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育成就労の受入れ人数枠とは?受入れ可能人数の計算方法や優良認定による優遇措置を解説

育成就労の受入れ人数はどのように決まるのか、自社では何人まで受け入れられるのか、判断に迷っていませんか。

育成就労制度では、常勤職員数や優良認定の有無、指定区域に該当するかどうかなどによって、受入れ人数枠が変わります。

この記事では、育成就労外国人の受入れ人数枠の基本ルールを解説します。

単独型・監理型の違いや、地域ごとの優遇措置、産業分野ごとの特例、具体的な人数枠のシミュレーションまで紹介します。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

育成就労外国人の受入れには上限人数がある

育成就労制度では、受入れ機関が希望すれば何人でも外国人を雇用できるわけではなく、育成就労外国人の受入れ人数に上限が設けられています。

具体的には、育成就労実施者の常勤職員数を基準として人数枠が定められ、受け入れられる人数は企業規模や認定状況などによって変わります。

そのため、人手不足への対応として育成就労の活用を検討する場合でも、採用計画を立てる前に、自社がどの程度の人数を受け入れられるのかを確認しておくことが重要です。

なお、育成就労制度では分野ごとの受入れ見込数も設定されるため、個別企業の人数枠だけでなく、制度全体の上限にも注意が必要です。

以下は、育成就労の基本人数枠(受入れ可能人数)の一覧表です。

育成就労制度では、この人数枠を基本として、各要件を満たすことで枠が拡張される仕組み導入されています。

育成就労制度の基本人数枠(監理型)
受入れ企業の常勤職員の総数 基本人数枠(受入れ可能人数)
301人以上 受入れ企業の常勤職員の総数の20分の3(15%)
201人以上300人以下 45人
101人以上200人以下 30人
51人以上100人以下 18人
41人以上50人以下 15人
31人以上40人以下 12人
3人以上30人以下 9人
2人 6人
1人 3人

参考:出入国在留管理庁・厚生労働省|育成就労制度の関係省令等について

監理型育成就労と単独型育成就労の人数枠

育成就労制度には、監理型育成就労と単独型育成就労があります。

このうち、監理型と単独型では受入れの仕組みが異なり、人数枠の考え方にも違いがあります。

それぞれ詳しく解説します。

監理型育成就労

監理型育成就労とは、監理支援機関が関与し、外国人材のあっせんや受入れ機関への監理・指導、育成就労外国人の保護などを行う受入れ形態です。

この形態では、受入れ機関の常勤職員数に応じて基本人数枠が定められ、1年目から3年目までの育成就労外国人の合計人数が上限の対象となります。

また、優良な育成就労実施者に該当する場合は基本人数枠の2倍まで受け入れられます。

優良な監理支援機関の支援を受け、かつ指定区域にある優良な受入れ機関については、地方への配慮として基本人数枠の3倍まで拡大されます。

監理型育成就労の受入れ人数枠

受入れ企業の常勤職員の総数 基本人数枠(受入れ可能人数) 優良認定を受けた受入れ企業 優良な監理支援機関かつ指定区域に住所がある優良認定を受けた受入れ企業
301人以上 受入れ企業の常勤職員の総数の20分の3(15%) 育成就労実施者の常勤の職員の総数の10分の3(30%) 育成就労実施者の常勤の職員の総数の20分の9(45%)
201人以上300人以下 45人 90人 135人
101人以上200人以下 30人 60人 90人
51人以上100人以下 18人 36人 54人
41人以上50人以下 15人 30人 45人
31人以上40人以下 12人 24人 36人
9人以上30人以下 9人 18人 27人
8人 9人 18人 24人
7人 9人 18人 21人
6人 9人 18人 19人
5人 9人 15人 16人
4人 9人 12人 13人
3人 9人 10人 11人
2人 6人 7人 8人
1人 3人 4人 5人

単独型育成就労

単独型育成就労とは、外国の支店や子会社などの社員を、受入れ機関が監理支援機関による監理支援を受けずに受け入れる形態です。

技能実習制度の企業単独型とは異なり、外国の取引先企業の社員などを単独型で受け入れることは認められず、受入れ企業の外国法人で1年以上の在籍経験がある外国人を受入れるための制度です。

人数枠については、一般の受入れ機関では常勤職員数の15%、優良な受入れ機関では30%が上限とされています。

単独型育成就労の受入れ人数枠

継続的かつ安定的に育成就労を実施することができる体制を有するもの 基本人数枠(受入れ可能人数) 優良認定を受けた受入れ企業 優良な監理支援機関かつ指定区域に住所がある優良認定を受けた受入れ企業
監理型と同じ人数枠が適用される 監理型と同じ人数枠が適用される 監理型と同じ人数枠が適用される
上記以外のもの 育成就労実施者の常勤の職員の総数の20分の3(15%)※育成就労実施者の常勤の職員の総数が20名以上である必要あり。 育成就労実施者の常勤の職員の総数の10分の3(30%)※育成就労実施者の常勤の職員の総数が10名以上である必要あり。 なし

