対象となる職種は、技術分野ではシステムエンジニアやプログラマー、人文知識では営業職や企画職、国際業務分野では、通訳・翻訳やデザイナーなどです。
技術・人文知識・国際業務の場合、学歴での専攻学科と業務内容の関連性が重視されるため、取得要件をよく理解したうえでの採用活動が求められます。
本記事では、技術・人文知識・国際業務の概要や対象職種、申請要件を詳しく解説します。手続きの流れや雇用する際の注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。
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(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士、外国人雇用管理主任者資格、採用定着士認定保有。(一社)外国人雇用協議会所属。
INDEX
在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、高度な専門知識や技術を持つ外国人が日本で就労するための在留資格です。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で従事できるのは、学校で学んだ知識や実務で培った経験を活かした専門性のある職種に限られます。
各分野で問われる専門性は以下のとおりです。
分野 | 専門性 |
技術分野 | 理学・工学などの自然科学分野における 専門技術 |
人文知識分野 | 法律学・経済学・社会学などの人文科学 分野における専門知識 |
国際業務分野 | 国の文化に基づく思考や感受性を活用した業務 |
専門性が重視されるため、工場における生産ライン業務や、飲食店における配膳・盛り付け、スーパーのレジ打ちといった単純労働は認められていません。
日本に滞在できる期間は5年、3年、1年、3ヵ月のいずれかであり、更新により継続在留が可能です。
以下の記事では、在留資格全29種類を紹介しています。「技術・人文知識・国際業務」以外の在留資格も気になる方は、あわせてチェックしてみてください。
【関連記事】
在留資格とは?取得方法や全29種類の活動内容について徹底解説します
「技術・人文知識・国際業務」で就労できる職種一覧
ここでは「技術」「人文知識」「国際業務」の分野ごとに、就労できる職種を紹介します。
一覧で提示するので、あなたの職種や、近い職種があるかチェックしてみてください。
「技術」で就労できる職種
技術分野では、理学・工学などの自然科学に基づく専門知識と技術が求められる職種が対象です。
主な職種例
- システムエンジニア
- プログラマー
- 機械工学技術者
- 情報セキュリティ技術者
- 建築設計技術者
- 電気電子技術者
- 研究開発者
- 生産管理技術者
- 品質管理技術者
- バイオテクノロジー研究者
主にIT関連の職種やエンジニア職が該当します。近年ではIT業界の人手不足が深刻化しているため、技術分野の外国人労働者への需要が高まっています。
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また、技術分野と業種・職種に関するお困りごとは弊社の無料相談をご利用ください。外国人雇用に詳しい担当者が、あなたの悩みを解決に導きます。
「人文知識」で就労できる職種
人文知識分野では、法律学・経済学・経営学などの人文科学的な専門知識を活用する職種が中心です。
主な職種例
- 企画業務
- 営業職
- 経理・財務
- 人事管理
- 法務担当者
- 総務
- コンサルティング
- 広報・マーケティング
- 商品開発
- 経営企画
主に、組織を動かすために必要な管理業務が中心の職種です。企画力や分析力に長けた人材が活躍できる分野です。
企業の管理部門や専門的なコンサルティング業務においては、経営戦略に応用できる実務経験や国際的な視点を持つ人材の需要が増加しています。
「国際業務」で就労できる職種
国際業務分野では、外国の文化や言語に関する知識と専門性を活かした職種が対象です。
主な職種例
- 通訳・翻訳
- 語学講師
- 海外営業
- 国際取引業務
- デザイナー
- 貿易業務
- 通訳業務が主要なホテル業務
- インバウンド対応業務
- 多言語カスタマーサポート
この分野では、母国の文化や言語を活用しながら、日本企業のグローバル展開をサポートできる人材が求められています。
単純な語学力だけでなく、異文化コミュニケーション能力や両国の商習慣に関する理解も活かせます。
「技術・人文知識・国際業務」の申請に必要な要件
ここでは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得要件を解説します。
主な要件は以下の4つです。
取得要件
- 学歴と業務内容が関連している
