外食業界に勤める方の計57.6%が人手不足と回答。しかし外国人労働者を雇用している割合は24.3%に留まっており、日本語能力の不足による言葉の壁が主な障壁となっていることがうかがえる。
技能実習生・特定技能外国人などを始めとする「外国人雇用を検討する会社」と、監理団体・登録支援機関・外国人材紹介会社など「外国人材を紹介する会社・団体」をつなげるBtoBマッチングサービス「外国人採用の窓口」を展開する株式会社アルフォース・ワン(本社:東京都葛飾区 代表者:山根 謙生、以下当社)では、「外国人労働者雇用」に関するWebアンケート調査を実施しました。
〈調査概要〉
項目 | 詳細 |
調査名 | 外食業界における外国人雇用に関する実態調査 |
対象者 | 外食業界に勤めており、外国人の採用状況について把握している方 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2025年3月28日 |
回答数 | 144名 |
〈年代内訳〉
年代 | 人数 |
~19歳 | 1名 |
20~29歳 | 8名 |
30~39歳 | 21名 |
40~49歳 | 44名 |
50~59歳 | 63名 |
60歳~ | 7名 |
〈業種内訳〉
INDEX
- 調査結果
- Q1. あなたの職場の人手不足の状況について教えてください【n=144/単一回答】
- Q2.あなたの職場での外国人労働者の雇用状況を教えてください【n=144/単一回答】
- Q3.外国人労働者を雇用していない理由(課題・懸念点)を教えてください(3つまで)【n=100/複数回答(3つまで)】
- Q4. 雇用している(雇用していた)外国人労働者はどのような業務に従事していましたか?または従事して欲しいと考えていますか?【n=44/複数回答】
- Q5. 雇用している(または雇用していた)外国人労働者はどのような在留資格を保有していますか?【n=44/複数回答】
- Q6. どのような方法で外国人労働者を採用しましたか?【n=44/複数回答】
- Q7. 外国人労働者を採用した理由として最も当てはまるものを教えてください【n=44/単一回答】
- Q8. 外国人労働者の採用は、あなたの職場にとって成功だったと思いますか?【n=44/単一回答】
- Q9. 外国人労働者を採用・雇用するにあたっての課題を教えてください(3つまで)【n=44/複数回答(3つまで)】
- Q10. 外国人労働者の雇用は外食業界の発展・活性化に繋がると考えますか?【n=44/単一回答】
- 【調査結果の引用・転載についてのお願い】
- 外国人採用の窓口のサービス概要について
- 株式会社アルフォース・ワンの会社概要
調査結果
Q1. あなたの職場の人手不足の状況について教えてください【n=144/単一回答】
※全員回答
外食業界に勤めている方のうち、計57.6%が人手不足(深刻な人手不足である16.7%、やや人手不足である41.0%)という結果になりました。
以下の帝国データバンクの資料、「2024年10月時点の人手不足の割合」をみると、非正社員が不足している企業(飲食店)は64.3%、正社員が不足している企業(飲食店)は54.4%と、本アンケート調査の結果と近い値になっています。
また、2024年以降は人手不足について、”緩やかな改善傾向が見られている“と分析されています。
出典:帝国データバンク 飲食店/旅館・ホテルの人手不足割合(2024年10月時点)
以下の厚生労働省の資料によると、宿泊業・飲食サービス業の外国人労働者は年々増加しており、2024年には273千人となっています。
飲食店の人手不足が改善傾向にある要因としては、スポットワークなど多様な働き方の普及など様々な要因が考えられますが、外国人労働者の増加も要因のひとつになっていることがうかがえます。
出典:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
Q2.あなたの職場での外国人労働者の雇用状況を教えてください【n=144/単一回答】
※全員回答
外食業界で外国人労働者を「現在雇用している」割合は24.3%、「雇用していたが現在は雇用していない」は11.1%、「雇用検討中」は6.3%、「雇用する予定なし」は58.3%という結果になりました。
