日本語能力試験(JLPT)N3の合格を目指している方は、日常会話レベルの日本語力の習得に苦戦されているのではないでしょうか。この記事では、N3レベルの認定目安や試験概要を詳しく解説し、効果的な学習リソースもご紹介します。JLPT N3合格は決して遠い目標ではありません。記事を読み進めることで、合格への近道が見えてくるはずです。
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(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
日本人、外国人含め「300社・5,000件」以上の採用支援実績。自社でも監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用に取り組んでいる。外国人雇用労務士・外国人雇用管理主任者資格保有。(一社)外国人雇用協議会所属。
JLPT(日本語能力試験)の概要
JLPTとは?
JLPT(日本語能力試験)は、日本語を母語としない人を対象とした、日本語能力を測定し認定する試験です。この試験は、日本語能力の向上のために勉強する人たちにとって、重要な指標となっています。
JLPTは、日本国内だけでなく、世界各国で実施されています。試験は年に2回、7月と12月に行われ、受験者は自分の日本語レベルに合わせて、N1からN5までの5つのレベルから選択することができます。
主催団体と実施規模
JLPTは、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金によって主催されています。この試験は1984年に開始され、現在では全世界87カ国・地域で実施されるなど、その規模は非常に大きくなっています。
受験者のメリット
JLPTを受験するメリットは様々ありますが、特に日本企業への就職や、日本の大学への留学を目指す人にとっては、大きな意味を持ちます。日本語能力の公的な証明となるJLPTの結果は、日本での就職や留学の際に有利に働くでしょう。
また、JLPTの受験を目標に日本語学習を進めることで、日本語能力の着実な向上が期待できます。試験の問題は実践的な内容が多く、日常生活やビジネスの場面で役立つ日本語力を身につけることができるでしょう。
試験の難易度と受験レベルの選び方
JLPTの難易度は、N1が最も高く、N5が最も低くなっています。受験レベルの選び方ですが、まずは自分の現在の日本語能力を把握することが大切です。目安として、N3合格には約500時間の学習時間、4,000語程度の語彙力、650字程度の漢字知識が必要とされています。
また、自分の目的に合わせて受験レベルを選ぶことも重要です。例えば、日本の大学院への進学を目指す場合は、N1合格が求められるケースが多いでしょう。一方、日常会話ができるレベルを目指すのであれば、N4やN5の受験がおすすめです。目標に合わせて、適切なレベル選びが重要です。
JLPT N3レベルの位置づけと認定目安
日本語能力試験(JLPT)のN3レベルは、日本語学習者にとって重要な位置づけにあります。ここでは、N3レベルの具体的な認定目安について見ていきましょう。
N3レベルの難易度と必要学習時間
JLPTのN3レベルは、5段階の難易度のうち真ん中に位置しています。日常的な場面で使用される日本語をある程度理解する能力が求められるレベルです。
N3レベルに到達するためには、およそ500時間の学習時間が必要とされています。これは、日本語学習者が一定の努力を積み重ねることで到達可能な目標設定といえるでしょう。
N3の読解力の目安
N3レベルの読解力では、日常的な話題の具体的内容を理解できることが求められます。また、新聞の見出しから情報の概要をつかむことができるレベルでもあります。
やや難易度の高い文章に関しても、言い換え表現があれば要旨を理解することが可能です。日本語学習者にとって、読解力の向上は大きな目標の一つといえるでしょう。
N3の聴解力の目安
N3レベルの聴解力では、やや自然に近いスピードの日常的な会話をほぼ理解できることが求められます。日本語特有のイントネーションや話し方に徐々に慣れていくことが大切です。
聴解力を高めるためには、日本語の音声に多く触れることが効果的でしょう。テレビ番組やラジオ、ネイティブスピーカーとの会話など、様々な場面で日本語を聞く機会を積極的に設けていきましょう。
N3合格に必要な語彙数と漢字数
N3レベルの合格に必要とされる語彙数は約4,000語です。これは、日常生活で頻繁に使用される基本的な語彙を網羅しているレベルといえます。
また、N3レベルでは約650字の漢字の習得が求められます。これは、小学1年生から4年生程度の漢字に相当します。漢字の学習は日本語能力向上の大きな鍵となるため、しっかりと取り組んでいくことが大切ですね。
