人材不足の影響により、アジア諸国をはじめとした外国人の雇用を推進する企業が増えています。インドネシアは、アジア諸国の中でも親日家の多い国として有名です。
今回は、インドネシアの基本的なデータや仕事事情、そこで暮らす方の性格や雇用上のメリット・注意点などを解説します。外国人の雇用を検討している企業のご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
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(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。
インドネシアの基本データ(人口や風土など)
インドネシアは、ASEAN(東南アジア諸国連合)最大の人口と面積を持つ国家です。世界4位の約2.7億人(2020年)の人口を有し、男性が約1.4億人、女性が約1.3億人います。生産年齢人口は約2億人(2021年)で、日本の2〜3倍の労働力がいる計算です。
国民の大半を占めるのがジャワやスンダなどのマレー系の民族で、その他には中華系や数百もの少数民族も存在しており、さまざまな文化や価値観が混在しています。
特に宗教の違いは大きく、イスラム教やキリスト教以外にヒンズー教や仏教を信仰する方もいるため、インドネシア人を雇用する場合は宗教への理解も大切です。
インドネシアのお仕事・就職事情
外国人を雇用し気持ち良く働いてもらうには、その国特有の仕事観を理解する必要があります。
ここでは、インドネシア人の仕事に対する考え方や就職事情をご紹介します。
農業に従事する方が多い
インドネシアは世界でも有数の農業大国であり、労働力人口の約4割が農業に従事しています。特にお米の生産量が多く、世界第3位の量を誇ります。日本の食文化と共通する部分も多いため、馴染みやすいといえるでしょう。
ジョブホッパー文化が根付いている
ジョブホッパーとは短期間で転職を繰り返す就業スタイルのこと。インドネシア語では「Kutu Loncat(クトゥ・ロンチャット)」と表現されます。
日本では転職を繰り返す方を好まない会社もありますが、インドネシアではより良い条件を求めて転職をするのが当たり前になっています。
ただし、インドネシア人にとっての「より良い条件」は給与だけではありません。
新しいことに挑戦できるかどうか、プライベートと仕事を両立できるかどうかなどが重視されます。
インドネシア人を雇用し長く働いてもらうには、給与面はもちろん、仕事でも新しい刺激を提供し続けて会社への帰属意識を高める必要があります。
なお、2022年時点でのインドネシア人の平均給与は、307万ルピアで、日本円に換算すると約2万9,000円となるため、年収にすると約38万3,000円となります。
年収という点に驚かされますが、日本とは物価水準も異なるため問題なく生活できる金額です。
サービス残業はしない
インドネシア人は、個人や企業によっても違いますが、残業代の支払われない時間外労働(サービス残業)は基本的にしない傾向にあります。
そもそも残業に積極的ではない方が多く、雇用契約の範囲内でのみ仕事をする意識が強い傾向にあります。
日本でも近年になってサービス残業やブラック企業という言葉が浸透し、避けられるようになりましたが、インドネシア人にとっては当たり前の風潮です。
しかし、日本に出稼ぎにくる外国人全体の傾向としては、より多くのお金を稼ぐために、残業代が出るなら残業をしたいという考えの方も多くいらっしゃいます。
助け合いの精神が尊重される
インドネシアでは、「Gotong Royong(ゴトング ロヨング)」と呼ばれる協力・助力の精神が尊重されます。
インドネシアが世界でも有数の多民族・多宗教国家であり、さまざまな価値観が国内に根付いているのが理由です。陽気で楽観的かつ親切な方が多い国といえます。
この精神は仕事にも大きな影響を与えます。例えばオフィスで困っている方いる場合、インドネシア人は真っ先にサポートに入ってくれます。
現地のオフィスでは、就職した日本人に対して「困ったことがあったら何でも聞いてね」など優しい言葉をかけられたという報告が挙がっています。
多くの仕事は一人では完結できないため、助け合いの精神を持っているインドネシア人は貴重な戦力になるはずです。
インドネシア人の性格や価値観
次は、インドネシア人の性格や価値観に触れていきます。
インドネシア人は日本人と異なる価値観を持っているため、事前に把握して周知しておかないと従業員間でトラブルになる可能性もあります。
人前で怒られることに慣れていない
インドネシア人は温和な方が多く、怒ったり怒られたりするのに慣れていないのが特徴です。
特に、人前で怒られると屈辱的な扱いを受けたと感じる方が多い傾向にあります。来日する方の中には、今まで一度も怒られた経験のない方もいます。
インドネシア人の従業員を注意・指導する際は、人前ではなく個別に行うよう意識しましょう。
また、感情的に怒るのではなく、指導されている理由や原因、解決策をロジカルに説明することも重要です。
プライベートの好不調が仕事に影響する
インドネシア人は、仕事とプライベートを区別するのがあまり得意ではない傾向にあります。
そのため、プライベートで問題が起きると仕事のモチベーションに影響し、パフォーマンスが低下することもあります。反対にプライベートが充実すると仕事にも意欲的になり、企業にとって心強い存在となります。
