外国人採用ガイド

建設業界の外国人材不足を解決!特定技能受け入れガイド【メリット・デメリット、事例】

深刻な人材不足に直面する日本の建設業界。

少子高齢化の影響で就労人口は減少の一途を辿り、1997年のピーク時(約685万人)と比較すると、2015年には約27%減の500万人まで落ち込みました。

こうした状況を打開するため、2019年4月、日本政府は新たな在留資格「特定技能」を創設し、一定の技能を持つ外国人材が建設業を含む様々な分野で就労できるようになりました。

2022年8月30日には業務区分の再編が行われ、建設関係の技能実習職種を含む全ての作業が新区分に分類され、外国人材の活躍の場がさらに広がっています。

建設業界の外国人就労者は2015年から2019年にかけて約3倍に増加し、労働人口の減少を食い止める一定の役割を果たしました。今後も外国人材の重要性はますます高まっていくと予想されています。

本記事では、12業種ある特定技能のうち、「建設」に焦点を当て、特定技能外国人材の採用方法やプロセス、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。

この記事の監修
(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。

特定技能制度とは

まずは、特定技能制度についての概要や位置づけ、導入の背景などを詳しく見ていきましょう。

特定技能制度の概要

特定技能制度は、深刻化する人手不足に対応するため、2019年4月に創設された外国人材の受け入れ制度です。

一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を、特定の産業分野に受け入れることを目的としています。

特定技能1号では、「介護/ビルクリーニング/工業製品製造業(素形材、産業機械製造、電気・電子情報関連)/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/自動車運送業/鉄道/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業/林業/木材産業」の16分野が対象となっており、一定の技能と日本語能力を有する外国人材を受け入れが可能となっています。

※2024年3月に新たに追加された「自動車運送業/鉄道/林業/木材産業」の受け入れ開始時期は未定。

特定技能ビザは、他の就労ビザと比べて就労可能な範囲が広い点が特徴です。単純労働だけを行うことはできませんが、単純労働を含む幅広い業務に従事できるため、企業にとって人材活用がしやすく、外国人にとっても活躍の場が広がる在留資格と言えます。

【特定技能1号/12分野】
介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
【特定技能2号/11分野】
ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

特定技能1号と2号の違い

特定技能1号と2号の違いは、主に以下の7つです。

特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算5年まで(更新:1年、6ヶ月、4ヶ月ごと) 更新回数に制限なし(更新:3年、1年、6ヶ月ごと)
永住権の取得 不可 条件を満たせば可能
技能水準 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 熟練した技能  (各分野の技能試験で確認)
外国人支援 必須 (支援計画の策定・実施が義務) 不要
家族の帯同 不可 条件を満たせば可能
日本語能力水準試験の有無 ある ない(分野によってはある)
試験の実施状況 国内外で実施中 主に国内で実施中(一部未実施)

特定技能1号では在留期限が通算5年ですが、特定技能2号は更新の上限がなくなり、家族帯同も可能になります。

また、特定技能2号は永住権取得のための要件を満たせる可能性があるほか、特定技能1号では必須であった支援計画の実施が2号では不要です。

建設業における特定技能外国人材の受け入れ条件

次に、建設業で特定技能外国人材を受け入れるための条件について詳しく解説します。

建設業での特定技能外国人材受け入れ要件

特定技能「建設」で外国人材を受け入れるには、いくつかの要件を満たす必要があります。ここでは、技能実習制度と比較しながら、重要なポイントを解説します。

特定技能 技能実習
建設業法第3条の許可 必要 必要
建設キャリアアップシステム加入 必要 必要
受け入れ人数の制限 あり あり
給与の支払い(天候不良60%保証) 月給 月給
建設技能人材機構(JAC)への入会
(会員または賛助会員)
必要 不要
監理・支援について 登録支援機関または自社 監理団体または自社

建設キャリアアップシステム(CCUS)への加入

2024年までに全技能者の登録を目標にしているということもあり、技能実習生・特定技能外国人材を含む全ての建設技能者の建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必須となります。事業者と技能者、両方の登録が必要です。

受入れ人数制限

技能実習と特定技能では、受入れ人数制限の解釈が異なります。

  • 技能実習
    常勤職員数には、海外事業所の職員、技能実習生、外国人建設就労者、1号特定技能外国人は含まれません。また、代表取締役、役員も除外されます。

  • 特定技能
    1号特定技能外国人材と外国人建設就労者の合計が、特定技能所属機関の常勤職員数(技能実習生、外国人建設就労者、1号特定技能外国人を除く)を超えてはいけません。常勤職員数は、社会保険加入者数で判断されます。

