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#特定技能

特定技能とは?1号・2号や技能実習制度の違い、受け入れ条件を解説

特定技能の在留資格とは?受入れの流れや対象の特定産業分野14種とは

「特定技能ってどんな制度なの?」
「特定技能外国人の受け入れ要件や雇用するメリットも知りたい」

特定技能制度とは、人材の確保が難しい16の産業分野で、一定のスキルを持つ外国人を受け入れて人手不足の解消を図る制度です。

特定技能外国人は、幅広い業務に従事可能なほか、特定技能2号では経験と技術が熟練された外国人を雇用できるため、企業にとって大きなメリットがあります。

本記事では、特定技能制度について詳しく解説します。1号・2号の違いや雇用するメリット・デメリット、受け入れの流れも紹介するので参考にしてみてください。

弊社「外国人採用の窓口」では、特定技能外国人の雇用に関する相談を無料で受け付けております。お悩み・聞きたいことがある方は、以下の問い合わせフォームまたは電話にてお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修
(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。

特定技能制度とは

話し合う外国人社員

特定技能制度は、日本社会が直面する深刻な人手不足に対応するために創設された制度です。2019年4月の出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)の改正により新設されました。

特定技能制度について、以下2つのトピックスで詳しく解説します。

  1. 特定技能外国人の就労状況
  2. 技能実習制度との違い

順番に見ていきましょう。

特定技能外国人の就労状況

現在、日本でどれくらいの特定技能の在留資格を持つ外国人が就労しているのか見ていきましょう。

以下は、出入国在留管理長の調査資料を参考にして作成した、令和6年から過去5年間の特定技能における在留外国人数の推移を示した表です。

在留資格 在留外国人の数
令和6年末 28万4,466人
令和5年末 20万8,462人
令和4年末 13万923人
令和3年末 4万9,666人
令和2年末 1万5,663人

参考:【図3】在留資格別 在留外国人の構成比(令和6年末)|出入国在留監理庁

令和6年末時点の特定技能における在留外国人労働者は、28万4,466人です。5年前の令和2年末は1万5,663人だったため、大幅に増加していることがわかります。

技能実習制度との違い

技能実習制度は、日本で得た技術・知識を母国に持ち帰り、経済発展を促進させて国際協力を目的とした制度です。

一方で特定技能制度は、人材確保が困難な産業分野において、一定の専門性・技能を持っている外国人を受け入れることで人手不足の解消を目的とした制度です。

以下の記事では、技能実習と特定技能の違いを詳しく解説しています。比較表を用いてわかりやすく伝えているので、理解を深めたい方はあわせてご覧ください。

【関連記事】
技能実習と特定技能の違いとは?11のポイントを比較表で徹底解説

特定技能1号と2号について

女性の外国人社員

特定技能には1号と2号の2種類があります。それぞれの違いを以下3つの項目で解説します。

  1. 在留資格の取得要件
  2. 在留資格の特徴
  3. 受け入れ対象の職種

順番に見ていきましょう。

在留資格の特徴

特定技能1号は、相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事する外国人が対象です。

一度に付与される在留期間は最長1年で、通算の在留期間の上限は5年です。原則として家族の帯同は認められていません。

特定技能2号は、熟練した技能を要する業務に従事する外国人が対象です。

一度に付与される在留期間は最長3年で、在留期間の更新に上限がなく、長期的に日本での就労が可能です。また、配偶者および子の帯同が認められています。

在留資格の取得要件

特定技能1号の在留資格を取得する際の主な基準は、分野別に定められた技能試験と日本語能力試験N4相当以上(JLPT N4またはJFT-Basic)に合格することです。※分野により追加の要件が設けられている場合があります。

ただし、技能実習2号または3号を良好に修了している場合は試験が免除されます。

特定技能2号の在留資格取得における主な要件は、象分野別に定められた実務経験の期間を満たし、特定技能2号評価試験に合格することです。漁業など一部の分野においては、日本語能力試験N3の合格が求められます。

特定技能2号の場合は、技能実習の修了などによる試験免除制度はありません。

受け入れ対象の職種

特定技能制度では、受け入れが認められる産業分野があらかじめ定められており、分野ごとに制度運用の方針や試験制度が整備されています。以下は、出入国在留管理庁が公表している特定技能の受け入れ対象分野の一覧です。