語彙と漢字の習得は、読解力や聴解力の向上にも直結します。日本語学習者は、これらの知識を着実に身につけながら、N3レベルの日本語力を目指していきましょう。
JLPT N3の試験概要
試験日程と試験時間
JLPT N3の試験は、毎年7月と12月の年2回実施されています。試験は大きく分けて、言語知識(文字・語彙)、言語知識(文法)・読解、聴解の3つのセクションに分かれています。
各セクションの試験時間は以下の通りです:
- 言語知識(文字・語彙):30分
- 言語知識(文法)・読解:70分
- 聴解:40分
全体の試験時間は140分となっています。時間配分にも注意が必要ですね。
各セクションの内容と配点
N3レベルの試験では、日常的な話題の具体的内容を理解する力や、やや難易度の高い文章でも要旨を理解する力が問われます。各セクションの配点は以下の通りです:
- 言語知識(文字・語彙):60点
- 言語知識(文法)・読解:60点
- 聴解:60点
合格基準は総合得点180点満点中95点以上で、各セクションでも60点満点中19点以上の得点が必要とされています。バランス良く学習を進めることが合格への鍵となるでしょう。
回答方式とマークシートの書き方
JLPT N3の試験では、全ての問題がマークシート形式で出題されます。問題用紙とは別に解答用紙が配られ、そこに解答を塗りつぶしていく形になります。
マークシートへの記入は、濃い鉛筆(HBまたはB)で、丁寧に塗りつぶすことが求められます。間違えた場合は、跡が残らないようにしっかりと消しゴムで消しましょう。
リスニング試験の注意点
JLPT N3のリスニング試験では、やや自然に近いスピードの日常的な会話を聞き取る力が試されます。音声は一度しか流れないため、集中して聞き取ることが大切です。
また、リスニングでは問題用紙に設問が印刷されています。音声を聞く前に設問をしっかり読んでおくことで、聞き取るべきポイントを事前に把握しておくことができるでしょう。
日常会話や身近なトピックであれば、ある程度理解できるようになることを目指して、バランスの取れた学習を心がけていくことが大切です。
JLPT N3の出題傾向と対策
語彙問題の特徴と学習ポイント
JLPT N3レベルの語彙問題では、日常的な話題で使用される語彙の意味理解や適切な表現の選択が求められます。また、漢字の読み方を問う問題も出題されるでしょう。
語彙力を向上させるためには、まず基本的な語彙を確実に習得することが重要です。教科書や参考書で学んだ語彙を、例文や会話の中で繰り返し使用することで定着を図りましょう。また、語彙は関連性のあるものをグループ化して覚えると効果的です。
さらに、日本語の語彙には多くの言葉に複数の意味があるため、文脈に応じた適切な意味を理解する練習が必要不可欠です。実際の文章や会話の中で、語彙がどのように使われているかを観察し、ニュアンスの違いを掴むようにしましょう。
文法問題の頻出パターンと対策
N3レベルの文法問題では、日常的な場面でよく使われる文型や表現が中心となります。特に、動詞の活用形や助詞の使い方など、基本的な文法事項の理解が問われることが多いでしょう。
文法問題に対応するためには、教科書や参考書で学んだ文型や表現を、実際の文章や会話の中で応用する練習が大切です。また、問題集を解く際には、単に正解を覚えるのではなく、なぜその選択肢が正解なのかを文法的に理解することを心がけましょう。
加えて、日本語の文法には様々なニュアンスを持つ表現があるため、類似した文型の違いを意識して学ぶことも重要です。例えば、「〜ている」と「〜てある」の使い分けなど、細かな違いを理解することで、より自然な日本語表現が身につくでしょう。
読解問題の解き方と時間配分
N3レベルの読解問題では、日常的な話題の文章を読み、内容を正確に理解することが求められます。問題文の長さも増え、やや難易度の高い文章も出題されるでしょう。
読解問題を解くためには、まず全体の内容を把握するために、速読する習慣をつけることが大切です。そして、設問を確認し、該当する箇所を見つけて丁寧に読み込むことで、正確な理解につなげましょう。
また、読解問題では時間配分も重要なポイントです。問題数と与えられた時間を考慮し、1問あたりの目安時間を決めておくと良いでしょう。難しい問題で時間を取られすぎないよう、解けない問題はあえて後回しにするなど、柔軟な対応も必要です。
聴解問題の傾向と練習方法
N3レベルの聴解問題では、やや自然に近いスピードの会話や説明文を聞き、概要や要点を理解する力が試されます。話者の意図を汲み取ることも重要なポイントでしょう。
聴解力を向上させるには、日常的に日本語の音声に触れる機会を増やすことが効果的です。ニュースやドラマ、ポッドキャストなど、様々なジャンルの音声を聞き、内容を理解する練習を積みましょう。また、シャドーイングなど、音声を真似て声に出す練習も有効です。
