外国人材の採用を検討する企業が増える中、活用できる助成金や支援制度も多様化しています。しかし、適切な制度の情報が不足していると感じる企業も多いのが現状です。
本記事では外国人を採用する際に利用可能な助成金や補助金について詳しく解説するとともに、専用の支援制度を利用するメリットや、実際に利用する際の注意点まで分かりやすく紹介します。助成金を有効活用し、採用を成功させましょう。

(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。
外国人をアルバイト採用するメリット
外国人をアルバイトとして採用することには多くのメリットがあります。
- 対応できる言語が増える
- 人手不足が解消する
- 助成金の利用できる
- DEIが推進される
ここでは、これらの四つのメリットについて解説します。
対応できる言語が増える
外国人をアルバイトとして採用する最大のメリットの一つは、対応できる言語の幅が広がることです。特に多国籍な環境で働く企業にとって、外国人スタッフがいることで、顧客や取引先とのコミュニケーションが円滑になります。
例えば、観光業や飲食業では、外国人観光客や留学生との接点が多く、彼らの母国語で対応できるスタッフがいることで、サービスの質が向上します。
また、外国人スタッフが持つ独自の視点や文化的背景は、企業の国際化を進める上でも大いに役立ちます。これにより、企業は新たな市場へのアプローチが可能となり、競争力を高めることができるのです。
人手不足が解消する
近年、多くの業界で深刻な人手不足が問題視されています。特に、飲食業やサービス業などでは、繁忙期に十分なスタッフを確保できないことが多く、業務の効率が低下する原因となっています。
外国人をアルバイトとして採用することで、こうした人手不足を効果的に解消することが可能です。
外国人アルバイトは、国内の労働市場に新たな人材を提供し、特に労働力が不足している分野での即戦力となります。また、異なるバックグラウンドを持つ外国人が加わることで、企業の多様性が増し、より柔軟な対応ができるようになります。
助成金の利用できる
外国人をアルバイトとして採用する際、企業はさまざまな助成金や補助金を利用することができます。これらの制度は、外国人材の雇用を促進し、企業の負担を軽減するために設けられています。
例えば、特定の条件を満たすことで、雇用保険や社会保険の一部を助成してもらえる制度があります。また、外国人労働者の日本語教育や生活支援に対する助成金も存在し、これにより企業はスムーズな職場環境を整えることが可能です。
助成金を上手に活用することで、採用コストを抑えつつ、優秀な外国人材を確保することができるため、企業にとって大きなメリットとなります。
DEIが推進される
外国人をアルバイトとして採用することは、企業のDEI推進にも寄与します。多様なバックグラウンドを持つ外国人材をチームに加えることで、異なる視点やアイデアが生まれ、イノベーションを促進する環境が整います。
また、DEIの推進は企業のブランドイメージ向上にもつながります。多様性を尊重する企業文化を持つことは、求職者にとって魅力的な要素となり、優秀な人材を引き寄せる要因となります。
さらに、社内のコミュニケーションが活性化し、チームワークの向上にも寄与するため、全体的な業務効率の向上が期待できるでしょう。
外国人をアルバイト採用するデメリット
外国人をアルバイトとして採用することには多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
- 受け入れるまでの手続きが複雑である
- 文化・習慣の違いが生じることがある
- コミュニケーションが取りにくい場面が発生する
ここでは、これら三つのデメリットについて解説します。
受け入れるまでの手続きが複雑である
外国人をアルバイトとして採用する際、まず考慮しなければならないのが手続きの複雑さです。日本で働くためには、外国人が適切なビザを取得し、資格外活動許可を得る必要があります。
このプロセスは、書類の準備や申請手続きが多岐にわたるため、企業側にとっては負担となることがあります。また、入国管理局とのやり取りや、必要な書類の確認も重要です。
これらの手続きを怠ると、外国人の雇用ができなくなるリスクがあるため、事前にしっかりとした準備が求められます。特に、外国人の雇用に不慣れな企業は、専門家のアドバイスを受けることを検討することが重要です。
文化・習慣の違いが生じることがある
外国人をアルバイトとして採用する際には、文化や習慣の違いが生じることがあります。例えば、仕事に対する考え方やコミュニケーションスタイルが異なるため、誤解や摩擦が生じる可能性があります。
特に、日本の職場文化では、上下関係や礼儀が重視されるため、外国人アルバイトがこれに適応するのに時間がかかることがあります。
また、食事や休憩の取り方、労働時間に対する認識も異なることが多いです。これらの違いを理解し、受け入れることで、より良い職場環境を築くことができます。企業側は、外国人アルバイトがスムーズに業務に馴染めるよう、文化的な背景についての研修やサポートを提供することが重要です。
コミュニケーションが取りにくい場面が発生する