- 学歴もしくは実務経験を満たしている
- 受け入れ企業の経営が安定している
- 日本人と同等の給与水準にする
一つずつ見ていきましょう。
学歴と業務内容が関連している
技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得するなら、学歴(職歴)と業務内容が関連している必要があります。
以下は関連性が認められる例です。
具体例
- 情報工学専攻者がシステムエンジニアとして従事
- 経済学専攻者が企業の財務部門で勤務
- 日本語専攻者が通訳・翻訳業務に従事
学習した専門知識を活かせる職種であることが審査のポイントとなります。
学歴もしくは実務経験を満たしている
学歴または実務経験も在留資格の取得要件に含まれます。
学歴の場合は以下いずれかの要件を満たさなくてはなりません。
学歴要件
- 日本の大学を卒業していること
- 外国の大学を卒業(日本の大学卒業と同等以上であることを証明)
- 日本の専門学校を卒業していること
学歴が満たない場合は、実務経験での申請が可能です。
「技術・人文知識分野」の場合は、10年以上、「国際業務分野」の場合は3年以上の実務経験が必要です。
受け入れ企業の経営が安定している
受け入れ企業の経営が安定しているかどうかも審査の対象です。外国人労働者を健全に雇用できる企業かどうかを評価するためです。
申請時には経営状況を証明するため、以下の書類の提出を求められます。
提出が必要な書類の例
- 決算書類
- 事業計画書
- 登記簿謄本
- 事業内容説明資料
新規設立企業の場合は、詳細な事業計画と資金計画の提出が必要となり、事業の実現可能性について厳格に審査されるため注意しましょう。
日本人と同等の給与水準にする
同一労働同一賃金の原則に基づき、日本人従業員と同等以上の給与水準を確保する必要があります。
「外国人だから」という理由で給与を低くすることは認められていません。
例えば、以下のような扱いはNGです。
NG例
- 同じ役職の日本人より基本給が低い
- 残業代を支払わない
- ボーナスの回数を減らす
- 昇給・昇格の機会を与えない
特に新卒採用では同期入社の日本人と比べられるため、給与が下回る場合は合理的な理由を明確に示さなければ申請が不許可になる可能性があります。
以下の記事では、技術・人文知識・国際業務の許可要件や従事できる・できない業務を詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
【関連記事】
技術・人文知識・国際業務(技人国)の許可要件と従事できる・できない業務を解説
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の雇用方法
技術・人文知識・国際業務の申請方法は、外国人の現在の状況によって手続きが異なります。
- 海外在住の外国人を雇用する場合
- 日本にいる外国人を雇用する場合
それぞれのルートでの申請方法を見ていきましょう。
海外在住の外国人を雇用する場合
海外在住の外国人を雇用する際は、次の5ステップで進めます。
雇用の流れ
- 雇用契約の締結
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格認定証明書の送付
- 査証(ビザ)申請
- 来日・就労開始
企業と外国人の間で雇用契約を締結し、企業が出入国在留管理局に在留資格認定証明書を申請します。証明書が交付されたら、外国人に送付してください。
外国人は自国の日本大使館・領事館に在留資格認定証明書を提出し、査証(ビザ)申請の手続きをします。ビザを取得し入国後、在留カードを受け取ったら就労を開始できます。
在留資格認定証明書の申請方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【関連記事】
在留資格認定証明書の申請方法と入国までの流れや手続きの注意点について解説
在留資格認定証明書の申請は、出入国在留管理庁への提出が必要となる行政手続きです。そのため、自社だけでの対応が難しい場合は、申請取次が可能な行政書士へ依頼することも検討できます。
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日本に滞在している外国人を雇用する場合
日本にいる外国人を雇用する際は、次の5ステップで進めます。
雇用の流れ
- 人材を募集する
- 面接をおこなう
- 雇用契約を結ぶ
- 在留資格を申請する
- 就労を開始する
まず人材を募集します。募集方法は留学生が在籍する学校に求人を出す、外国人向けの人材紹介会社を通じて候補者を紹介してもらうなどがあります。
候補者が決まったら面接をおこないます。面接をおこなう際には、必ず在留カードを確認してください。
就労が認められていない在留資格や、有効期限が切れている場合は採用できません。
