外国人採用ガイド

【実体験】技能実習生・特定技能外国人の「住居」周りのルールや苦労したこと

勤務先で初めて技能実習生を採用したのは5年前、4名の技能実習生を受け入れた時でした。

受入れ時の準備は大変でしたが、その後も毎年のように技能実習生・特定技能外国人を採用しています。

受け入れ準備の中でも、住居の基準は変化が多く、受入れごとに都度記録を残しています。

今回は、その記録をもとに外国人人材を受け入れる際の準備のポイントについてご紹介します。

この記事の監修
(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。

技能実習生・特定技能外国人の住居に関する基準

出入国在留管理庁・厚生労働省による技能実習制度の運用要領では、実習実施者又は監理団体が、技能実習生のための宿泊施設(住居)を確保しなければいけないことになっています。

住環境、寝室、設備の基準などを順にご紹介していきます。

宿泊施設の基準

宿泊施設を用意する際は、次の基準を満たさなくてはなりません。

<住環境について>

・爆発物・可燃性ガス等の火災による危険の大きい物を取扱・貯蔵する場所の付近

・高熱・ガス・蒸気・粉じんの発散等衛生上有害な作業場付近

・騒音・振動の著しい場所

・雪崩・土砂崩壊や出水時浸水のおそれのある場所

・湿潤な場所

・伝染病患者収容所建物および病原体によって汚染の恐れの著しいものを取扱う場所の付近

<寝室・費用について>

・一人4.5㎡以上を確保しなければなりません。

・睡眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は寝室を別にしなければなりません。

・居住費などを実習生から徴収する場合は、合意が必要です。

・徴収金額は、家賃・共益費を入居する実習生の人数で除した額以内となります。敷金・礼金等は徴収できません。

・社宅等会社で用意する場合は、建設・改築などに要した費用・耐用年数・入居人数などを勘案して合理的な額を算出しなければなりません。

なお、確保した住宅以外の物件を実習生が宿泊施設として希望した場合、実習生の自己負担で住居を変更することは可能です。

その場合も基準を満たしていることは必須で、技能実習計画の変更届も必要となります。

設備のルール

次に、設備の確認・準備についてご紹介します。

<設備について>

・2階以上の寝室に寄宿する建物には、容易に屋外の安全な場所に通ずる階段を2箇所以上(収容人数15人未満は1箇所)設けなければなりません。

・適当かつ十分な消火設備または消火器を準備しましょう。

・実習生を受け入れる場合、個人別に施錠可能な部屋である場合を除き、私有物収納設備が必要です(特定技能外国人にはこの限りではありません)。施錠可能で持出不可のものでなければならないため、収納設備に施錠機能がない場合は南京錠やチェーンロックなどを用意します。鍵の管理は実習生自らが行います。

・共用部分については必要に応じ、消毒などの衛生管理を行い、感染症の発生やまん延防止の措置を取らなければなりません。

申請時までに確保できなければ届出も煩雑化する

宿泊施設については原則として、技能実習計画認定申請時に、契約により確保されている必要があります(「技能実習生の報酬・宿泊施設・徴収費用についての説明書」「技能実習の期間中の待遇に関する重要事項説明書」への記載があります)。

それが難しい場合は、確保予定の施設に関する具体的な資料(見取り図等)を示して申請することが可能です。

別の施設となった場合は、計画の変更届出が必要となります。

特定技能外国人は自由度が上がるがフォローは必要

特定技能外国人については、外国人自らが賃借人となって賃貸借契約を結び、住居を確保することができます。

ただしその場合も、不動産仲介事業者を紹介するなどの情報提供、連帯保証人となるといったフォローは必要です。

外国人自らが賃貸借契約を結ぶ場合、敷金・礼金等は本人負担となりますが、家賃債務保証業者を利用する場合は保証料を企業側が負担することとなります。

企業が借り上げる場合は、技能実習生と同様に、家賃・共益費のみ負担してもらうことは可能です。いずれの場合でも居室の広さは1人7.5㎡以上が必要です。

実際に住居を選ぶ方法

弊社で技能実習生・特定技能外国人のために当社が確保した住居について、紹介したいと思います。

地元住民の理解がなければ借りられない

弊社は新興住宅地で家を借りようとしましたが、残念ながら外国人だけで住むことは住民の理解が得られにくいと不動産会社に断られてしまいました。

その地域での外国人の受入れが初めてだったことも背景にあります。

ただ、私が昔から地権者と友好な関係を築いていたことが役立ちました。付き合いのある地元の方々に相談していたところ、一人の地権者が一軒家を貸し出そうと申し出てくれたのです。当初考えていたエリアから離れていましたが、通勤には問題ない距離でした。