人手不足の割合計57.6%(Q1)に対して「現在雇用している」割合が24.3%に留まっていることから、外国人労働者の雇用には何らかの課題があることがうかがえます。
Q3.外国人労働者を雇用していない理由(課題・懸念点)を教えてください(3つまで)【n=100/複数回答(3つまで)】
外国人労働者を雇用していない理由について、「日本人スタッフだけで人員が充足している(48.0%)」が最も高く、次いで「日本語能力の不足による言葉の壁(41.0%)」という結果になりました。
言語の壁が外国人雇用の大きなハードルとなっていることがうかがえます。
Q4. 雇用している(雇用していた)外国人労働者はどのような業務に従事していましたか?または従事して欲しいと考えていますか?【n=44/複数回答】
※現在外国人労働者を雇用している、または雇用を検討している企業に務めている人のみ回答
外国人労働者がどのような業務に従事しているか(または従事して欲しいか)をみると、「キッチン・調理業務(56.8%)」と「ホール・接客業務(54.5%)」が高い結果となりました。
採用難易度の高い「キッチン・調理業務」と、「ホール・接客業務」の割合が同程度であることは、インバウンド需要が関係しているのかもしれません。
以下の日本食糧新聞の記事によると、飲食店におけるインバウンド市場は拡大傾向にあるとされています。
”国内の飲食店販売額に占める訪日外国人向けの割合が急速に拡大している。24年のインバウンド比率は7%を突破し、コロナ前の19年のほぼ2倍に広がった”
出典:日本食糧新聞 「外食インバウンド比率、コロナ前2倍に 24年は7%突破」
Q5. 雇用している(または雇用していた)外国人労働者はどのような在留資格を保有していますか?【n=44/複数回答】
※現在外国人労働者を雇用している、または雇用を検討している企業に務めている人のみ回答
雇用している(または雇用していた)外国人労働者の在留資格をみると、「留学(38.6%)」と「特定技能(34.1%)」が特に高い結果となりました。
留学生を採用している割合が高い結果となりました。留学生の就労は週28時間以内のアルバイト(学校の夏休み等の長期休暇時は1日8時間※週40時間まで)となりますが、総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の75%は非正規であることから、留学生が貴重な戦力となっていることがうかがえます。
出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」第3表 男女、産業、従業上の地位・雇用形態別有業者数及び構成比-全国 より集計
また、留学生に次いで、「特定技能」の割合が高く、外食業でも制度の活用が進んでいることがうかがえます。
出入国在留管理庁の資料をみると、外食業分野における特定技能1号在留外国人数は年々増加しており、重要度が高まっていることがわかります。
出典:出入国在留管理庁【第1表】特定技能1号在留外国人数 より作成
Q6. どのような方法で外国人労働者を採用しましたか?【n=44/複数回答】
※現在外国人労働者を雇用している、または雇用を検討している企業に務めている人のみ回答
外国人労働者の採用方法は、「求人広告(47.7%)」が突出して高く、次いで「公的機関(25.0%)」、「人材紹介会社(20.5%)」、「自社ホームページ(15.9%)」という結果になりました。
技能実習制度には外食の分野が存在していないだけでなく、1名の採用あたり50万円~100万円程度は費用のかかってしまう人材紹介に頼れない事業者も多いため、自力で求人広告を利用した採用活動を行うケースが多いことも想定されます。
以下の厚生労働省の資料、「宿泊業・飲食サービス業で入職前居住地が日本であった外国人労働者の入職経路」をみても、「求人広告(18.9%)」が「日本国内の民間紹介会社(9.6%)」よりも約10pt高い結果となっています。
また、本アンケート結果では「自社ホームページ」は15.9%となっており、特別高いわけではないですが、一定の効果はあるように読み取れます。
Q7. 外国人労働者を採用した理由として最も当てはまるものを教えてください【n=44/単一回答】
※現在外国人労働者を雇用している、または雇用を検討している企業に務めている人のみ回答