採用を進める場合は、候補者が理解できる言語で労働条件を説明し、雇用契約書を作成します。記載内容に双方が合意した上で、雇用契約を締結するようにしましょう。
その後、外国人本人が出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行います。許可が下りたら、新しい在留資格で正式に就労を開始できます。
「技術・人文知識・国際業務」で採用する際の注意点
技術・人文知識・国際業務の外国人を採用する際の主な注意点は、以下のとおりです。
注意点
- 雇用後はハローワークに「外国人雇用状況届出書」を提出する
- 単純労働はさせてはいけない
- 在留期間の管理を徹底する
外国人を雇用した場合、雇用開始日から14日以内に「外国人雇用状況届出書」をハローワークに提出する義務があります。
届出を怠ると、企業に対して指導・勧告の対象となるとともに、30万円以下の罰金対象になる場合もあるため、忘れずに提出しましょう。
技術・人文知識・国際業務は、専門的な知識・技術を活かすための在留資格なので、清掃やスーパーのレジ打ちといった単純労働は認められません。単純労働が認められた場合、継続して雇用できない可能性があります。
また、雇用した外国人の在留期間は、企業側も管理しましょう。在留期間が切れてしまうと外国人労働者強制退去処分を受け、企業側は不法雇用助長罪に問われます。
在留期間の更新は、期間満了日の3ヵ月前から申請が可能です。満了日が近づいたら外国人労働者にアナウンスして、更新手続きのサポートをおこないましょう。
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「技術・人文知識・国際業務」に関するよくある質問
最後に「技術・人文知識・国際業務」に関するよくある質問と回答をまとめます。
技術・人文知識・国際業務」の在留資格でアルバイトはできますか?
分野と関連のある業務であればアルバイトは可能です。
アルバイトをする際は「資格外活動許可」が必要です。出入国在留管理局にて「資格外活動許可」を申請し、許可が下りればアルバイトとして働けます。
在留資格を申請するための必要書類を教えてください
申請書類は状況によって異なりますが、主要な書類は以下の通りです。
基本書類
- 申請書(在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書)
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 雇用契約書または内定通知書
企業関連書類
- 登記簿謄本
- 決算書類(直近3年分)
- 事業内容説明書
- 組織図
- 従業員数証明書
個人関連書類
- 学歴証明書(卒業証明書・学位証明書)
- 成績証明書
- 職歴証明書
- パスポートのコピー
- 在留カード(該当者のみ)
追加書類
- 日本語能力証明書
- 技術・技能証明書
- 実務経験証明書
参考:在留資格「技術・人文知識・国際業務」|出入国在留管理庁
不許可になった事例を教えてください
出入国在留管理庁の資料に掲載されていた不許可事例を3つ紹介します。
事例1:学歴と業務の関連性不足
教育学部卒業者が弁当製造工場でのライン作業に従事する申請が不許可となった事例。専門知識を必要としない単純労働であることと、学歴との関連性がないことが理由。
事例2:給与水準の不適切性
日中通訳翻訳学科卒業者の採用で、同職種の日本人新卒者が月額20万円の報酬を受けるのに対し、外国人が月額17万円の条件での申請が不許可となった事例。同一労働同一賃金の原則に反することが理由。
事例3:在留状況の不良
専門学校の出席率が70%と低く、欠席期間中に資格外活動(許可外のアルバイト)に従事していたことが判明し不許可となった事例。
参考:許可・不許可事例|出入国在留管理庁
申請が不許可にならないためにも、外国人雇用の手続きに強い行政書士事務所に業務を委託すると確実かつスムーズに申請が進められます。
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在留資格「技術・人文知識・国際業務」の知識を深めて必要な人材を確保しよう
技術・人文知識・国際業務は、専門性の高い外国人を採用するための在留資格です。
学歴と業務の関連性を確保し、適正な給与設定や継続的な在留資格管理、そして専門性を活かせる業務環境を提供しましょう。
不明な点がある場合は、出入国在留管理局や専門の行政書士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
技術・人文知識・国際業務の在留資格で優秀な外国人を採用し、グローバルビジネスの発展を実現しましょう。
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