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【実体験】受入れ企業担当者が語る、技能実習生受入れの心得! | 受入れ側の準備や注意点など

【実体験】受入れ企業担当者が語る、技能実習生受入れの心得! 受入れ側の準備や注意点など

様々な段取りを経て、受け入れが決まった初めての技能実習生。とは言え、日本人の従業員を雇うのと、海外から慣れない土地にやって来る実習生を受け入れるのとでは大きく勝手が違います。

「何を準備しなきゃいけないの?」
「どう接してあげればいいの?」
「仕事面やトラブルが心配・・・」

など、採用担当者をはじめとする受入れ企業様側でも、いろいろと考えを巡らせることでしょう。

この記事では、実際に受入れ企業側の担当者として実務に携わった経験から、受入れ企業側の心得やアドバイスについて、大きく分けて5つのポイントでお伝えします。

 

この記事を書いた人
ライターネーム
s.yugun
前職の製造会社在職時に、3年9カ月にわたって約20名の技能実習生に関する実務を担当(うち1年間は技能実習責任者)。2021年に退職後、個人事業主として経理や事務の代行やライティング業務を行っている。

受入れまでの事前準備について

はじめに、実習生たちが来るまでの準備で心がけておきたい点についてです。

必要な物の確認と準備

実習生たちはアパートや寮などで生活をしながら実習を行うことになります。当然、その生活に必要なものもある程度は会社側で揃える必要があります

住む場所の確保から衣食住に関する目に見える物の調達、水道・電気・ガスといったライフラインの手続き、ネット環境の整備といったものまで、必要な準備は引越しとほぼ同様だと思ったおいた方がいいでしょう。

どこまで物を揃えるかというのは会社側の都合にもよるかと思いますが、会社に勤務して3~5年間頑張ってもらうという事を考えれば、それに支障がない程度には抜かりなく準備を整えておいてください。

ネット環境の準備は必須

新しくやってきた実習生たちを住まいに案内した際、必ず尋ねられたのは「どうすればインターネットに繋がりますか?」という事でした。また、普段は自分から話しかけてくることがない実習生も、「部屋でインターネットが繋がらなくなった」という時は私を見つけるや否や駆けつけてその事を訴えてきました。それだけ今や実習生にとってネット環境は重要なものになっています。

もし、実習生が住む部屋に光回線をひいてきてそれをWi-Fiで飛ばそうとした場合、新しく回線をひく工事の依頼から実際の工事までは、時期によっては1~2ヵ月弱もかかることもあります。受入れ初日からネットが使えるように、早め早めの準備を進めましょう。

掲示やマニュアルは母国語版も準備

会社や工場などでは、全体への情報共有として掲示物があるかと思いますが、そういった掲示関係も実習生の母国語を併記してあげた方がいいでしょう。すべては無理だとしても、安全の喚起に関することなど重要なものについては、監理団体などの力も借りながら母国語併記としましょう。

また、機械の操作マニュアルや業務マニュアルなども同様に、母国語版を作成しておきましょう。

技能実習業務に関すること

続いては、実習生たちを受け入れた後の事についてです。こちらは、技能実習業務に関する事と日常生活での事に分けてご紹介します。まずは、技能実習業務に関する事です。

「実習生」とはいえ社内においては「従業員」

「技能実習生」としてやってくる彼らですが、会社においては「従業員」です。勤務はあらかじめ取り交わした雇用契約に基づいて行いますし、入社時には各種社会保険への加入手続きも必要です。その他の労働法規も適用されるのですから、日本人の従業員となんら変わりません

であればこそ、契約に基づいて給料は支払い、休みや休憩もしっかり取らせる。その一方で、特に安全衛生面の決まりなど社内のルールもきちんと守ってもらう。社内においては、あくまでも同じ会社で働く従業員として接するということが最も基本的で、最も大切なことです。

