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配偶者ビザとは?期間や条件、どこで申請するかなどについて解説

配偶者ビザとは?期間や条件、どこで申請するかなどについて解説①

日本で外国人配偶者と生活するためには「配偶者ビザ」の取得が必要です。

このビザを取得すれば、日本での生活や就労が可能となり、将来的に永住権や帰化申請の条件を整える基盤にもなります。

ただし、取得には法的な婚姻や経済的基盤など一定の条件を満たす必要があります。

本記事では、配偶者ビザの概要や在留期間、条件、申請先、必要書類まで詳しく解説します。

この記事の監修
(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人・外国人含め全国で「300社・5,000件」以上の採用支援実績を持つ人材採用コンサルタント。監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用にも取り組んでいる。外国人雇用労務士、外国人雇用管理主任者資格、採用定着士認定保有。(一社)外国人雇用協議会所属。

配偶者ビザとは?

配偶者ビザとは?期間や条件、どこで申請するかなどについて解説②

配偶者ビザとは、日本で外国人が日本人の配偶者として生活するための在留資格の通称です。

正式には「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」などがあり、婚姻関係に基づいて日本での居住や就労が認められます。

原則として別途の就労資格外許可を必要とせず、在留期間は一定期間ごとの更新が可能です。

将来的な永住や帰化申請の基盤にもなり得るため、家族として日本で暮らす際の重要な手続きです。

企業側から見ると、配偶者ビザを持つ外国人は就労制限がない点が大きな特徴です。

特定技能や技人国ビザのような職種制限がなく、アルバイト・派遣・正社員・フリーランスなど幅広い形態で雇用できます。

配偶者ビザの在留期間は?

配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」など)の在留期間は、一般的に「1年」「3年」「5年」のいずれかで付与されます。

婚姻の継続性や生活基盤の安定度、過去の在留歴などに応じて短め(1年)や長め(3〜5年)に決まります。

期限は在留カードに記載されており、更新申請は満了日の3か月前から可能です。

更新の際も関係の実体や経済状況が審査され、問題がなければ同じかそれ以上の期間で更新されます。

企業が雇用する際は、在留期限の管理が非常に重要です。配偶者ビザが期限切れになると、不法就労となり企業側も罰則対象になる可能性があります。

採用時に在留カードの有効期限を確認し、社内台帳や人事システムに記録しておくことを推奨します。

配偶者ビザを取得できる人

配偶者ビザとは?期間や条件、どこで申請するかなどについて解説③

日本人と婚姻した外国人、日本人の子ども、特別養子縁組の子どもが対象です。

日本人と婚姻関係がある外国人

法的に有効な婚姻関係が成立している外国人は、「日本人の配偶者等」の在留資格を持ちます。

企業側は婚姻の有無を確認する義務はありませんが、在留カード上の資格確認は不可欠です。

この資格を持つ人は、業種や職種を問わず勤務できるため、接客・製造・事務職など幅広く採用可能です。

日本人配偶者との生活基盤が安定している人材が多く、定着率の高さも期待できます。

日本人の親を持つ子ども

日本人の親を持つ外国籍の子どもも「日本人の配偶者等」の資格で就労が可能です。

学生ビザや家族滞在ビザと異なり、フルタイム勤務にも制限がありません。

企業は在留カードを確認し、資格欄の記載が就労可能であれば、日本人と同様の雇用条件で契約して問題ありません。

特別養子縁組をした日本人の子ども

日本人と特別養子縁組をして法的に親子関係が成立している外国人も、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本国内での就労が認められます。