※代表取締役は、社会保険に加入し、週5日30時間以上勤務し、一定額以上の社会保険料を納付している場合にカウントされます(他社で役員を兼任していないことが前提)

※役員は、常勤であればカウントされますが、非常勤はカウントされません(常勤・非常勤の判断は、週5日30時間以上勤務し、適切な社会保険料を納付していることが前提)

月給制

2021年4月以降、技能実習・特定技能ともに月給制が原則です。天候不良や現場調整による休みの場合でも、日給の60%以上を支払う必要があります。また、給与の金額は日本人労働者と同等以上である必要があります。

建設技能人材機構(JAC)への入会

特定技能では、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への入会(会員または賛助会員)が必須です。

監理・支援

  • 技能実習
    一般的に監理団体が監理を行います。自社で監理することも可能ですが、厳しい要件を満たす必要があります。

  • 特定技能
    一般的に登録支援機関に義務的支援10項目を委託します。自社で支援することも可能ですが、厳しい要件を満たす必要があります。

『特定技能vs技能実習』どっちを選ぶ?メリット・デメリット、制度の違いを徹底比較!

建設業で特定技能外国人を受け入れ可能な職種

建設業における特定技能は、以前まで11職種だった区分が2022年8月に再編され、現在は以下の3つの区分で外国人材の就労が認められています。

1. 土木区分
型枠施工/コンクリート圧送/トンネル推進工/建設機械施工/土工/鉄筋施工/とび/海洋土木工/その他、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業
2. 建築区分
型枠施工/左官/コンクリート圧送/屋根ふき/土木/鉄筋施工/鉄筋継手/内装仕上げ/表装/とび/建築大工/建築板金/吹付ウレタン断熱/その他、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕、模様替又は係る作業
3. ライフライン・設備区分
電気通信/配管/建築板金/保温保冷/その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業

これらの区分は、特定技能1号と2号の両方に適用されます。特定技能2号の場合、上記に加え、複数技能者の指導や工程管理といったより高度な能力も求められます。

例えば、型枠施工の技能実習を修了した人は、土木区分と建築区分の両方に該当します。在留資格で認められた工事であれば、現場の種類に関わらず従事できます。ただし、雇用契約において業務範囲を明確化し、日本人と同等以上の報酬を設定する必要があります。

特定技能外国人材の採用プロセス

特定技能外国人材の採用には、いくつかのステップがあります。

ここでは、採用経路から雇用契約までの一連の流れを見ていきましょう。

特定技能外国人材の採用対象者

特定技能外国人材の主な対象者は以下の4パターンです。

  1. 技能実習2号からの移行
  2. 留学生の各試験合格者の移行
  3. 海外在住者の各試験合格者の採用
  4. 特定技能の国内転職者の採用

企業のニーズや状況に合わせて、適切な採用経路を選択することが重要です。

STEP1:特定技能外国人材の求人募集

特定技能外国人の採用方法は、大きく分けて以下の3つです。それぞれの特徴と注意点を踏まえ、自社に最適な方法を選択しましょう。

外国人材紹介会社に依頼

外国人材紹介会社は、企業のニーズに合った人材を迅速に紹介してくれるだけでなく、採用手続きや労務管理の代行も行ってくれる会社もあるため、効率的な採用活動が期待できます。

紹介会社を選ぶ際には、サポート体制や実績、特に採用希望職種や国籍における人材の紹介・派遣実績などを確認することが重要です。契約後のサポート内容が不明確な会社との契約は、トラブル発生のリスクがあるため注意が必要です。

求人媒体への出稿

外国人採用に特化した求人サイトなどの求人媒体も、特定技能外国人材の採用に活用できます。媒体によってターゲット層や料金、サポート体制が異なるため、自社の募集内容に適した媒体を選択することが重要です。

書類選考や面接では、技能や知識だけでなく、性格や企業文化との適合性も評価基準に含めましょう。

<2024年版>外国人採用に効果的な求人サイト11選

SNSの活用

FacebookをはじめとするSNSは、特にアジア圏で高い利用率を誇り、効果的な採用手段となります。特に、自分で積極的に仕事を探している意欲の高い人材や、SNSを使いこなせる若い世代へのアプローチが期待できます。

採用希望国籍の言語で情報発信することが理想的ですが、日本語での発信も一定の効果が見込めます。他の採用方法と比べて費用は抑えられますが、情報拡散力が必要となるため、採用までに時間を要する可能性があることは留意しておきましょう。