1年後の技能検定対策

技能実習生は入国してから遅くとも1年を経過する前に、技能の習熟を確認するための実技と学科の試験(技能検定)を受けることが必須となっています。そしてこの実技と学科、両方の試験に合格できなければ、実習生は在留資格が延長されずに帰国を余儀なくされます。最低3年間は在籍してもらうつもりで受け入れた会社としては大誤算になりますし、実習生本人にとっても不本意な形となることでしょう。

日本にやってきて浮かれた気分になる実習生たちもいますが、試験について伝えて、技術と日本語の習得に励むように指導することが大切です。また企業側でも、具体的な試験内容を確認し、試験指導の体制を取るようにしてください。

給与や契約関係はしっかり説明

実習生たちは技能の習得を一番の目的として来日したわけですが、やはり「日本円で母国よりも良い給料を得る」という事も多くの実習生が来日を目指す目的の一つなのは事実です。そのため、給料の事に関しては非常に敏感です。給料日に互いの給与明細を確認し合っては、「この天引きはどういう意味か」「彼と私で金額が違うのはなぜか」などと聞いてくることもしばしばありました。そういった際にははぐらかさずに、日本の社会保険や税金の仕組みについて説明してあげてください。そうすれば、彼らと一層の信頼関係を築くこともできます。

また、コロナ禍の影響により、雇用契約の内容を変更し、実習生の負担分を増やさざるをえないというケースもあるかもしれません。その場合でも無断で変更することなく、必ず事前に実習生たちへ説明をしましょう。

監査書類は細めに作成

技能実習生を受け入れる企業に対しては、毎月の実習記録や実習生の給与明細など所定の書類を保存しておくことが定められています。

それらの書類は監理団体の定期訪問時に確認されるほか、技能実習制度を管轄する「外国人技能実習機構(OTIT)」による抜き打ちの実地検査でも確認されます。そして実地検査で悪質と判断されると、最悪の場合は技能実習計画の認定が取り消され、会社で実習生を受け入れることができなくなってしまいます。

そのような事態にならないためにも書類はこまめに作成し、揃えるようにしてください。

技能実習生の生活やプライベートに関すること

次は実習生の日常生活やプライベートに関する心得です。

生活環境の違いを理解してもらう

私が実務を担当している中でも、様々なトラブルがありました。

「暑い土曜の夜に、大音量の音楽を全開の窓から響かせながら盛り上がっていた」、「晴れた休みの日に近所の漁港に行って、衛生的に怪しい岸壁にへばりついている小さな牡蠣を採って食べていた」等々…。母国では普通の事だったのかもしれませんが、ただでさえ近所の目が光りやすい田舎での事でしたので、「こっちの神経をすり減らさせないでー!」と思う事もしばしばでした。

日本で暮らす以上は、やはり基本的には「郷に入っては郷に従え」。そうすることで周辺住民にも受け入れられ、結果的に実習生自身の住みやすさにもつながることを教え、生活環境や生活習慣の違いは事あるごとに理解してもらえるようにしましょう。

定期的に部屋に訪問

心がけた方がいい事として、実習生たちが暮らす部屋の訪問があります。

私の実体験としては、暑い夏の日中にも関わらず、前日の食事の残り物がそのまま部屋におかれていた事がありました。また、生ごみを小さなビニール袋などに入れることなくそのまま指定の燃えるゴミ袋にぶち込み、しかも寝坊してゴミに出せなかったからといってそのまま室内に放置しており異臭を発していた例もありました。

このように実習生の暮らしぶりに問題がないか確認する上でも、定期的に実習生たちの部屋は訪問するようにしてください。

外泊などは事前に申請してもらう

実習生の中には「外泊を伴ってどこかへ出かけたい」、また逆に「来訪者を自分の住むアパートに泊めたい」と希望してくる人もいました。その際には、まず日程や連絡先、あるいは来訪者の情報をまとめて事前に申請してもらいましょう。

事前に日程等を把握しておかないと急遽連絡を取りたい時に困りますし、宿泊先や来訪者に他の企業に所属する技能実習生が関わっているとすれば、その企業とのトラブルにもなりかねません。申請内容を確認した上で、問題があった場合は却下することもやむを得ないでしょう。