外国人をアルバイトとして採用する際、言語の壁がコミュニケーションの障害となることがあります。特に、日本語が母国語でない場合、業務指示や社内のルールを正確に理解するのが難しいことがあります。
このため、誤解やミスが生じる可能性が高まります。また、文化的な背景の違いから、非言語コミュニケーションやビジネスマナーに関する理解が不足している場合もあります。
そのため、採用時には日本語能力を確認することが重要です。さらに、業務に必要な専門用語やフレーズを事前に教えることで、スムーズなコミュニケーションを促進することができます。
外国人をアルバイト採用する時の注意点
外国人をアルバイトとして採用する際には、いくつかの注意点があります。これから説明するポイントを押さえることで、スムーズな採用が実現できます。
資格外活動許可が必要である
外国人をアルバイトとして採用する際には、必ず「資格外活動許可」を取得する必要があります。この許可は、外国人が就労するために必要な法的な手続きであり、適切に取得しないと、法令違反となり、雇用主にも罰則が科される可能性があります。
資格外活動許可は、在留資格によって異なるため、採用する外国人の在留資格を確認し、必要な手続きを行うことが重要です。
具体的には、在留資格が「留学」の場合、アルバイトを行うためには、入国管理局に申請を行い、許可を得る必要があります。この手続きは比較的簡単ですが、時間がかかることもあるため、早めに行動することが求められます。
働ける時間は入管法で週28時間までと決まっている
外国人アルバイトを採用する際には、労働時間に関する法律を理解しておくことが重要です。日本の入管法では、留学生など特定の在留資格を持つ外国人が働ける時間は、原則として週28時間までと定められています。この制限は、学業との両立を図るために設けられているものであり、企業側もこのルールを遵守する必要があります。
例えば、週5日勤務の場合、1日あたりの労働時間は約5.6時間となります。この時間内で業務を効率的に行うためには、シフト管理や業務の割り振りを工夫することが求められます。
また、繁忙期には追加の人手が必要になることもあるため、外国人アルバイトの採用を検討する際には、労働時間の制限を考慮した計画が必要です。
採用・退職時にはハローワークへ必ず届出を出す
外国人をアルバイトとして採用する際には、ハローワークへの届出が必須です。これは、労働者の雇用状況を正確に把握し、適切な支援を行うための重要な手続きです。
採用時には、雇用契約書の内容や労働条件を明確にし、ハローワークに必要な情報を提出する必要があります。また、退職時にも同様に届出を行うことで、労働者の移動状況を把握し、適切な労働市場の運営に寄与します。
これらの手続きを怠ると、法的な問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。特に外国人労働者の場合、ビザの状況や労働条件に関する情報が重要となるため、正確な届出を心掛けましょう。
日本語でコミュニケーション取れるか確認する
外国人をアルバイトとして採用する際、日本語でのコミュニケーション能力を確認することは非常に重要です。特に、業務においては日本語での指示や情報共有が求められる場面が多いため、言語の壁が業務の効率に影響を及ぼす可能性があります。
面接時に日本語での会話を行い、相手の理解度や表現力を確認することが必要です。また、業務に関連する専門用語やフレーズについても理解しているかをチェックすることで、実際の業務にスムーズに適応できるかどうかを見極めることができます。
外国人アルバイトの募集方法とは
外国人アルバイトを効果的に募集するためには、さまざまな方法があります。自社に適した募集方法を選択し、人材の確保をしましょう。
人材紹介会社を利用する
外国人アルバイトを採用する際、人材紹介会社を利用することは非常に効果的な方法です。これらの会社は、外国人材の採用に特化したサービスを提供しており、企業のニーズに合った候補者を迅速に見つける手助けをしてくれます。
特に、言語や文化の違いに不安を感じる企業にとって、専門のコンサルタントがサポートしてくれることで、スムーズな採用プロセスが実現します。
また、人材紹介会社は、候補者のスクリーニングや面接の調整、さらには雇用契約の締結に至るまで、幅広いサポートを提供しています。これにより、企業は自社の業務に集中しながら、優秀な外国人材を採用することが可能になります。
SNSで募集をかける
SNSは、外国人アルバイトの募集において非常に効果的なツールです。特に、FacebookやInstagram、Twitterなどのプラットフォームは、多様なユーザー層にアクセスできるため、広範囲にわたる人材をターゲットにすることが可能です。
これらのSNSを活用することで、企業の魅力や職場環境を視覚的にアピールし、応募者の関心を引くことができます。
また、SNSではリアルタイムでの情報発信ができるため、募集内容の変更やイベントの告知も迅速に行えます。さらに、シェア機能を利用することで、応募者の友人や知人に情報が広がり、より多くの人にリーチすることが期待できます。
語学学校に求人掲載をお願いする
外国人アルバイトを採用する際、語学学校に求人を掲載することは非常に効果的な方法の一つです。
多くの語学学校では、留学生や外国人の学生が日本でのアルバイトを希望しているため、求人情報を提供することで、直接的にターゲット層にアプローチできます。学校側も学生の就業支援を行っているため、求人掲載に協力的な場合が多いです。