この場合も、まずは在留カードの資格区分を確認することが重要です。

採用時には、一般の外国人雇用と同様に、雇用契約書の締結や社会保険への加入手続きを適切に行えば問題ありません。

また、申請に際しては戸籍謄本や特別養子縁組の成立を示す書類の提出が求められます。

国外で手続きを行った場合は、翻訳文や日本での法的効力を証明する書類が必要になることがあります。

配偶者ビザを取得するメリット

配偶者ビザがあれば就労が認められ職の選択肢が広がり、永住や帰化の要件を満たすための在留実績にもつながります。

就職の幅が広がる

配偶者ビザを取得すると、原則として就労活動に制限がなく、日本国内でフルタイムの正社員や派遣、アルバイト、フリーランス、起業など幅広い働き方が可能になります。

就労資格を理由に採用をためらう企業も少なくなり、職種や業界を自由に選べる点は大きなメリットです。

なお、医師や弁護士など一部の専門職は別途資格や登録が必要になる点は注意してください。

企業としては、配偶者ビザ保持者を採用することで、即戦力人材をスムーズに確保できるという利点があります。

雇用形態の制限がないため、パートタイムや正社員など柔軟な採用が可能です。

永住権や帰化の申請がしやすくなる

配偶者ビザがあると、永住権や帰化の申請に向けて有利になりますが、それ自体が自動的に永住や帰化を保証するわけではありません。メリットとポイントは主に次のとおりです。

  • 居住年数のカウントができる
    永住権や帰化の要件には一定の「継続居住年数」が必要です。配偶者ビザで日本に長く安定して滞在できれば、その期間が申請要件のカウントに含まれます。
  • 家族関係・生活の安定を示しやすい
    配偶者ビザは法的な婚姻関係と同居実態を前提にしているため、永住・帰化で求められる「日本で安定した生活基盤」や「継続的な家族関係」を証明しやすくなります。
  • 経済的・社会的要件を満たしやすい
    就労・納税・年金加入などの記録を整えやすく、永住や帰化で重視される「生活基盤の安定」「公的義務の履行」を裏付ける書類が用意しやすくなります。

企業としては、永住・帰化の申請が進むほど安定した雇用が見込めるため、長期的な人材育成・定着施策にも適した層といえます。

配偶者ビザを取得するための条件

配偶者ビザとは?期間や条件、どこで申請するかなどについて解説④

婚姻が法的に有効で夫婦関係に実体があり、収入や資産で生活基盤が確保され、在留歴に問題がないこと。

法的に有効な婚姻手続きが成立していること

配偶者ビザを申請するには、まず「法的に有効な婚姻手続き」が成立していることが必要です。

単なる事実婚や同居関係だけでは原則として認められません。

日本で婚姻した場合は市区町村に婚姻届を提出して受理されていることが要件です。

国外で婚姻した場合は、当該国の法律に基づく有効な婚姻であること、かつ日本側で必要な手続き(戸籍への記載や婚姻証明書の提出など)が整っていることが求められます。

前婚が未解消である二重婚や、法律上無効とされる婚姻は認められません。

また、現行の日本法では同性婚は全国的に法的に認められていないため、配偶者ビザの対象とはならない点にも注意が必要です。

企業が採用する際は、法的に有効な婚姻に基づく在留資格であるかを在留カードで確認することが大切です。

婚姻関係に問題が生じて資格が取り消された場合、本人は働くことができなくなるため、資格の安定性を確認してから雇用契約を締結するのが望ましい対応です。

夫婦関係が実体を伴っていること

「夫婦関係が実体を伴っていること」とは、単なる形式上の婚姻ではなく、生活を共にし互いに扶助する実態があることを指します。

入管は共同生活の事実や継続性、経済的な結びつき、家族関係の自然さなどを総合的に判断します。

提出すべき証拠例としては、同居の住民票や賃貸契約書、光熱費や郵便物の届出、共同名義の銀行口座や保険、夫婦で写った写真、旅行やイベントの領収書、やり取りの記録(メール・SNS等)、親族や友人の陳述書などが挙げられます。

特に遠距離婚や結婚直後の場合は、時系列で関係性を示す資料を揃えることが重要です。

不整合や説明不足があると審査で厳しく見られるため、事実を裏付ける多角的な証拠を用意し、必要に応じて専門家に相談しましょう。

雇用側としては、夫婦関係の実体があるかを直接確認する義務はありませんが、在留資格の信頼性を前提に採用を行うことが基本です。

もし在留資格が取り消されると、その時点で雇用を継続できなくなるため、定期的に在留カードの有効期限をチェックし、資格が維持されているかを確認する体制を整えておくと安心です。

生活を支える十分な経済的基盤が整っていること

配偶者ビザ申請では、申請者(通常は日本人配偶者)に「夫婦が日本で生活していけるだけの経済的基盤があるか」が審査されます。

具体的には、安定した収入(給与明細、源泉徴収票、雇用契約書など)、課税・納税の記録(課税証明書、納税証明)、預貯金通帳や資産証明が重要です。固定給与がない場合でも、貯蓄や配偶者・親など第三者の扶助(連帯保証や資金援助の誓約書)を示せば補えることがあります。