継続安定体制の基準

単独型育成就労においては継続的かつ安定的に育成就労を実施することができる体制を有する場合に限り、監理型育成就労と同じ人数枠の適用を受けることができます。

以下①または②のいずれかに該当する場合は継続安定体制の基準を満たすものとして取り扱われます。

① A~Dのいずれかに該当すること

  • A 製造業、建設業、運輸業、その他の業種の場合、資本金が3億円を超える又は常勤職
    員 301 人以上
  • B 卸売業の場合、資本金が 1 億円を超える又は常勤職員 101 人以上
  • C サービス業の場合、資本金が 5000 万円を超える又は常勤職員 101 人以上
  • D 小売業の場合、資本金 5000 万円を超える又は常勤職員 51 人以上

② 上記①に該当しない場合、以下のすべてに該当すること。

  • ア 育成就労外国人の受入れ実績を有すること。
  • イ 育成就労外国人の過去1年間の受入れにおいて改善命令を受けたことがないこと。
  • ウ 育成就労実施者(受入れ企業)になろうとする者について常勤の職員が 60 名以上在籍していること。

受入れ人数枠算定の基本ルール

受け入れられる人数を確認する際は、単に常勤職員数だけを見ればよいわけではなく、制度上の経過措置や地域区分、優良認定の有無によって、実際に使える人数枠は変わります。

ここからは、人数を算定する際に押さえておきたい基本的なルールを解説します。

技能実習生は育成就労外国人の数にカウントされる

育成就労制度は令和9年4月1日から始まりますが、施行日時点で来日している技能実習生などは、経過措置により引き続き技能実習を続けられます。

そのため、制度開始後しばらくは、技能実習制度と育成就労制度が並行して運用される時期が生じます。

この期間に育成就労外国人の受入れ人数枠を確認する際は、継続して受け入れている1号技能実習生と2号技能実習生の数も、育成就労外国人として計算します。

なお、常勤職員数を数える場面では、育成就労外国人や技能実習生の人数は含めない点にも注意が必要です。

指定区域内は受入れ人数が優遇される

指定区域とは、育成就労外国人が大都市圏などに偏って就労することを防ぎ、地方での受入れにも配慮するために定められた地域です。

具体的には、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県以外の道県と、これら8都府県の一部地域が指定区域に該当します。

この指定区域にある優良な育成就労実施者が、優良な監理支援機関の監理支援を受ける場合、監理型育成就労の人数枠は基本人数枠の3倍まで拡大されます。

なお、指定区域にあたるかどうかは、育成就労外国人の就労先ではなく、育成就労実施者(受入れ企業)の本店所在地で判断されます。

指定区域一覧表

埼玉県 秩父市、ときがわ町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、神川町
千葉県 旭市、勝浦市、鴨川市、南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、東庄町、九十九里町、長南町、大多喜町、鋸南町
東京都 檜原村、奥多摩町、大島町、新島村、三宅村、八丈町、青ケ島村
神奈川県 真鶴町
愛知県 新城市、設楽町、東栄町、豊根村
京都府 福知山市、綾部市、宮津市、京丹後市、南丹市、木津川市、笠置町、和束町、南山城村、京丹波町、伊根町、与謝野町
大阪府 豊能町、能勢町、岬町、千早赤阪村
兵庫県 洲本市、豊岡市、丹波篠山市、養父市、丹波市、南あわじ市、朝来市、淡路市、宍粟市、たつの市、多可町、市川町、

神河町、佐用町、香美町、新温泉町

上記8都府県以外の地域 全域が指定区域

優良認定されると受入れ人数が優遇される

育成就労制度では、受入れ機関が優良な育成就労実施者と認められると、受入れ人数枠が基本人数枠の2倍に広がります。

優良性の判断では、技能や日本語能力の修得実績、育成就労を行わせる体制、外国人の待遇、法令違反や行方不明者の発生状況などが考慮されます。

また、監理型育成就労では、監理支援機関についても優良要件が設けられており、監査や支援の体制、技能・日本語能力の修得に係る実績、外国人保護の取組などが評価対象となります。

なお、指定区域にある優良な受入れ機関が優良な監理支援機関の支援を受ける場合は、地方への配慮として人数枠が基本人数枠の3倍まで拡大されます。

産業分野ごとの人数枠の特例

育成就労の人数枠は、基本ルールだけで判断できるとは限りません。

分野によっては、業務の性質や受入れ体制を踏まえ、個別の取扱いが設けられる場合があります。

ここからは、分野ごとに確認しておきたい人数枠の考え方を見ていきましょう。

介護

介護分野では、一般的な人数枠とは別に、事業所の常勤介護職員数を基準として受け入れられる人数が定められています。

優良な育成就労実施者と認められる場合は、この人数枠の2倍まで受け入れられます。

また、監理型で優良な監理支援機関の支援を受け、事業所の住所が指定区域にある場合は、基本人数枠の3倍まで拡大されます。

ただし、各事業所の常勤職員数を超える育成就労外国人を受入れることはできないため、たとえば常勤職員数21人の事業所では、たとえば受入れ人数枠が3倍の27人となる優遇措置を受けた場合でも21人を超える受入れはできません。