在留資格の種類 受け入れ対象分野
特定技能1号(16分野) 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業
特定技能2号(11分野) ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

参考:特定技能1号の各分野の仕事内容|出入国在留管理庁
特定技能2号の各分野の仕事内容|出入国在留管理庁

特定技能1号は、相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事する外国人を対象としており、2025年4月時点で16分野が受け入れ対象となっています。

特定技能2号は、より熟練した技能を必要とする業務が対象となっており、現時点で11分野において外国人労働者の受け入れが可能です。

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特定技能外国人を受け入れる企業側の条件

書類を見て話し合う日本人社員

受入れ機関である企業は、次の基準を満たす必要があります。

企業が満たす条件

  • 外国人と結ぶ雇用契約が適切(最低賃金を守り、日本人と同等以上の報酬額を設定)
  • 機関自体が適切(過去5年に出入国・労働法令の違反がない)
  • 外国人を支援する体制を整える(外国人が理解できる言語で支援を行うなど)
  • 外国人の支援計画が適切(日本での生活支援を行う)

また、基準とあわせて次の3つが義務となります。

企業に求められる義務

  • 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行(雇用契約通りの賃金支払いを行う)
  • 外国人の支援を適切に実施(支援が難しければ登録支援機関に委託してもよい)
  • 出入国在留管理庁への各種届出を行う

とくに、外国人を採用する際は、居住地の確保や日本のルールに沿った各種公的な手続き(納税や保険加入など)のサポートが必要になります。

【関連記事】
特定技能(1号・2号)受け入れの条件と企業側の義務について解説

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特定技能外国人の受入れ診断チェック

特定技能1号外国人における義務的支援

話し合いをする社員

特定技能1号の外国人を受け入れる場合、受け入れ機関には、入管法に基づく支援の実施が義務付けられています。

この支援は、法令で定められた10項目の義務的支援と、任意で実施することができる任意的支援に分類されます。

受け入れ機関が自ら支援を適正に実施する体制を有していない場合には、入管庁の登録を受けた登録支援機関に支援の全部または一部を委託できます。

なお、この支援の義務は特定技能1号に限られ、特定技能2号の外国人には支援の実施義務は課されていません。

以下の記事では、登録支援機関にお願いできる業務や、義務的支援10項目の詳細を解説しています。自社支援か登録支援機関への委託かを検討する際の参考にしてみてください。

【関連記事】
登録支援機関とは?申請方法と失敗しない選び方のポイントを解説

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特定技能外国人の受入れ後のサポート体制

特定技能外国人を受け入れるメリット

スーツ姿の外国人社員 特定技能外国人を受け入れると以下のようなメリットがあります。

受け入れるメリット

  • 人材不足の解消につなげられる
  • 単純労働に従事させられる
  • 一部の在留資格よりも受け入れのハードルが低い

特定技能は日本の人手不足の解消を目的として作られた制度のため、受入れ人数の上限に制限がありません。※一部の産業分野を除く

そのため、人材が足りていないぶんを、特定技能外国人でカバーできます。

また、多くの在留資格で禁止されている単純労働にも特定技能外国人は従事可能です。幅広い作業を任せられるため、柔軟に人材を配置できます。

特定技能は、ほかの在留資格と比べると、比較的受け入れのハードルが低いです。

例えば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、学歴の基準が設けられ、学校で学習した分野と関連のある仕事にしか就けません。

受け入れのハードルが低ければ、採用活動もスムーズに進みます。

特定技能外国人を受け入れるデメリット

頭を抱えて悩む外国人社員

一方で、特定技能外国人を受け入れると以下のようなデメリットがあります。

受け入れるデメリット

  • 外国人雇用に関する法令の知識を覚える必要がある
  • 支援業務に時間と労力がかかる
  • 価値観や文化の違いでトラブルが発生するリスクがある

外国人の在留資格を申請する際は、出入国管理及び難民認定法(入管法)を遵守する必要があります。そのため、法令に関する知識を身につけておかなくてはなりません。

また、特定技能1号外国人を受け入れる場合、企業側には生活面や就労面の支援が義務化されています。支援体制を構築するには、時間と労力がかかります。

外国人労働者を雇用する際は、価値観や文化の違いによるトラブル発生のリスクも避けられません。異文化への理解を深めたり、起こりうるトラブルへの対策を立てたりして、リスクを軽減させる努力が必要です。

