外国人を採用したいと考えたとき
「何人まで雇えるのか」
「人数制限はあるのか」
と疑問に感じる方もいるでしょう。
原則、人数制限はないものの、特定技能や育成就労(旧技能実習)などの制度によっては、分野ごとに受け入れ上限が設けられているケースもあります。
本記事では、外国人雇用における人数制限や制限がある就労ビザの種類、特定技能の受け入れ人数の現状や今後の上限見通しなどを解説します。
採用計画で失敗しないためのポイントも整理していますので、ぜひ参考にしてください。
なお、技能実習制度は2027年4月1日から育成就労制度へ移行予定です。
本記事では、現行の技能実習制度の人数枠と、育成就労制度で予定されている人数枠の違いも解説します。
INDEX
外国人の雇用人数に制限はある?

外国人労働者を雇用する際、企業ごとの受け入れ人数に一律の上限はなく、1社あたりの人数制限も原則として設けられていません。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)」や永住者・日本人の配偶者などの身分系在留資格、留学生のアルバイトなどは、人数制限なく雇用することが可能です。
一方、すべての在留資格に制限がないわけではありません。
以下のように、制度によって人数制限の有無や考え方が異なります。
| 在留資格 | 人数制限 |
| 技術・人文知識・国際業務(技人国) | なし |
| 永住者・日本人の配偶者など(身分系) | なし |
| 留学(アルバイト) | 企業側の人数制限なし(週28時間以内など制限あり) |
| 特定技能 | 分野ごとに国全体の受入見込数あり 企業別の一律上限は原則なし ただし、建設・介護は常勤職員数に応じた制限あり |
| 技能実習 | 企業の常勤職員数に応じた上限あり |
| 育成就労 | 企業の常勤職員数に応じた上限あり ただし、技能実習より人数枠が拡大される予定 |
特定技能や技能実習・育成就労といった制度では、受け入れ人数に一定の上限が設けられています。
特定技能については、分野ごとに国全体での受け入れ上限が定められており、企業ごとに一律の人数制限があるわけではありません。
ただし、建設分野と介護分野では、受け入れ企業の常勤職員数に応じた受け入れ制限が設けられています。
技能実習や育成就労は、企業の常勤職員数に応じて受け入れ可能人数の上限が設定されています。
育成就労では、技能実習制度からの移行に伴い、小規模企業を中心に人数枠が拡大される見込みです。
このように、人数制限の有無は「制度の目的」によって異なります。
技人国や身分系の在留資格は、専門人材の活用や生活基盤を持つ外国人の就労を前提としているため、人数制限は設けられていません。
特定技能や育成就労は、人手不足が深刻な分野における労働力の確保を目的とした制度であり、受け入れ規模をコントロールするために上限が設定されています。
なお、現行の技能実習は労働力の確保ではなく、開発途上地域等への技能移転による国際貢献を目的とした制度です。
外国人の雇用人数が制限されている就労ビザ

外国人雇用は原則として人数制限がありませんが、すべての在留資格で自由に採用できるわけではありません。
特定技能や育成就労(技能実習)など一部の制度では、受け入れ企業や事業所の規模、分野ごとのルールに応じて受け入れ人数について一定の基準が設けられています。
ここでは、代表的な制度ごとに具体的な制限内容を解説します。
特定技能(建設分野)
建設分野における特定技能1号では、受け入れ人数について一定の基準が設けられています。
具体的には、特定技能1号および特定活動で受け入れる外国人の合計人数が、受け入れ企業の常勤職員数(技能実習生・育成就労外国人・特定技能外国人を除く)を超えてはならないとされています。
また、建設分野では人数制限に加え、以下のような厳格な要件が課されています。
- 建設業許可の取得
- 「建設特定技能 受入計画」の認定
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
- 特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)への加入
これらを満たさない場合、適切な受け入れと認められない可能性があるため注意が必要です。
参考:出入国在留管理庁「建設分野」、法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -建設分野の基準について」
特定技能(介護分野)
介護分野における特定技能1号においても、特定技能外国人の受け入れ人数には上限があり事業所単位で管理されます。
具体的には、受け入れ可能な特定技能外国人の人数は「日本人等の常勤介護職員数の総数」を上限とすることとされています。