プライベートな部分は会社ではどうにもできませんが、できる限りストレスなく働いてもらえる環境づくりをする必要があります。
マイペースで時間に縛られない
インドネシア人はおしゃべり好きで時間に縛られない生活を送る方が多く、良くいえばマイペース、悪くいえば時間にルーズな部分があります。
その性格は、「時間はゴムのように長く伸びるもの」を意味する、「Jam karet(ジャム カレット)」という言葉にも表れています。
例えば書類の提出期限や作業の納期を設定しても、後回しや忘れられるのが日常茶飯事です。それに対して罪悪感を抱く方も少なく、謝罪や気遣いのメールを送ってくる方もあまりいません。
ただ、こちらはインドネシア人に共通する国民性のため、ある程度割り切って雇用するのが得策です。
期日には余裕を持たせる、何度もスケジュールを念押しするなど、企業側が意識を変えるとインドネシア人も働きやすくなります。
インドネシア人を雇用するメリット
インドネシア人を雇用すると職場にどのようなメリットが期待できるでしょうか。
外国人の雇用を検討している場合は、ぜひこちらを参考にしてください。
勉強熱心で仕事に意欲的に取り組む
インドネシア人は、仕事に対するモチベーションがプライベートに左右されやすいものの、基本的には勉強熱心で意欲的に取り組みます。
最初は言語や仕事観の違いに戸惑うかもしれませんが、会社がサポートすれば十分な戦力になることが期待できます。
インドネシア人の勉強熱心な姿が社内に広がると、他の従業員にも良い影響を与えるでしょう。
インドネシア政府が積極的に推進している
インドネシア人の日本での就労について、インドネシア政府が積極的に推進している点も企業には追い風です。
インドネシア政府は今後の10年間で10万人の労働者を日本に送り出すこと目標にしており、さまざまな施策を実施しています。
一般の留学生や技能実習生はもちろん、看護師や介護福祉士などのスキルを保有した人材を確保しやすいのがメリットです。
インドネシア人の平均年齢は29.9歳(2023年)と若く、少子高齢化の進む日本では貴重な戦力となるでしょう。
親日家の方が比較的多い
インドネシア人は親日家で日本に興味を持っている方が多いため、勤勉かつ貪欲に仕事に取り組む人材を雇用しやすいのも魅力です。
学生時代に日本語を学んでいた方も多く、言語面のハードルも他国と比べると比較的低いと言えます。
インドネシア人に親日家の方が多い理由は諸説あります。
「インドネシア建国の父」であるスカルノ大統領がインドネシア独立戦争での日本軍の協力に感銘を受けたことや、日本のアニメや漫画、自動車などが流行したことなど、これらの話題をはじめ、インドネシアと日本との交友や共通点などをきっかけにコミュニケーションを取ることで、いち早く職場に馴染んでもらえるでしょう。
インドネシア人を雇用するときの注意点
インドネシア人は日本人と異なる価値観や文化的背景を有するため、雇用の際は注意すべきポイントがいくつかあります。
ここでは、3点をご紹介します。
指導する際に気を遣う必要がある
前述の通り、インドネシア人は怒られることに慣れていないため、指導する際に気を遣います。特に人前で注意するのはご法度です。
プライドが傷つけられたと感じ、仕事に対するモチベーションを失ってしまう可能性があります。
ただ、業務を遂行する以上注意しなければならないタイミングもあるでしょう。
そんなときは、怒られている理由やその原因を丁寧に説明し、感情的にならないことが大切です。
インドネシア人がよく使用する、「tidak apa apa(ティダアパアパ)=なんてことない、大丈夫」という言葉を覚えておくと役立ちます。
宗教に対する理解を深める
インドネシアは世界でも有数の多宗教国家のため、人材を雇用する場合は宗教に対する理解が欠かせません。
例えばインドネシア人の多くを占めるイスラム教徒の場合、朝から夕方にかけて1日5回お祈りが必要です。そのため、職場にお祈りをするスペースを設けたり、就業時間中のお祈りを認めたりするのが良いでしょう。
その他には、敬虔なイスラム教は豚肉やお酒を口にしません。社食がある場合や食事に誘う際などは、事前にメニューを確認しておきましょう。
ただし、インドネシア人の宗教の信仰度合いは人それぞれです。中にはイスラム教徒で豚肉やお酒を楽しむ方や、ラマダン(断食)にあまり熱心でない方もいます。
「インドネシア人だから」という理由で固定観念に当てはめるのではなく、その人の価値観を確認し、安心して働いてもらえるように工夫しましょう。
予測行動に期待しない
インドネシア人は、人の思考や次のプロセスを予測して行動することが苦手です。あくまで契約で決められた内容や指示された仕事を忠実にこなそうとします。
先読みが求められる仕事を任せる場合は、「わかるだろう」「やってくれるだろう」ではなく、細部まで詳細に説明する必要があります。
まとめ
今回紹介したインドネシア人の特徴や価値観はあくまで一例です。すべてのインドネシア人に当てはまるわけではなく、育った環境が違えば価値観も変わる可能性があります。
インドネシア人という型にはめて扱うのではなく、国の歴史や文化に興味を持ち、従業員一人ひとりと向き合うことでより良い関係を築くことが重要です。
少子高齢化による人材不足の影響で、外国人の雇用を検討する企業が増えています。
日本人を雇用する場合と比べてプロセスが多く、時間もかかる傾向にあるため、今のうちから動き始めてはいかがでしょうか。
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