なお、在留資格の申請手続きは「行政書士事務所」、特定技能1号外国人の支援業務は「登録支援機関」に委託可能です。

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特定技能外国人を受け入れる流れ

話し合う外国人

ここでは、特定技能外国人を受け入れる流れを解説します。

受け入れ方法は、主に以下の2パターンです。

  1. 海外在住の外国人を受け入れる場合
  2. 日本滞在の外国人を受け入れる場合

それぞれの手順を見ていきましょう。

海外在住の外国人を受け入れる場合

海外在住の外国人を受け入れる場合の流れは以下の6ステップです。

海外在住の外国人を受け入れる流れ

  1. 人材を募集する
  2. 面接をおこなう
  3. 雇用契約を結ぶ
  4. 在留資格認定証明書を申請をする
  5. ビザ(査証)を取得する
  6. 入国後、在留カードを受け取り就労を開始する

まずは、人材を募集します。海外在住の外国人材を自社で探すのが難しいと判断した場合は、外国人向けの人材紹介会社を利用すると、候補者選びがスムーズに進みます。

候補者が決まったら、次におこなうのは面接です。面接では人柄や保有スキル、日本語能力などをチェックします。労働条件や給与に関する説明の場面では外国人が理解できる言語で説明することが義務付けられています。

必要であれば通訳者を立てて、相手が、納得・合意した上で雇用契約を結んでください。雇用契約書も相手が理解できる言語での作成が求められているため、必要に応じて翻訳者を立てましょう。

【関連記事】
特定技能外国人の雇用で通訳・翻訳は必須?必要な場面や依頼方法を解説

雇用契約を結んだら、受け入れ機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局で在留資格認定証明書を申請します。書類が交付されたら、海外にいる外国人に送付してください。

外国人は、在外の日本大使館または領事館に在留資格認定証明書を提出し、入国するためのビザ(査証)の取得手続きを進めます。

ビザが発給されれば、外国人は日本への入国が可能です。空港で在留カードを受け取ったのち、就労を開始できます。

日本滞在の外国人を受け入れる場合

日本滞在の外国人を受け入れる場合の流れは以下の5ステップです。

日本滞在の外国人を受け入れる

  1. 人材を募集する
  2. 面接をおこなう
  3. 雇用契約を結ぶ
  4. 在留資格を申請する
  5. 就労を開始する

まずは、人材を募集します。募集方法は、留学生がいる学校に求人を出したり、外国人向けの人材紹介会社を介して候補者を紹介してもらったりする選択肢があります。

気になる人材が見つかったら、面接を実施します。面接時は外国人に在留カードの提示を求めてください。就労が認められていない在留資格や、更新手続きをせず有効期限切れのカードの場合、採用できません。

候補者が理解できる言語で、労働条件の説明や雇用契約書の作成をおこない、相互に納得した上で雇用契約を結びます。雇用契約を結んだら、出入国在留管理局に在留資格の変更を申請します。

在留資格の許可が下りたら、就労を開始可能です。

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特定技能に関するよくある質問

Q&A

最後に特定技能に関するよくある質問と回答を紹介します。

特定技能制度の改正は最近ありましたか?

直近では、2025年(令和7年)4月に省令改正がありました。

大きな変更点は、定期届出の提出頻度です。四半期ごとに提出だったものが、1年に1回に変更されました。

参考:令和7年4月1日施行の省令改正について|出入国在留監理庁

特定技能外国人は何年まで日本にいられますか?

特定技能1号の場合は、通算で上限5年まで日本に滞在して働けます。

特定技能2号の場合は、更新の上限がありません。そのため、更新を繰り返せば、制限なく日本に滞在し続けられます。

参考:「特定技能」の特徴|外務省

特定技能制度の理解を深めて外国人採用に役立てよう

日本人社員と外国人社員

特定技能外国人の受け入れは、人材不足の解消につながります。

特定技能1号は、技術と日本語の試験に合格し、一定のスキルと日本語能力を身につけているため、現場で即戦力としての活躍が期待できます。

特定技能2号の外国人は、さらに技術が熟練された方が対象のほか、在留期間の更新回数に上限がないため、採用すれば現場のリーダーとなる人材を長期雇用が可能です。

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