STEP2:面接の実施

候補者が見つかったら、面接を実施します。面接では、以下の6つの項目を必ず確認しましょう。

  1. 在留カード
    ・・・在留資格の有無と有効期限の確認

  2. パスポート/外国人登録証明書
    ・・・身分証明と入国手続きの確認

  3. 日本語能力試験合格証
    ・・・N4レベル以上の日本語能力の確認

  4. 特定技能1号技能測定試験合格証:
    ・・・対象分野の技能レベルの確認

  5. 住民税課税書(アルバイトの場合)
    ・・・週28時間以内であることの確認

  6. 履歴書・職務経歴書
    ・・・学歴、職歴、スキルなどの確認

志望動機、来日理由、企業・仕事を選んだ理由、働く上での希望なども確認し、適性や人柄を見極めましょう。

通訳を依頼することで、よりスムーズなコミュニケーションが図ることができるでしょう。

STEP3:雇用契約の締結

採用決定後、特定技能ビザの取得見込みが確認できたら、労働基準法などを遵守した雇用契約を締結します。

特定技能外国人と雇用契約には「特定技能雇用契約及び特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」の第一条に基づいた契約書の作成が必要になります。

ビザ申請には雇用契約書が必要となるため、必ず先に契約を済ませておきましょう。

雇用契約の内容は、法令で細かく定められており、所定労働時間、給与、休暇などに関する規定を遵守する必要があります。

例えば、所定労働時間は通常の労働者と同等、給与は日本人労働者と同等以上、一時帰国希望者には休暇を付与するといった点が挙げられます。

外国人労働者が契約内容を正しく理解しているかを確認することも重要です。

必要に応じて、英語や母国語で説明を行い、内容に誤解がないように配慮しましょう。

STEP4:支援計画の策定 (特定技能1号)

特定技能1号外国人材を受け入れる企業は、仕事面と生活面の両面で外国人材を支援するための「支援計画」を策定する義務があります。

支援計画の中の義務的支援は以下の10個の項目となっています。

  1. 事前ガイダンス
  2. 出入国の際の送迎
  3. 住居の確保と生活に必要な契約
  4. 生活オリエンテーションの実施
  5. 公的手続きへの同行
  6. 日本語学習機会の提供
  7. 相談や苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援
  10. 定期的な面談の実施、行政機関への通報

直近2年間外国人材の受け入れ経験がなく、生活相談の担当職員がいない場合は、登録支援機関への委託が必須となります。

義務的支援を登録支援機関に委託することで、企業の負担を軽減しながら、定着率の高い特定技能外国人の雇用を実現することができます。

【5分でわかる】「登録支援機関」って何をどこまでやってくれるの?特定技能外国人を雇用するのに絶対に必要?

STEP5:在留資格申請

雇用契約締結後、支援計画の策定が完了したら、「在留資格認定証明書交付申請」を行います。

必要書類を揃え、受入れ機関所在地を管轄する出入国在留管理局へ提出します。必要書類の詳細は、法務省のウェブサイトを参照ください。

STEP6:雇用開始

在留資格が取得できたら、いよいよ雇用開始です。

これらのステップは一般的なもので、国や地域によって異なる場合があります。

採用活動を行う際は、最新の関連法令や規制を確認し、適切な手続きを行うようにしましょう。

特定技能外国人材受け入れのメリット

建設業界における特定技能外国人材の受け入れには、様々なメリットがあります。

ここでは、その主要なメリットについて詳しく解説していきます。

建設現場における深刻な人手不足の解消

前述の通り、建設業界では長年にわたる労働力不足が深刻な問題となっています。

総務省の統計によると、1997年のピーク時には約685万人の就業者数がありましたが、2015年には約500万人まで減少し、実に27%もの減少が見られました。

労働力不足の背景は、少子高齢化をはじめ、建設業ならではの様々な理由がありますが、特定技能制度を活用して外国人雇用を推進することで、日本人だけではまかなえない貴重な労働力を確保することができます。