その後、大家さんや社員も総出で水回りなどのリフォームを行いました。初期費用はかかったものの、現在は8名が居住できるようになり、家賃・光熱費とも抑えられています。

一軒家のメリットとしてはコストの他に、庭を使えることがありました。洗濯物を干したり自転車を置いたりするのはもちろん、デッキチェアを置いたり縄跳びをしたりと自由に過ごせているようです。

その一方で、一番のデメリットはコロナ感染でした。集団生活のため1人が感染すると、8人全員感染または濃厚接触者となってしまったのです。

不動産会社を味方にする

とはいえ、徐々に技能実習生や特定外国人を受け入れていましたので、最初のようなラッキーな物件はありませんでした。

そこで、社員のつてをたどって違う不動産会社に相談したところ、外国人居住者が多いエリアを勧められました。

その物件では、住まわせる外国人の日本語能力、年齢、国籍、性別について不動産会社から細かなヒアリングがありました。

弊社からも「外国人女性の一人暮らしは可能か」「4名対応できるか」など、積極的に相談を持ちかけました。その結果、外国人大所帯では居住可能な物件がほぼない現実が見えてきたのです。

また、契約寸前になって

「外国人はOKでも●●国から来た人はNG」
「夫婦ならOKだが社員同士なら貸さない」
「大家さんの奥さんは賛成だが旦那さんは反対」

といった理由で、貸主から断られることもありました。

いざ住み始めた後も、大家さんの親戚だけから悪臭があるとクレームが入ることがあり、「外国人の方が住むことにこんなにも抵抗される方がいるのですね」と、不動産会社の営業担当が嘆いていたことも印象的でした。

住宅以外に準備するもの

住居の準備に加えて、生活や通勤に必要なものもたくさんあります。

外国人の受入れの際に、用意するものをご紹介します。

ルールで決められたものは必ず準備

法で定められた消火器・私有物収納設備を準備します。

管理会社がある賃貸物件では、消火設備は決まった場所にあるかと思いますが、大家さんから直接借りた物件では消火器等を購入しました。

技能実習生のためには、鍵付きロッカー等を購入することも必要です。持出を防ぐため、防犯ワイヤー等で建物に固定しなければなりません。

通信機器は必須

実習生や特定技能外国人にとって、祖国の家族や日本にいる同じ国の人たちと連絡をとることはとても重要です。

アパートにはWi-fiを設置することが必須でした。数人ずつ来日してそのたびに違うアパートを探す手間に加え、そのたびにWi-fiを設置する手間もあります。そういった意味でも、大所帯で住める物件があればありがたかったと感じました。

申し込みから利用開始まで一か月ほどかかるうえ、初期費用は2~3万円、月々5000円以上の負担となります。

一見家賃が高いようでも、インターネット対応物件を契約すべきだと考えるようになりました。

社では携帯電話の購入や利用料金は自己負担としています。来日したばかりの実習生は、社員が携帯ショップに同行して契約して、費用を給料から天引きしています。

必要なものは準備したが、しかし・・・

通勤用具(自転車)や家電は会社で用意しています。

自転車は防犯登録まで行いますが、自治体によっては自転車保険(個人賠償保険)に加入することが義務付けられます。

当社の場合、会社で購入して個人に貸与しておりますが、技能実習生や特定技能外国人向けの総合保険で個人賠償保険をカバーすることにしました。

大型家電の設置は入居前に行っています。食器やラックなどの生活備品も事前に準備していました。

ところが最近では、

「自分で費用負担してもいいから電動自転車が欲しい」
「用意してもらったテレビは必要なかった」

といった声もあるため、決まった金額以内で、自分たちで用意してもらうようにしています。

しかし、入社前だと監理団体の職員が一緒に買い出しに行っていますが、入居後すぐに働きだすと買い物は難しくなります。

社員が交代で買い出ししたり、休日に車を出したりすることとなり、良い方法を見つけるのは大変です。

まとめ

何から準備したらよいのかわからない住居選びでしたが、初めは監理団体や大家さんの力を借りて、基準に合った住居を選び、生活用品を選んでいました。ただ、住居基準については、常識の範囲ではないかと思います。

しかし、住まいを与えただけではなく、その後の生活をフォローするのが一番大事です。

生活用品をできるだけ揃えるのはコストがかかりますし、人によって必要なものも異なります。大型で最小限必要なもの、例えば家電や布団といったものは事前に用意しますが、なるべく個人の裁量に任せるほうが無駄もなくなるでしょう。

衛生管理については、コロナ期とあって運用要項にも重点を置いた記載があります。住まいを与えるだけでなく、こまめに訪問して一緒に消毒するといった機会も必要です。

偉そうなことを書いてきましたが、まだ試行錯誤の段階です。それでも今後必ず従業員の多国籍化は進むでしょう。

技能実習生や特定技能外国人と受け入れ企業で、ベターな選択ができるよう、ご参考にしていただければ幸いです。

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