外国人労働者を採用した理由をみると、「人材不足の解消(59.1%)」が突出して高い結果となりました。
以下の厚生労働省の資料をみても、宿泊業・飲食サービス業が外国人労働者を雇用する理由(複数回答)は「労働力不足の解消・緩和のため(80.8%)」が突出して高く、本アンケートの結果を裏付ける結果となっています。
Q8. 外国人労働者の採用は、あなたの職場にとって成功だったと思いますか?【n=44/単一回答】
※現在外国人労働者を雇用している、または雇用を検討している企業に務めている人のみ回答
外国人労働者の採用が「成功だった」と回答したのは54.5%、「どちらとも言えない」は38.6%、「成功ではなかった」は6.8%という結果になりました。
「成功ではなかった」の割合は低いですが、「成功だった」が5割程度に留まることをふまえると、ただ採用すれば上手くいくものではないことがうかがえます。
本アンケート調査のQ3(外国人労働者を雇用していない理由・課題・懸念点)では、「日本語能力の不足による言葉の壁」が高い結果となっており、次のQ9(外国人労働者を採用・雇用するにあたっての課題)でも、「日本語能力の不足による言葉の壁」が突出して高い結果となっていることから、やはり「言語の壁」が大きな課題となっていると考えられます。
Q9. 外国人労働者を採用・雇用するにあたっての課題を教えてください(3つまで)【n=44/複数回答(3つまで)】
※現在外国人労働者を雇用している、または雇用を検討している企業に務めている人のみ回答
外国人労働者を採用・雇用するにあたっての課題をみると、「日本語能力の不足による言葉の壁(65.9%)」が突出して高く、次いで「文化・習慣・価値観などの違いによるコミュニケーションの難しさ(18.2%)」、「外国人を受け入れる体制の未整備(18.2%)、「在留期限に制限があり長期雇用ができない(15.9%)」という結果になりました。
以下の厚生労働省の資料、「宿泊業・飲食サービス業における外国人労働者の雇用に関する課題」をみても、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい(45.0%)」が最も高くなっており、本アンケートの結果を裏付ける結果となっています。
Q10. 外国人労働者の雇用は外食業界の発展・活性化に繋がると考えますか?【n=44/単一回答】
外国人労働者の雇用は外食業界の発展・活性化に繋がると思うかについて、「そう思う(59.1%)」が突出して高く、次いで「どちらとも言えない(34.1%)、「そう思わない(6.8%)」という結果になりました。
外食産業は、料理ジャンルの幅も広く、インバウンド需要も分かりやすくあるため、明るい見通しを持つ方が多いのかもしれません。
【調査結果の引用・転載についてのお願い】
本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「外国人採用の窓口」の調査である旨の記載および、「外国人採用の窓口」のURL(https://gaikokusaiyo.com/)へのリンク設置をお願いいたします。
出典:外食業界における外国人雇用に関する実態調査(https://gaikokusaiyo.com/2025/04/30/30340/)/外国人採用の窓口調べ(https://gaikokusaiyo.com/)
外国人採用の窓口のサービス概要について
「外国人採用の窓口」は、技能実習生や特定技能外国人などの「外国人労働者を雇用したい企業」と、監理団体・登録支援機関・外国人材紹介会社などの「外国人労働者を紹介したい団体・企業」とをお繋ぎするマッチングプラットフォームサービスです。
■サービスページ:https://gaikokusaiyo.com/
株式会社アルフォース・ワンの会社概要
社名:株式会社アルフォース・ワン
住所:〒125-0061 東京都葛飾区亀有3-21-11 藍ビル202
TEL:03-6662-5150
設立:2016年10月3日
代表者:代表取締役 山根 謙生
事業内容:人材採用支援事業、メディア運営事業
URL:https://ulforce-one.co.jp/
お問い合わせ:https://ulforce-one.co.jp/contact/