これにより、建設現場の人手不足を緩和し、工期の遅れや品質の低下を防ぐことができるのです。

即戦力となる技能を持った人材の確保

建設分野の特定技能の場合、技能実習からの移行や、留学生の試験合格による移行、海外在住者の採用など、多くの受入経路が用意されています。

特に、技能実習を修了した外国人材は、日本の建設業に関する知識と経験、一定の日本語能力を既に持っているため、スムーズに現場に適応することができます。

また、特定技能で就労可能な業務範囲は、技能実習と比べて汎用性が高いことも特徴のひとつです。

そのため、特定技能外国人材は技能実習生よりも、日本人と同等の幅広い業務に従事することが可能となります。

詳細な業務範囲は、出入国在留管理庁のウェブサイト等で確認できます。

長時間労働の改善

特定技能外国人材の受け入れは、長時間労働の改善にも役立ちます。

外国人材を活用することで、日本人労働者の長時間労働を抑制し、ワークライフバランスの改善を図ることができます。

また、特定技能制度では、外国人材に対する適切な雇用管理が求められています。例えば、月給制の採用や、天候不良時の賃金保証などがその一例です。

これらの取り組みは、外国人材だけのためではなく、日本人労働者にとって働きやすい環境づくりにもつながるはずです。

長時間労働を抑制し、しっかりと休日を確保できる体制にすることで、これまで採用できなかった若手の日本人の採用も期待できます。

専任技術者になることができる

特定技能2号の外国人材は、一定の条件を満たすことで、建設業における「専任技術者」になることが可能です。

一般建設業の専任技術者になるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 建設業種に応じた国家資格を保有している

  2. 許可を受けようとする建設業種での実務経験が10年以上ある

  3. 許可を受けようとする建設業種で定められた学歴と、3年以上または5年以上の実務経験がある

技能実習2号から特定技能1号に移行し、さらに特定技能2号で2年間就労した外国人材は、上記2(10年の実務経験)の要件を満たすことになります。

外国人材が専任技術者となることで、企業は建設業許可の取得・維持、そして営業所や支店の新設が可能になるだけでなく、専任技術者が不在になると、建設業許可が維持できなくなるため、外国人材の活用は企業にとって大きなメリットとなります。

特定技能外国人材受け入れの留意点

建設業界における外国人材の受け入れにあたっては、いくつかの重要な留意点があります。

ここでは、特定技能外国人を受入れる上で、受入れ企業が注意すべきポイントについて詳しく解説していきましょう。

日本語教育とコミュニケーションサポートの必要性

外国人材を受け入れる際、日本語能力の不足は大きな障壁となります。

建設現場での円滑なコミュニケーションを確保するためには、日本語教育の提供が不可欠となるため、企業は、外国人材に対して日本語学習の機会を提供する必要があります。

これには、社内での日本語研修の実施や、外部の日本語学校との提携などが含まれます。

また、日本人従業員に対しても、外国人材とのコミュニケーション方法についての研修を行うことが望ましいでしょう。

文化や習慣の違いへの配慮

外国人材の母国と日本では、文化や習慣に大きな違いがあるため、これらの違いを理解し、適切に対応することが求められます。

例えば、宗教上の理由から特定の食事制限がある場合や、休日の過ごし方が異なる場合などがあります。

また、日本人従業員に対しても、異文化理解の研修を実施するなど、多様性を受け入れる職場環境の整備が重要です。

お互いの文化を理解し合うことで、外国人材がより快適に働くことができるようになるでしょう。

受け入れにかかるコストと手間

特定技能外国人材を採用する際には、大きく分けて、初期費用と維持費用の2種類の費用が発生します。

また、建設業界のみ特定技能1号を採用する際、受け入れ企業が毎月負担しなければいけない「受入負担金」が発生する点に注意しましょう。

■初期費用
・人材紹介会社への紹介費用 (約30~60万円)
・送り出し機関への費用 (給与1ヶ月分程度)
・在留資格(ビザ)認定申請・変更申請委託費用 (約12~20万円)
・渡航費用(航空券)
・住居費用
・健康診断費用 など

■維持費用
・登録支援機関への支援委託費用 (月2~4万円)
・在留資格更新申請委託費用 (1回あたり約2~5万円)
・受入負担金(月1.25~2万円)
・外国人本人への給与(日本人と同様以上) など

これらの費用はあくまで相場であり、実際にかかる費用は、人材紹介会社や登録支援機関、採用する人数などによって変動するので、個々のケースに合わせて見積もりを取ることをおすすめします。

建設業界の特定技能外国人材受け入れ事例

それでは、建設業界における特定技能外国人材の受け入れ事例をいくつかご紹介します。

大手ゼネコンから地方の中堅建設会社まで、様々な規模の企業での取り組みを見ていきましょう。

地方の建設会社A社の事例

地方の中堅建設会社A社は、2017年頃から人材不足に悩まされ、外国人材の受け入れを検討し始めました。

当時、多くの技能実習生がが3年で帰国してしまう現状に頭を悩ませていたところ、協力会社で特定技能ビザを持つ外国人材が活躍しているのを目の当たりにし、自社でも育成に取り組むことを決意しました。