ここでいう「日本人等」には、日本人に加え、在留資格「介護」を持つ外国人や、EPA介護福祉士、、永住者や日本人の配偶者などの身分系在留資格を持つ人も含まれます。
一方で、育成就労外国人(技能実習生)や特定技能1号の外国人はこの人数に含まれません。
また、この上限は企業単位ではなく「事業所単位」で管理される点が特徴です。
複数の施設を運営している場合でも、それぞれの事業所ごとに上限が設定されます。
このようなルールが設けられている背景には、介護現場におけるサービスの質や安全性を確保する目的があります。
単に人数を増やすのではなく、適切な指導体制や連携が取れる範囲での受け入れが求められる点が特徴です。
参考:法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-介護分野の基準について-」
技能実習から育成就労への移行による人数枠の変更
現行の技能実習制度では、受け入れ企業の常勤職員数に応じて、技能実習生の受け入れ人数が段階的に制限されています。
これは、過度な受け入れによる指導体制の不足や不適切な運用を防ぐための仕組みです。
基本人数枠は、以下のように定められています。
| 実習実施者の常勤の職員の総数 | 技能実習生の人数 |
| 301人以上 | 常勤職員総数の20分の1 |
| 201人~300人 | 15人 |
| 101人~200人 | 10人 |
| 51人~100人 | 6人 |
| 41人~50人 | 5人 |
| 31人~40人 | 4人 |
| 30人以下 | 3人 |
2027年4月から開始予定の育成就労制度では、深刻な人手不足への対応を目的として、人数枠が大きく見直されます。
特に、小規模企業では受け入れ可能人数が拡大される予定であり、監理型の育成就労では、常勤職員数が30人以下の企業で基本人数枠が9人となります。
たとえば、常勤職員数が30人以下の企業では、技能実習1号の基本人数枠は3人でしたが、育成就労では9人まで受け入れ可能となる見込みです。
さらに、優良な育成就労実施者と認められた場合は基本人数枠の2倍、指定区域に所在し、一定の要件を満たす場合は最大3倍の人数枠が適用されます。
| 区分 | 技能実習(旧) | 育成就労(新) |
| 基本人数枠(常勤職員30人以下) | 3人 | 9人 |
| 優良認定時 | 6人 | 18人 |
| 地方特別枠(優良) | なし | 最大27人 |
また、育成就労制度では、外国人材が大都市圏へ過度に集中することを防ぐため、地方特別枠(指定区域)の仕組みも導入されます。
指定区域に所在する優良な育成就労実施者については、通常よりも多い人数枠が適用されるため、地方企業にとっては人材確保の選択肢が広がる可能性があります。
ただし、育成就労では企業単位の人数枠が拡大される一方、産業分野ごとの受け入れ上限数も設定される見込みです。
そのため、企業ごとの枠だけでなく、分野全体の受け入れ状況も確認しながら採用計画を立てる必要があります。
なお、制度移行後も引き続き在留している1号・2号技能実習生の数は、育成就労の人数枠に含めて計算される予定です。
現行の技能実習制度における受け入れ人数の詳細な計算方法や条件別の上限等については、以下の記事で詳しく解説しています。
出典:厚生労働省「新たな外国人技能実習制度について」
特定技能・育成就労は受け入れ人数にも上限がある
特定技能制度は、日本の深刻な人手不足を背景に創設された在留資格ですが、無制限に外国人を受け入れられるわけではありません。
政府は分野ごとの労働需給や受け入れ体制を踏まえ、「特定技能の5カ年計画」として受け入れの見込み数を設定しています。
2024年3月29日の閣議決定では、2024年4月からの5年間の特定技能1号の受け入れ見込み数は、当初の約34万5,000人から約82万人へと再設定されました。
その後、育成就労制度を含めた新たな受け入れ見込み数では、特定技能と育成就労を合わせた全体枠も示されています。
分野ごとの受け入れ見込数は、原則として向こう5年の受け入れ上限として運用されます。
各分野で設定された見込数に近づいた場合、新規の受け入れが制限される可能性がある点に注意が必要です。
このように上限が設けられている理由は、労働需給のバランスを維持しながら、人手不足が深刻な分野に必要な人材を適切に配分するためです。
単に外国人労働者を増やすのではなく、受け入れ体制や教育・管理の質を確保する観点からも、分野ごとに受け入れ規模がコントロールされています。
参考:出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」
2027年4月から開始予定の育成就労制度についても、特定技能と同様に分野ごとの受け入れ上限数が設けられています。