ただし、だからといって「外泊するのも泊めるのも全てNG」とするのは不信感につながるのでやめましょう。

実習生たちとのコミュニケーション

最後に、最も重要な実習生たちとのコミュニケーションの取り方についてです。

日本人従業員との交流の機会をつくろう

遠い日本にやってきて慣れない暮らしを始める実習生たちですので、始めのうちはどうしても実習生同士でかたまって行動しがちです。また受け入れる日本人従業員側も、どう接すればいいか戸惑いが生まれるかと思います。しかし会社で一緒に業務を行っていく以上、その状態が続くのは決して良くないことであるのは明らかです。

私が在籍していた会社では、社員の発案で定期的に実習生を交えてフットサルや飲み会を行ったりしていました。また、従業員がプライベートで実習生たちと一緒に車で出かけるという事もあったようです。

コロナ禍では難しい面もあるかもしれませんが、実習生たちの希望も聞きながら、できるだけ交流する機会は設けてあげてください。

注意や指摘の方法は工夫が必要

実習生の受入れ後は、仕事の面や生活の面などで実習生たちに注意をする場面が出てくるかと思います。

しかし中には、こちらでゴミ収集日のルールを教えていなかったがために収集日以外にゴミを出していたとか、労災発生時の対応についての指導不足により実習生の労災把握が遅れたなど、指導する側にも一定の非があるといった事がありました。頭ごなしに注意するのではなく、必ず実習生たちの言い分も聞くようにしてください。

実習期間中に実習生が立て続けに労災をおこしたり、騒ぐ声がうるさいとの苦情を受けたりする事もありました。そのような重大案件の際は、当事者の実習生のみならず実習生全員を集めて注意するようにしていました。

実習生の誰かが起こした問題が実習生全体に対する印象につながる事を認識してもらい、互いに注意しあっていく意識を持ってもらうためです。ただし、特定の個人を人前で叱ることは絶対にやめてください。東南アジアや中国の人は、人前で注意を受けることは「恥をかかされた」という受取り方になってしまうため、モチベーションが下がるだけでなく、最悪の場合は失踪や事件などにつながる恐れもあります。

実習生の個性や相性を把握する

つい「外国人技能実習生」として一括りにして対応しがちになりますが、当然実習生一人ひとりにも個性があります。日本語の習熟度や既婚かどうか、宗教や趣味にいたるまで違いは様々です。

となれば、実習生同士の相性にも良し悪しが出てくるのは当然です。もし相性の悪い実習生同士で組ませて作業にあたらせたり、寮の部屋を同室にしたりして関係をさらに悪化させれば深刻なトラブルも招きかねません。

そのような事態を避けるためにも、実習生それぞれとこまめにコミュニケーションをとる、あるいは実習生と一緒に働く従業員に話を聞くなどして、各実習生の個性や相性の把握に努めてください。

日本の四季やイベントは教えてあげよう

日本にやってくる実習生の多くは、少なからず日本に興味をもってやってきます。私が担当した実習生も、満開の桜や雪の光景、打ち上げ花火の画像や動画をSNSにアップしていました。もし何か関心を示す様子があればぜひ教えてあげてください。

監理団体の助けはどんどん借りよう

実習生たちと接する中で、どうすればいいか困ることも多く出てくるでしょう。そんな時は自社だけで解決しようとせずに、外部の力もどんどん借りましょう。やはり、最も頼りになるのは監理団体でしょう。

監理団体には、これまでの受けてきた相談に対応した経験とノウハウが蓄積されています。法律や制度の変更など、実習生に関する最新情報の収集にも努めている、いわば「技能実習制度のエキスパート」です。親身に相談に乗り、一緒にいい解決策を考えてくれることでしょう。

最後に

私の経験を基に、技能実習生の受入れに関する心得や注意点についてご紹介してきました。いろいろな気苦労はありましたが、幸いにも私が接してきた技能実習生たちは全員よく働き、業務に貢献してくれました。技能実習生の受け入れが、受入れ企業様と実習生の双方にとってWin-Winになることを願っています。

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