介護分野の受入れ人数枠

事業所の常勤介護職員の総数 育成就労外国人の数
301人以上 事業所の常勤介護職員の総数の20分の3
201人以上300人以下 45人
101人以上200人以下 30人
51人以上100人以下 18人
41人以上50人以下 15人
31人以上40人以下 12人
21人以上30人以下 9人
11人以上20人以下 6人
10人以下 3人

その他の分野について

その他の分野については、2026年5月時点で、介護分野のような受入れ人数枠に関する特別なルールは確認されていません。

ただし、育成就労制度の運用要領や分野別の詳細ルールは、今後追加で公表される可能性があります。

そのため、実際に受入れを検討する際は、最新の分野別運用方針や運用要領を確認することが大切です。

状況別の育成就労外国人受入れ人数枠シミュレーション

ここまで確認したルールは、実際の人数に置き換えると理解しやすくなります。

ここからは、常勤職員数や優良認定、指定区域の有無などを例にして、受け入れられる人数の目安を状況別に紹介します。

優良認定を受けておらず常勤職員10名の企業

常勤職員が10名の企業で、優良認定を受けていない場合、監理型育成就労の基本人数枠は9人です。

この人数枠は、1年目から3年目までの育成就労外国人の合計に対する上限となるため、年度ごとの新規受入れ人数だけで判断しないよう注意が必要です。

一方で、単独型育成就労の場合は、一般の受入れ機関では20名以上の常勤職員が在籍している必要があるため、常勤職員10名の企業では受入れをすることができません。

優良認定を受けておらず常勤職員30名の介護施設

介護分野では、一般的な企業単位ではなく、育成就労を行わせる事業所ごとの常勤介護職員数を基準に人数枠を確認します。

たとえば、優良認定を受けていない介護施設で、事業所の常勤介護職員数が30名の場合、基本人数枠は9人です。

この人数枠は、育成就労外国人の総数が当該事業所の常勤介護職員数を超えない範囲で適用されます。

そのため、同じ法人内に複数の介護事業所がある場合でも、法人全体の職員数だけで判断せず、受入れを行う事業所ごとの人数を確認することが重要です。

優良認定された企業で常勤職員52名のうち5名が技能実習生

常勤職員52名の企業であっても、そのうち5名が技能実習生である場合、人数枠の基準となる常勤職員数には技能実習生を含めません。

そのため、このケースでは52名から技能実習生5名を除いた47名をもとに、育成就労外国人の受入れ人数枠を確認します。

監理型育成就労の場合、常勤職員数が41人以上50人以下の基本人数枠は15人であり、優良認定を受けている企業ではその2倍の30人が上限です。

なお、受入れ中の1号技能実習生と2号技能実習生は、育成就労外国人の人数として数えられるため、実際に新たに受け入れられる人数は人数枠の30人から既存の技能実習生5名を差し引いた25名となります。

監理支援機関と企業どちらも優良認定されていて指定区域にある常勤20名の企業

監理型育成就労では、企業と監理支援機関の双方が優良であり、企業の本店所在地が指定区域にある場合、人数枠が最も大きくなります。

この場合、地方への配慮措置として、優良な育成就労実施者は基本人数枠の3倍まで受け入れられます。

常勤職員数が20人の企業であれば、通常の基本人数枠は9人ですが、この条件を満たす場合は27人まで拡大されます。

育成就労外国人の受入れを検討する際は監理支援機関に相談しましょう

育成就労外国人の受入れ人数枠は、常勤職員数だけでなく、受入れ形態、優良認定の有無、指定区域への該当性、技能実習生の在籍状況などによって変わります。

特に監理型育成就労では、監理支援機関が人材のあっせん、受入れ機関への監理・指導、育成就労外国人の支援や保護などを担います。

そのため、自社だけで人数枠を判断するのではなく、受入れ予定の分野や現在の人員構成を整理したうえで、監理支援機関に相談することが大切です。

なお、制度の詳細は今後追加で示される可能性もあるため、最新情報を確認しながら受入れ計画を進めましょう。

まとめ

育成就労外国人の受入れには人数枠が設けられており、単独型か監理型かによって算定方法が異なります。

また、優良認定の有無や指定区域への該当、分野ごとの特例などによって受入れ人数が変わるため、自社の状況に応じて正しく確認することが重要です。

育成就労制度の活用を検討している企業は、単純に従業員数だけで判断せず、実際に適用される人数枠を事前に確認しておくことをおすすめします。

特に制度移行期はルールの追加や見直しが行われる可能性もあるため、最新情報を把握しながら、監理支援機関や専門家へ相談して計画的に受入れ準備を進めましょう。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

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