企業側としては、配偶者ビザ保持者の在留資格は家庭単位での生活安定性が審査されている点を理解しておくと良いでしょう。

就労を通じて安定した収入が得られていることは、次回の在留資格更新にもプラスに働くため、長期雇用にもつながります。

安定的な勤務を支援することは、本人だけでなく企業側にも利益をもたらす取り組みです。

今までの在留状況に問題点がないこと

在留歴に不備や違反があると、審査で厳しく問われることがあります。

例えば、不法残留や資格外活動(無許可の就労)、在留カードの未携帯・期限切れ、過去の在留資格取消しや強制退去歴、犯罪歴などが該当します。

ただし、これらが直ちに不許可を意味するわけではなく、事実関係の説明や改善の証拠(雇用証明、納税証明、反省の状況など)を添付することで評価が変わることもあります。

心配な場合は申請前に入国管理局や行政書士・弁護士に相談し、必要書類や説明書を整えておくことをおすすめします。

企業が採用を検討する際は、過去に不法就労歴がないか、現在の資格が有効かを確認することが重要です。

在留カードを確認し、資格欄・在留期間・就労可否を明確にしておくことで、トラブルを防ぐことができます。本人に不備がある場合は、採用前に入管や専門家への相談を勧めるのが適切です。

配偶者ビザはどこで申請する?

配偶者ビザとは?期間や条件、どこで申請するかなどについて解説➄

配偶者ビザの申請先は、基本的に出入国在留管理庁(入国管理局)の各地方入国管理局です。

日本国外にいる配偶者を呼び寄せる場合は、まず日本側の配偶者(又は代理人)が国内の入国管理局に「在留資格認定証明書(COE)」を申請し、交付後に相手が日本大使館・領事館で在留資格に基づく査証(ビザ)を取得します。

すでに日本に滞在している人が在留資格変更や在留期間更新を行う場合は、住所地を管轄する地方入国管理局で手続きを行います。

代理人申請や郵送申請が認められるケースもあるため、事前に出入国在留管理庁の公式サイトや最寄りの窓口で必要書類や受付方法を確認することをおすすめします。

企業側では、採用時点で配偶者ビザが有効であれば特別な手続きは不要ですが、更新時期や資格変更が発生した際には注意が必要です。

本人が在留期間更新中である場合、審査完了までの期間は就労継続が認められますが、必ず「在留期間更新申請中」であることを証明できる書類を確認し、コピーを保管しておきましょう。

配偶者ビザの取得に必要な書類は?

配偶者ビザ申請で求められる書類は、申請方法(日本国内での「在留資格変更」か、海外からの「在留資格認定証明書(COE)申請」)によって若干異なりますが、主なものは以下の通りです。

  • 申請書(入国管理局所定様式)と写真
  • パスポートおよび在留カード(国内申請の場合)
  • 婚姻を証明する書類(婚姻届受理証明書、戸籍謄本、結婚証明書の公証・翻訳)
  • 日本側配偶者の戸籍謄本、住民票、課税証明書や納税証明、在職証明書・収入証明(源泉徴収票等)
  • 申請理由書・身元保証書や同居を示す住居契約書、写真などの補助資料
  • 外国文書は原本と日本語訳(翻訳者の署名等を求められる場合あり)

必要書類や提出方法は入国管理局の窓口や地域で差が出ることがあります。

事前に最寄りの出入国在留管理局の案内を確認するか、専門家に相談することをおすすめします。

企業としては、これらの書類を本人が適切に管理しているかを確認し、ビザ更新時のトラブルを防ぐ支援体制を整えることが望まれます。

例えば、在留カードの期限が近い社員に対してリマインドを行うなど、社内でのフォロー体制を持つと良いでしょう。

まとめ

配偶者ビザは日本で外国人配偶者が生活・就労するための在留資格です。

取得には法的婚姻、実体ある夫婦関係、安定した経済基盤、適正な在留履歴などが必要で、申請は国内の出入国在留管理局(在外なら大使館・領事館)へ行きましょう。

手続きや書類は状況で異なるため、早めに準備し、必要なら専門家へ相談しましょう。

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