聴解問題に取り組む際は、設問をしっかり読んでから音声を聞くようにしましょう。そして、メモを取りながら、キーワードを押さえつつ全体の流れを掴むことが大切です。選択肢の言い換え表現にも注意を払い、話の内容と照らし合わせながら解答を選びましょう。
ああ
日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの問題例
・問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
・問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
・問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
- 問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「彼女は(一生懸命)勉強している。」
(1)ゆっくり(2)たまに(3)必死に(4)時々
この問題の答えは「(3)必死に」です。
「一生懸命」という言葉の言い換えを理解する必要があり、言葉の意味だけでなく語彙力が試されています。
類似の表現の中から最も適切なものを選ぶ能力が求められます。
- 問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「この仕事は難しい()、時間がかかります。」
(1)のに(2)ので(3)のは(4)のが
この問題の回答は「(2)ので」です。
適切な接続助詞を選択する能力が試されています。
文脈から因果関係を理解し、正しい表現を選ぶ必要があります。
- 問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい
「彼は会社の(経営)に携わっている。」
(1)けいえい(2)けいえつ(3)きょうえい(4)きょうえつ
この問題の答えは「(1)けいえい」です。
漢字の正しい読み方を理解しているかどうかを測る問題です。
ビジネス用語の読み方を正確に知っていることが求められます。
JLPT N3合格のための学習リソース
日本語能力試験(JLPT)N3レベルの合格を目指す学習者にとって、効果的な学習リソースの選択は重要です。ここでは、N3合格に役立つ主要な学習リソースについて説明します。
公式問題集と解説書籍
JLPT公式問題集は、実際の試験に近い問題を収録しており、受験対策に欠かせません。問題集には、語彙の意味理解、適切な表現の選択、漢字の読み方など、試験で出題される典型的な問題が含まれています。
また、市販の解説書籍も効果的な学習ツールです。これらの書籍は、文法や語彙の詳細な説明、練習問題、学習のコツなどを提供し、自学自習に役立ちます。定評のある出版社の書籍を選ぶことをお勧めします。
オンライン学習サイトとアプリ
インターネット上には、JLPT対策に特化したオンライン学習サイトやアプリが数多く存在します。これらのプラットフォームでは、レベル別の学習教材、模擬試験、進捗管理ツールなどを利用できます。
オンライン学習の利点は、時間や場所に縛られずに学習できる点です。通勤時間や隙間時間を活用して、効率的に学習を進められます。ただし、自己管理能力が求められるため、学習計画を立てて、継続的に取り組むことが大切です。
日本語学校のN3対策コース
日本語学校の多くは、JLPTの各レベルに対応した対策コースを提供しています。N3対策コースでは、経験豊富な講師陣が、試験に頻出する文法事項や語彙、読解・聴解のコツを指導します。
教室での学習は、個別指導やグループワークを通じて、弱点の克服と応用力の養成に役立ちます。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨することで、モチベーションを維持しやすいというメリットもあります。
独学のコツと学習計画の立て方
独学でN3合格を目指す場合、学習計画の立て方がポイントになります。まずは、現在の日本語力を把握し、目標達成までに必要な学習時間を見積もりましょう。N3レベルの場合、約500時間の学習時間と、4,000語程度の語彙力、650字程度の漢字知識が求められます。
学習計画を立てる際は、文法、語彙、読解、聴解のバランスを考慮することが大切です。定期的に模擬試験を受けて、弱点を把握し、重点的に学習する習慣をつけましょう。また、日本語の多様な表現に触れるため、日本語の書籍や新聞、ドラマなどに積極的に触れることをお勧めします。
JLPT N1/N2との比較
日本語能力試験(JLPT)のN3レベルは、N1やN2レベルとどのように異なるのでしょうか。ここでは、N3レベルとN1・N2レベルの難易度や学習内容の違いについて解説します。
N3とN2の難易度の違い