育成就労は技能実習制度に代わる制度ですが、技能実習にはなかった「産業分野ごとの総枠」が設定される点が大きな違いです。
なお、特定技能の受け入れ見込み数は2024年4月からの5年間を対象としているのに対し、育成就労の受け入れ上限数は、制度開始予定の2027年4月から2028年度末までの期間を対象としています。
以下は、令和9年4月から令和10年度末までの育成就労の分野別受け入れ上限数です。
| 分野名 | 受け入れ上限数 |
| 建設 | 123,500人 |
| 工業製品製造業 | 119,700人 |
| 飲食料品製造業 | 61,400人 |
| 介護 | 33,800人 |
| 農業 | 26,300人 |
| 造船・舶用工業 | 12,500人 |
| 自動車整備 | 9,900人 |
| ビルクリーニング | 7,300人 |
| 物流倉庫 | 6,900人 |
| 外食業 | 5,300人 |
| 宿泊 | 5,200人 |
| 資源循環 | 3,600人 |
| リネンサプライ | 3,400人 |
| 漁業 | 2,600人 |
| 木材産業 | 2,200人 |
| 鉄道 | 1,100人 |
| 林業 | 500人 |
特定技能の現状の受け入れ人数

特定技能制度の導入以降、外国人材の受け入れは着実に増加しています。
一方で、分野や地域によって偏りも見られ、必ずしも人手不足が解消されているとはいえません。
ここでは、人数推移・国籍・地域・業種の観点から現状を整理します。
人数推移
特定技能外国人の受け入れ人数は年々増加しており、2024年6月時点では25万1,747人に達しています。
2020年には1万人台だったことを踏まえると、短期間で急速に拡大していることがわかります。
これは人手不足の深刻化を背景に、制度の活用が進んでいるためです。
以下は、出入国在留管理庁が公表している特定技能在留外国人数の推移です。
| 年度 | 特定技能在留外国人数 |
| 2024年6月 | 25万1,747人 |
| 2023年12月 | 20万8,462人 |
| 2022年12月 | 13万923人 |
| 2021年12月 | 4万9,666人 |
| 2020年12月 | 1万5,663人 |
ただし、政府の受け入れ見込み数と比較すると、分野によっては十分に人材が確保できていないケースもあり、依然として人手不足が続いています。
参考:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況 ①」
国籍別
2024年6月末時点のデータをもとに国籍別に見ると、特定技能1号在留外国人は東南アジア出身者が中心となっています。
特にベトナムが突出して多く、全体の約半数を占めています。これは技能実習からの移行が進んでいることが背景にあります。
| 国籍 | 人数 |
| ベトナム | 12万6,740人 |
| インドネシア | 4万4,298人 |
| フィリピン | 2万5,303人 |
| ミャンマー | 1万9,058人 |
| 中国 | 1万5,660人 |
| カンボジア | 5,461人 |
| ネパール | 5,383人 |
| タイ | 5,174人 |
| その他 | 4,517人 |
近年はインドネシアやフィリピンからの受け入れも増加しており、人材供給国の多様化も進んでいます。
参考:出入国在留管理庁「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」
地域別
同データによる都道府県別の結果を地域別に見てみると、特定技能1号在留外国人は都市部に集中する傾向があります。
製造業やサービス業が集積している地域ほど需要が高く、受け入れ人数も多くなっています。
| 都道府県 | 人数 |
| 愛知県 | 20,740人 |
| 大阪府 | 16,533人 |
| 埼玉県 | 15,520人 |
| 千葉県 | 15,183人 |
| 東京都 | 14,914人 |
| 神奈川県 | 13,639人 |
| 茨城県 | 12,869人 |
| 北海道 | 10,886人 |
| 福岡県 | 8,955人 |
| 兵庫県 | 8,933人 |
一方で、農業や介護分野の人手不足を背景に、地方でも受け入れは着実に拡大しています。
今後は育成就労制度における地方特別枠の導入により、地方で外国人材の受け入れがさらに進む可能性もあります。
参考:出入国在留管理庁「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」
業種別
今度は同データを業種別に見てみましょう。
特定技能1号在留外国人は、飲食料品製造業や製造業、介護分野に集中しています。