また、語学学校に求人を掲載することで、応募者の日本語能力やコミュニケーションスキルをある程度把握することができるため、採用後のミスマッチを減らすことにもつながります。
教育機関などと連携して募集する
外国人アルバイトを採用する際、教育機関との連携は非常に効果的な方法です。大学や専門学校と協力することで、学生や留学生に直接アプローチできるため、優秀な人材を効率的に見つけることができます。
特に、語学学校や職業訓練校と連携することで、特定のスキルを持った学生をターゲットにした募集が可能になります。
また、教育機関は学生の就職支援を行っているため、求人情報を掲示したり、合同説明会を開催したりすることで、企業の魅力を直接伝える機会を得ることができます。これにより、応募者の質を高めるだけでなく、企業のブランドイメージ向上にもつながります。
外国人に特化した求人サイトに掲載する
外国人をアルバイトとして採用する際、特化した求人サイトを利用することは非常に効果的です。これらのサイトは、外国人求職者が集まりやすい環境を提供しており、企業側も多様な人材を効率的に見つけることができます。
例えば、外国人向けの求人情報を専門に扱うサイトでは、言語や国籍に応じたフィルター機能が充実しており、求めるスキルを持った候補者を簡単に絞り込むことが可能です。
また、これらのサイトは、外国人求職者に対するサポートやアドバイスも行っているため、採用後のフォローアップもスムーズに進められます。
外国人アルバイトの募集媒体5選
外国人アルバイトを効果的に募集するためには、適切な媒体を選ぶことが重要です。ここでは、特におすすめの5つの募集媒体を紹介します。
indeed PLUS
「indeed PLUS」は、求人検索エンジン「Indeed」が提供する有料オプションサービスです。このサービスを利用することで、求人情報の掲載期間延長や、応募者管理機能の強化、企業ブランディングの向上など、採用活動をより効果的に進めるための追加機能が利用可能となります。
特に、求人情報の露出度を高め、より多くの求職者にアプローチすることが期待できます。これにより、外国人アルバイトの採用を希望する企業は、より多様な人材を効率的に見つけることができるでしょう。
参考:indeed PLUS
Yolo Work
「Yolo Work」は、外国人向けの求人情報を提供するプラットフォームです。このサイトは多言語対応で、日本で働きたい外国人求職者と人材を求める企業を効率的にマッチングします。
求職者は職種や勤務地、言語スキルなどの条件で検索でき、自分に適した仕事を見つけやすくなっています。また、企業側も多様な人材を簡単に採用できるため、採用活動の幅が広がります。Yolo Workを利用することで、外国人材の採用がスムーズに進むでしょう。
参考:Yolo Work
NINJA
「NINJA」は、外国人専門の求人情報サイトで、日本での就職・転職を希望する外国人向けに多様な求人情報を提供しています。
このサイトは英語や中国語など複数の言語に対応しており、求職者は自分の母国語で情報を収集することができます。
さらに、ビザ取得のサポートや日本での生活情報など、就労以外のサポートも充実しており、外国人が日本で安心して働ける環境づくりを支援しています。特に、外国人求職者にとって使いやすいインターフェースが特徴で、求職活動をスムーズに進めることが可能です。
参考:NINJA
NIPPON仕事.COM
「NIPPON仕事.com」は、外国人向けの求人情報を専門に扱うサイトです。このプラットフォームは多言語対応で、英語、中国語、韓国語など様々な言語で求人情報を提供しており、求職者が自分に合った仕事を見つけやすくなっています。
職種や勤務地、給与条件など、細かい条件での検索が可能で、企業側も多様な人材を効率的に採用することができます。
また、就労ビザの取得支援や、履歴書の書き方、面接対策など、就職活動全般にわたるサポートも行っており、外国人が日本で安心して働ける環境を整える手助けをしています。
参考:NIPPON仕事.com
はたらくJAPAN
「はたらくJAPAN」は、外国人労働者向けの求人情報を提供するウェブサイトです。このサイトでは、日本全国の求人情報を幅広く掲載しており、職種や勤務地、雇用形態など、さまざまな条件での検索が可能です。
特に、外国人求職者にとっては、自分に合った仕事を見つけやすい環境が整っています。また、サイト内では日本で働くためのビザ情報や、生活に関するアドバイスなど、外国人が日本で働く上で必要な情報も提供されており、安心して就業を開始できるサポートが充実しています。
参考:はたらくJAPAN
まとめ
外国人をアルバイトとして採用することは、企業にとって多くのメリットをもたらします。言語の多様性や人手不足の解消などが期待できるため、積極的に検討する価値があります。
しかし、採用にあたっては手続きの複雑さや文化の違い、コミュニケーションの課題も考慮する必要があります。
これらのポイントをしっかりと理解し、適切な対策を講じることで、外国人アルバイトの採用を成功させることができるでしょう。
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