N3レベルは、JLPTの5段階の中で真ん中に位置づけられる難易度です。一方、N2レベルはN1に次ぐ高い難易度となっています。N3レベルの認定目安は、日常的な話題の具体的内容を理解でき、やや難易度の高い文章も言い換え表現があれば要旨を理解できるレベルです。
これに対し、N2レベルでは、より幅広い話題について理解し、抽象的な内容や複雑な文章構造の文章も理解できることが求められます。また、N3レベルの語彙数が約4,000語であるのに対し、N2レベルでは約6,000語と、大幅に増加します。
N3からN2へのステップアップ
N3からN2レベルへステップアップするためには、より多くの語彙や漢字の習得が必要不可欠です。N3レベルで必要とされる漢字数が約650字であるのに対し、N2レベルでは約1,000字と、約350字も多くなります。また、語彙数も約2,000語増えるため、日常的な語彙だけでなく、ビジネスや学術的な語彙の習得も重要になってきます。
加えて、N2レベルの文法は、N3レベルよりも複雑で高度なものが多く出題されます。N3レベルの学習に加えて、N2レベルの文法書などを活用し、文法知識を深めていくことが大切です。
N1合格に必要な日本語力
JLPTの最高峰であるN1レベルに合格するには、さらに高度な日本語運用能力が求められます。N1レベルの認定目安は、幅広い場面で使われる日本語を理解し、適切に使用できるレベルです。
N1レベルの語彙数は約10,000語、漢字数は約2,000字とされており、N2レベルからさらに大幅な増加が見られます。また、社会情勢や時事問題に関する語彙や、専門的な語彙の習得も必要になります。読解問題では、複雑な構造の長文読解問題が出題され、聴解問題でも、自然に近いスピードでの会話やニュース、講義なども出題されます。
日本語能力試験(JLPT)のN1レベルの問題例
・問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
・問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
・問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
- 問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「彼の説明は(こじつけ)だと批判された。」
(1)論理的(2)説得力がある(3)無理な解釈(4)明確
この問題の答えは「(3)無理な解釈」です。
「こじつけ」は、無理に理由をつけたり、関係のないことを結びつけたりすることを意味します。
N1レベルでは、このような日常的によく使われる慣用表現の理解が求められます。
高度な語彙力と文脈理解力が必要です。
- 問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「彼の意見は一見理にかなっているように見えるが、()、現実的ではない。」
(1)つまるところ(2)それどころか(3)よりによって(4)そうはいっても
この問題の回答は「(4)そうはいっても」です。
文脈に合った適切な接続表現の選択能力が試され、文全体の意味を理解し、最も自然な流れを作る表現を選ぶ必要があります。
- 問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「この計画には(懸念)すべき点がある。」
(1)けねん(2)けんねい(3)かんねん(4)かんねい
この問題の答えは「(1)けねん」です。
日本語の漢字熟語の正しい読み方を理解する能力が試されています。
N1レベルでは、やや難しい漢字熟語の読み方も習得していることが期待されます。
日本語能力試験(JLPT)のN2レベルの問題例
・問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
・問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
・問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
- 問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「彼女は(臨機応変)に対応できる人だ。」
(1)計画的に(2)状況に応じて(3)慎重に(4)積極的に
この問題の答えは「(2)状況に応じて」です。
「臨機応変」という少し難しい四字熟語の意味を理解し、適切な言い換えを選択する能力が求められます。
ビジネスや日常生活でよく使われる表現の理解力が試されています。
- 問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「彼の意見に()、私は賛成できない。」
(1)反して(2)従って(3)基づいて(4)対して
この問題の回答は「(4)対して」です。