現在、特定技能1号で入社した1期生は5年目を迎え、A社が期待していた以上の活躍を見せています。

担当者は「彼らが一人で作業を進められるレベルをはるかに超え、想定以上の技術を身につけてくれたこと」を喜び、特に「指示を出さなくても仕事を完結できるまでに成長した」点を高く評価しています。

A社は、外国人材の定着と育成のために様々な工夫をしています。例えば、食事会などの交流機会を増やすことで、社員同士の親睦を深め、外国人材の生活状況を把握できるように努めているそうです。

また、生活面のサポート役を2名体制にすることで、いつでも気軽に相談できる環境も整えています。

「外国人材に差別や人間関係のトラブルで嫌な思いをさせてはいけない、彼らのご両親から大切な子どもを預かっているという意識を常に持つことが大切だ」と担当者はお話されていました。

A社の担当者は、これから特定技能外国人材の受け入れを検討している企業に向けて、「外国人材は真面目で明るく、責任感も強い。受け入れたからには、彼らがさらに成長できるよう、資格取得や管理職への登用など、積極的にチャレンジを後押しすることが大切だ」とメッセージをいただきました。

地方中堅ゼネコンB社の取り組み

地方の中堅ゼネコンB社は、2013年から技能実習生や特定技能外国人材の受け入れを開始し、現在21名のベトナム人材が活躍しています。

B社が外国人材の受け入れを決めたきっかけは、建設業界の人材不足と、外国人材の活用による建設業の魅力向上でした。

B社では、ベトナム人材の勤勉な姿勢が社内の競争力向上に繋がったと評価しています。

「仕事への熱意があれば、技術の上達も早い。ベトナム人材は技能習得への目標意識が高く、仕事もすぐに覚える。その結果、日本人職人のモチベーション向上にも繋がっている」と担当者は語っています。

現在、B社で働くベトナム人材は、職長からの信頼も厚く、班への所属を希望する声も多いそうです。型枠大工の仕事の約8割を一人でこなせるほどに成長した人材も多く、今後の活躍が期待されています。

日本語でのコミュニケーションには課題が残るものの、身振り手振りで意思疎通を図りながら、日本人材に引けを取らない働きぶりを見せているとのことです。

B社は、外国人材と日本人材の親睦を深めるため、コロナ禍以前は芋掘り、新年会、バーベキュー、ジンギスカンといった社内イベントを積極的に開催していました。現在は、イベント開催を控えているそうですが、コロナ禍が収束次第、再開を検討しているそうです。

担当者は、「特に寮に住んでいる実習生は、正月などは孤独を感じやすい。イベントを通してコミュニケーションを図ることは、仕事上の意思疎通を円滑にする上でも重要」だと考えています。

B社の担当者は、外国人材受け入れを検討している企業へのアドバイスとして、「文化や習慣の違いを理解しておくことが重要」と指摘しています。

例えば、ベトナムでは頭を触ることがタブーとされているため、事前に社内で共有しておくなどの配慮が必要であることなど、相手の国の文化や習慣を事前に理解しておくことで、スムーズな共存が可能になるでしょう。

B社の今後の目標は、ベトナム人材のみで構成された班を作ること。日本でキャリアアップできる道筋を示すことで、家族の帯同や日本での結婚など、人生設計の幅を広げ、優秀な人材の獲得に繋げたいと考えているそうです。

まとめ

建設業界は深刻な人手不足に直面しており、外国人材の活用はもはや当たり前の人材戦略となっています。

特定技能制度は、建設業の人材不足解消に大きく貢献することが期待されており、本記事では、特定技能制度の概要、建設業における受け入れ要件、採用プロセス、メリット・デメリット、そして企業の成功事例などを紹介しました。

特定技能は、建設分野では、土木、建築、ライフライン・設備の3区分があり、技能実習よりも幅広い業務に従事できる反面、受入れ企業は、建設業法に基づく許可、キャリアアップシステムへの加入、人数制限の遵守、月給制の採用、建設技能人材機構への入会など、様々な要件を満たした上で、日本人雇用よりも大きなコストや工数をかけて採用・雇用をすることになります。

日本人の若手採用が難しくなり続ける中、特定技能外国人の即戦力人材を活用することで、人手不足の解消はもちろんのこと、日本人労働者の長時間労働の改善をはじめ、将来的には、専任任技術者の獲得など、建設会社としての競争力強化にもつながることが期待できます。

紹介した2社の事例は、外国人材の育成と定着に向けた企業の取り組みを示す好例です。

これらの事例を参考に、外国人材と日本人材が共に活躍できる環境づくりを目指しましょう。

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