特に飲食料品製造業は受け入れ人数が最も多く、制度の活用が進んでいる分野です。
| 業種・分野 | 人数 |
| 飲食料品製造業 | 7万202人 |
| 介護 | 3万6,719人 |
| 製造業(電気・機械など) | 4万4,044人 |
| 建設 | 3万1,853人 |
| 農業 | 2万7,786人 |
| 外食業 | 2万308人 |
| 造船 | 8,703人 |
| ビルクリーニング | 4,635人 |
| 漁業 | 3,035人 |
| 自動車整備 | 2,858人 |
| 航空 | 959人 |
| 宿泊 | 492人 |
一方、宿泊業など一部の分野では受け入れが伸び悩んでいます。
今後は労働環境の改善や制度運用の見直しにより、分野間の偏りが変化していく可能性があります。
このように、業種別に見ると受け入れ人数の多い分野と、そうでない分野の差が明確になっています。
特に飲食料品製造業や介護、建設分野では受け入れが進んでおり、今後は分野ごとの上限に近づく可能性もあります。
実際に一部の分野では上限到達により新規受け入れが難しくなるケースも出ているため、採用を検討している企業は早めに動くことが重要です。
また、分野ごとに受け入れ見込み数が設定されているため、受け入れが進んでいる分野ほど残りの受け入れ枠が少なくなっている可能性もあります。
参考:出入国在留管理庁「【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」
今後外国人労働者の受け入れ人数は「123万人」が上限とされる

政府は、外国人労働者の受け入れに関する中長期的な方針として、2028年度末までに約123万人を上限とする見込みを示しています。
この数値は特定技能だけの受け入れ人数を示すものではなく、育成就労制度など新制度も含めた全体の受け入れ規模の推計である点に注意が必要です。
報道によると、内訳としては育成就労制度については制度開始後の一定期間における受け入れ人数の目安が示されており、特定技能1号の受入見込数(約82万人)とあわせることで、全体として約123万人規模となる想定が検討されています。
また、育成就労制度では、技能実習制度にはなかった産業分野ごとの受け入れ上限数も設定されています。
企業単位の人数枠だけでなく、分野全体での受け入れ規模も管理されることになります。
分野別では製造業、建設、介護といった人手不足が深刻な分野が中心となり、今後は物流や資源循環といった新たな分野も対象に含まれる見通しです。
こうした上限設定の背景には、AIやロボット、DXの活用による生産性向上と併せて、人材不足分野へ適切に労働力を配分する狙いがあります。
企業としては制度の全体像を正しく理解したうえで、分野ごとの動向を踏まえた採用計画を立てることが重要です。
参考:朝日新聞「123万人の外国人労働者を受け入れ 育成就労と特定技能で上限案」
なお、育成就労制度の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
分野ごとの上限と今後の採用戦略
特定技能制度では、分野ごとに受け入れ見込み数(上限)が設定されており、受け入れが進んでいる業界ほど残りの枠が限られている状況です。
特に飲食料品製造業や介護、建設分野では需要が高く、今後は枠の消化がさらに進むと見込まれています。
また、育成就制度においても、企業ごとの人数枠は技能実習制度より拡大される一方、分野別の受け入れ上限数が設定されました。
そのため、企業単位では受け入れやすくなっても、分野全体の枠が埋まれば新規受け入れが難しくなる可能性があります。
実際に、特定技能の外食分野では想定を上回るペースで受け入れが進み、すでに新規受け入れができない状況が生じるなど、分野によっては「実質的な上限」に到達するケースも見られます。
このような状況を踏まえると、外国人材の採用は「必要になってから検討する」のでは遅く、制度動向や分野ごとの受け入れ状況を踏まえたうえで早期に採用計画を立てることが重要です。
特に、人気分野では採用タイミングによっては人材を確保できないリスクもあるため注意が必要です。
分野ごとの枠を意識した戦略的な採用が、今後の人材確保の鍵となります。
まとめ
外国人雇用は原則として人数制限がありませんが、特定技能や技能実習・育成就労など一部の制度では、分野や企業ごとに上限が設けられています。
特に特定技能は分野別に受け入れ枠が管理されており、今後は上限に近づく業界も増えると考えられます。
制度の違いを正しく理解し、最新の動向を踏まえたうえで、早めに採用計画を立てましょう。
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