適切な助詞や表現の選択能力が試されています。
文脈から話者の意図を理解し、最も自然な日本語表現を選ぶ必要があります。
- 問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい
「彼は(手術)を受けることになった。」
(1)てじゅつ(2)しゅじゅつ(3)しゅうじゅつ(4)てしゅつ
この問題の答えは「(2)しゅじゅつ」です。
日常で耳にする漢字の正しい読み方を理解しているかを測る問題です。
一般的によく使われる言葉の正確な読み方を知っていることが求められます。
各レベルの認定の意義と活用方法
N3レベルの認定は、日常会話レベルの日本語コミュニケーション能力があることを証明するものです。日本での就職や進学の際に、日本語能力の指標として活用できるでしょう。また、日本語を使ったボランティア活動などにも参加しやすくなります。
N2レベルの認定は、ビジネスや学術的な場面での日本語運用能力を証明するものです。日本の企業への就職や、日本の大学への進学の際に、より有利になるでしょう。また、日本語を使った業務への従事も可能になります。
N1レベルの認定は、高度な日本語運用能力を証明するものです。日本の大学院への進学や、高度な専門性が求められる職種への就職の際に、大いに役立つでしょう。また、日本語を使った研究活動や、通訳・翻訳業務なども可能になります。
JLPTの各レベルの認定は、日本語学習者の日本語能力を客観的に証明するものであり、日本でのキャリア形成や活動の幅を広げるために非常に有益です。
JLPTと日本語検定の比較
両試験の目的と対象者の違い
日本語能力試験(JLPT)と日本語検定は、いずれも日本語能力を測定するための試験ですが、その目的と対象者には違いがあります。
JLPTは、母語が日本語以外の人を対象とした試験で、日本語能力を客観的に評価し、認定することを目的としています。一方、日本語検定は、日本語を母語とする人も受験できる試験で、日本語の基礎的な知識や運用能力を測定し、向上させることを目的としています。
したがって、JLPTは主に外国人の日本語学習者が受験するのに対し、日本語検定は日本人も含めた幅広い層が受験するという違いがあります。
出題形式と評価方法の比較
JLPTと日本語検定では、出題形式と評価方法にも違いが見られます。
JLPTは、「言語知識(文字・語彙)」「言語知識(文法)・読解」「聴解」の3つのセクションに分かれており、すべてマークシート形式で出題されます。各セクションの配点は均等で、総合得点が合否の基準となります。
一方、日本語検定は、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能を測定する形式で、筆記試験と面接試験から構成されています。筆記試験は主に記述式の問題が出題され、面接試験では受験者の会話能力が評価されます。総合的な日本語運用能力が重視される試験と言えるでしょう。
級とレベルの対応関係
JLPTと日本語検定では、級とレベルの対応関係が異なります。
JLPTは、N1からN5までの5段階のレベルに分かれています。N1が最も高度で、N5が初級レベルに相当します。各レベルの認定は、日本語能力の到達度に応じて行われます。
日本語検定は、1級から7級までの7段階の級に分かれており、級が上がるほど難易度が高くなります。各級の認定は、日本語の知識や運用能力に応じて行われ、1級は日本語を専門的に使用する人を対象としたレベルとされています。
ビジネス場面での活用度
JLPTと日本語検定は、ビジネス場面での活用度にも違いがあります。
JLPTは、外国人材の採用や配置の際に、日本語能力の指標として広く活用されています。特に、N1やN2の取得は、高度な日本語能力の証明となり、就職や昇進に有利に働くことがあります。
一方、日本語検定は、ビジネス場面では一般的にはあまり活用されていません。ただし、1級や準1級の取得は、高度な日本語運用能力の証明となるため、日本語を専門的に使用する職種では評価されることがあります。
このように、JLPTと日本語検定は、それぞれの目的や特徴に応じて、ビジネス場面での活用度が異なるのです。
まとめ
日本語能力試験(JLPT)N3は、日本語学習者にとって重要なマイルストーンです。日常的な場面で使用される日本語を理解し、運用する力が求められるN3レベルの合格は、日本でのキャリアアップや留学の可能性を大きく広げてくれるでしょう。
N3合格のためには、語彙や文法、読解、聴解のバランスの取れた学習が欠かせません。約4,000語の語彙と650字程度の漢字の習得を目指し、公式問題集やオンライン学習リソースを有効活用していきましょう。日本語の多様な表現に触れる機会を増やすことも、合格への近道となるはずです。
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