「JLPT(日本語能力試験)って何?」
「N1やN2の違いはどう判断すればいいの?」
JLPTは日本語力を客観的に証明できる国際的な資格試験です。
N1からN5までの等級があり、それぞれが示す日本語力のレベルは採用判断に直結します。
本記事では、JLPTの概要や等級ごとの特徴をわかりやすく解説します。合格者数や申し込み方法なども紹介していますので、外国人採用の判断材料として参考にしてみてください。
弊社「外国人採用の窓口」では、JLPTに関する疑問やお悩みについて無料相談を受け付けております。小さなことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。
INDEX
JLPT(日本語能力試験)とは

JLPT(Japanese Language Proficiency Test/日本語能力試験)は、日本語を母語としない人の日本語力を測るための国際的な試験です。
JLPTは1984年に国際交流基金と日本国際教育協会によって始まりました。
開始当初の受験者は世界全体で約7,000人でしたが、2024年には全世界で約172万人が受験するまでに拡大しています。
この試験は留学や就職、在留資格の申請など、日本での生活や働くための重要な判断基準として幅広く利用されています。
JLPT(日本語能力試験)の合格が求められる在留資格
JLPT(日本語能力試験)は、日本での就職や留学を目指す外国人にとって大きな意味を持つ資格です。
レベル別にN1〜N5の5段階があり、難易度の高いN1やN2は日本企業で高く評価されます。特定技能1号(特定の分野で知識や経験を持つ外国人が日本で働くための在留資格)では、技能試験のN4程度が人材基準とされています。
また、JLPTは日本語力の公的な証明として就職や進学で有利に働くだけではありません。試験を目標に学習を進めることで実践的な日本語力の向上にもつながります。
合格が必須でない在留資格でも、取得しておくと採用面でプラスに評価されます。
JLPT(日本語能力試験)と日本語検定の違い

JLPT(日本語能力試験)と日本語検定は、どちらも日本語力を測る試験ですが、目的と評価の対象が異なります。
JLPTは日本語を母語としない人のために設けられた試験で、出入国在留管理庁や企業が日本語力の証明として認めています。主に外国人の留学、就労、在留資格申請などの場面で利用される点が特徴です。
一方、日本語検定(実用日本語検定)は、日本人も受験できる試験で、言葉遣いや敬語、漢字の知識などを総合的に測定します。日本語運用の幅広さを求める教育機関や企業が評価基準とするケースが多いです。
JLPTは外国人のための日本語力を証明する国際試験であり、日本語検定は日本語の正しい使い方を確認する試験です。
JLPT(日本語能力試験)のレベルと目安

JLPTにはN1からN5までの5段階があり、数字が小さいほど難易度が高くなります。各レベルでは、語彙や文法の理解度、読解・聴解の力が異なり、目的に応じて求められるレベルも変わります。
以下では、それぞれのレベルの特徴と難易度の目安を紹介します。
- N1レベル|難易度★★★★★
- N2レベル|難易度★★★★☆
- N3レベル|難易度★★★☆☆
- N4レベル|難易度★★☆☆☆
- N5レベル|難易度★☆☆☆☆
採用時に迷いやすい、どのレベルが実務で通用するかを理解していきましょう。
N1レベル|難易度★★★★★
N1レベルは、JLPTの中で最も高い難易度を誇る上級レベルです。
ビジネスや大学の講義、専門的な議論にも対応できる日本語力を意味します。文法や語彙の範囲が非常に広く、新聞記事や論文を読んで内容を正確に理解できる力が求められます。
例えば、会議で意見を述べたり、報告書を作成したりといった実務レベルの日本語運用が可能です。日本企業では、上司や取引先とのやり取りを任せられる人材として高く評価されます。
N2レベル|難易度★★★★☆
N2レベルは、職場や学校などで日常的に使われる日本語を理解できる中上級レベルです。
専門書やビジネス文書の内容をおおむね把握でき、日常会話から業務連絡まで幅広く対応できます。実務で日本語を使う外国人にとって、就職に有利なレベルといえます。
日本人スタッフとの円滑なコミュニケーションが可能なため、採用現場では即戦力として評価されやすいです。また、介護や製造などの特定分野の在留資格では、N2の合格が条件または目安となっています。
N3レベル|難易度★★★☆☆
N3レベルは、日常生活や職場でよく使われる日本語を理解できる中級レベルです。
日本語を使った簡単な会話や文章のやり取りができるため、初歩的な業務やコミュニケーションに十分対応可能です。
N3レベルの合格者は、日常的な指示や説明を聞いて理解し、簡単な報告や相談を日本語でおこなえます。N3は、N2に比べるとビジネス文書や抽象的な表現の理解にはまだ課題がありますが、今後の成長が期待できる段階です。
採用担当の方は、N3合格者を育成対象として迎えることで、長期的な人材確保につながります。
N4レベル|難易度★★☆☆☆
N4レベルは、基本的な日本語を理解し簡単な会話や読み書きができる初中級レベルです。
身近な話題や日常生活で使われる表現を中心に学ぶため、生活面では十分に対応できる日本語力といえます。文法や語彙は限られますが、日本での生活を始める外国人にとって、基礎を固める段階として重要です。
また、特定技能1号や技能実習の在留資格では、N4合格が求められるケースがあります。職場での安全指示や報告を理解する最低限の日本語力として評価されるレベルです。
N5レベル|難易度★☆☆☆☆
N5レベルは、JLPTの中で最も基礎的な日本語力を示すレベルです。
日常生活で使うごく簡単な日本語を理解し、短い会話や挨拶、簡単な指示に対応できます。文法や語彙は限られますが、基本的な表現を使って意思を伝えられる点が特徴です。
N5の取得は、技能実習や留学準備など、初めて日本で生活を始める外国人が多く目指します。N5レベルの人材には業務内容をできるだけ簡潔に伝えることが重要です。
現場で日本語を学べる機会を与えることで、早期の戦力化につながります。
JLPT(日本語能力試験)の受験者数

JLPTの受験者数は、年々増加傾向にあります。2024年の試験では、全世界で約172万人が受験し、過去最多を記録しました。
近年では、世界的な日本語学習ブームに加え、日本での就労や留学を希望する外国人が増えていることが背景にあります。特に注目すべきは、受験者の半数以上が海外からの受験者である点です。
アジア諸国をはじめ、ヨーロッパや南米でも受験者が増えています。また、日本国内でも外国人労働者や留学生の増加により、JLPTの受験希望者が安定して増えています。
参考:データで見る日本語能力試験|日本能力試験JLPT
JLPT(日本語能力試験)の合格者数

JLPTの合格者数は、世界的な日本語需要の高まりとともに増加しています。2024年7月の試験では、全体の受験者約79万人のうち、約40%が合格しました。
レベル別の合格者数は以下の通りです。
| レベル | 合格者数(国内・海外の合計) |
|---|---|
| N1 | 39,272人 |
| N2 | 65,575人 |
| N3 | 71,792人 |
| N4 | 64,207人 |
| N5 | 28,586人 |
参考:過去の試験のデータ|日本能力試験JLPT
特にN2・N3レベルの合格者が多く、日本での就労や留学を目指す層に人気の高いレベルであることがわかります。
一方、最上位のN1レベルは合格率が約33%と難関です。
高い語彙力や読解力が求められるため、ビジネスレベルの日本語を習得している人に限られます。N5やN4は初級者が多く受験するため、比較的合格率が高く、学習の第一歩として挑戦する人が増えています。
JLPT(日本語能力試験)の申し込み方法

JLPTの受験申し込みは、日本国内と海外で手続き方法が異なります。
日本国内では、試験公式サイトの日本語能力試験(JLPT)公式ホームページから以下の手順で受験申し込みをおこないます。
JLPT申込手順
- MyJLPTへ登録
- IDの取得とパスワードの設定
- MyJLPTへログイン
- 情報の登録
- 受験料の支払い
- 申し込み完了
申し込み期間は、例年3月下旬頃(7月試験分)と8月下旬頃(12月試験分)に設定されています。期間を過ぎると受け付けが終了するため、早めの手続きが重要です。
海外で受験する場合は、国ごとに指定された現地の運営機関の案内に従って申し込みます。試験地や受付期間が国によって異なるため、事前に公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。
【2025年】JLPT(日本語能力試験)の日程・開催場所

2025年のJLPTは、7月6日(日)と12月7日(日)の年2回実施されます。両回とも、全国47都道府県で受験が開催される予定です。
なお、海外で受験する場合は試験が7月と12月の両方実施される国もあれば、片方だけ実施される国もあります。
具体的な実施都市や申し込み窓口は、JLPT公式サイトの海外の実施都市・実施機関一覧で確認できます。
参考:2025実施要項|日本語能力試験JLPT
参考:海外の実施都市・実施機関一覧|日本語能力試験JLPT
JLPT(日本語能力試験)合格者を採用する時の注意点

JLPTの合格は日本語力を判断する有効な指標ですが、採用の現場ではいくつかの注意点があります。以下の3つの視点を意識すると、より正確に判断できます。
- 面接で合格証明書を確認する
- 資格レベルと実際の会話力に違いを感じる場合がある
- 採用後も日本語を学んでもらう必要がある
日本語運用力を見極め、採用後のミスマッチを防ぐための具体的な対応策を見ていきましょう。
面接で合格証明書を確認する
JLPTの合格を採用基準とする場合は、面接時に合格証明書を確認します。履歴書や自己申告のみでは、受験結果が正確でない可能性があるためです。
JLPTは公式サイトから電子証明書を発行できるので、応募者に提示を依頼するのが確実です。特にN1・N2の上位レベルでは、採用後の業務内容にも直結するため、実際の合格レベルを確認します。
証明書には受験回や受験地、受験番号が記載されており、企業側で真偽を確認できます。
面接では実際に日本語での受け答えを通じて、証明書の内容と実力が一致しているかも確認しましょう。
資格レベルと実際の会話力に違いを感じる場合がある
JLPTは筆記試験中心のため、必ずしも会話力を正確に反映しているわけではありません。
読解や聴解の能力は測れますが、自然な会話や瞬時の受け答えの力は別のスキルとして評価が必要です。
資格レベルと会話力の違い例
例えば、N2に合格していても、ビジネス敬語や曖昧な表現の理解が難しいケースがあります。反対に、N3でも日本での実務経験を通して、滑らかに会話できる人もいます。
採用時は、面接やロールプレイを通じて、実際のコミュニケーション力を確認しましょう。ただし、面接時に会話力に課題があっても、現場で学ぶ意欲や柔軟性があれば十分に成長できます。
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採用後も日本語の学習を継続してもらうことは、職場での定着と成長に直結します。
JLPTに合格していても、専門用語や職場特有の言い回しは試験では学べないため、現場での学びが欠かせません。
入社時に理解できていても、実務を通して言葉の意味やニュアンスを深めていく必要があります。企業が学習機会を用意することで、本人の意欲も高まり、結果的に離職率の低下にもつながります。
採用担当の方は、日本語教育をサポートではなく投資の一部として捉えましょう。長期的に見て、企業の信頼や生産性の向上につながります。
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