外国人採用ガイド

技能実習制度の利用や手続き、雇用契約、在留資格に関するよくある質問一覧

技能実習制度は、知名度もあり世の中に広く普及していますが、制度の仕組みが非常に複雑です。

初めて利用する方には。全体像がつかみにくく、どこから情報収集をすればいいのかお悩みの方も少なくありません。

本記事では、技能実習制度の利用を検討する企業担当者に向けて、制度全般、入国前後の手続き、雇用契約、在留資格に関するよくある質問を整理して解説します。

初めて受け入れを検討中の方でも理解しやすいように、基本的なルールや注意点を平易な言葉でまとめています。

導入前の疑問や不安を解消するための参考としてご活用ください。

技能実習制度をわかりやすく解説!目的や条件、受け入れ方法を紹介

安藤 祐樹この記事の監修
きさらぎ行政書士事務所
行政書士 安藤 祐樹
きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

INDEX

技能実習制度全般に関する質問

どのような職種で受入れできますか?

技能実習で受け入れ可能な職種は多岐にわたりますが、制度を所管する厚生労働省は、技能実習で受入れ可能な職種及び作業を定めて公表しています。

現在は91職種・168作業が指定されており、農業、建設、食品製造、機械・金属、介護など幅広い分野が含まれます。

なお、技能実習は、1年目は比較的柔軟な職種で活用できますが、2年目以降は定められた職種のみ移行可能という運用であるため、1年間のみの実習であれば、この一覧に含まれない作業でも受け入れ可能な場合があります。

参考:厚生労働省|技能実習制度 対象職種・作業一覧

【2026年最新版】技能実習生を受け入れできる分野・職種・作業一覧

監理団体とは何ですか?

監理団体とは、技能実習の適正な実施と実習生の保護を目的として、受入れ企業に対する指導や監査、そして実習生の支援などを行う団体です。

具体的には、技能実習計画の作成指導、定期的な監査、実習現場への訪問指導などを通じて、制度に沿った運用を支援します。

多くの場合、事業協同組合や農業協同組合などの非営利組織が運営主体となっています。

企業は監理団体に加入し、組合構成員となることで技能実習生の受入れが可能となります。

なお、技能実習制度には監理団体を利用しない企業単独型技能実習という制度もありますが、これは海外子会社等から現地従業員を受入れて実習を行う目的の制度であるため、海外現地法人を持たない企業は基本的に監理団体を通じた団体監理型技能実習を利用することとなります。

【5分でわかる】監理団体とは?サポート内容や選び方のポイントを解説

技能実習機構とは何ですか?

外国人技能実習機構とは、技能実習法に基づき設立され、制度の適正な運用と実習生の保護を担う認可法人です。

その目的は、外国人が技能や技術、知識を修得・向上させることを支援し、人材育成を通じて開発途上地域等への技能移転による国際協力を進める点にあります。

具体的には、技能実習計画の認定、監理団体の許可申請の審査、実習実施者や監理団体への指導監督などを行っています。

外国人技能実習移行|外国人技能実習機構について

どの国から受入れできますか?

日本に在留する技能実習生の数は、令和7年6月末時点で449,432人と公表されています。

出身国の内訳は、在留者数が多い順にベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、中国となっています。

技能実習生は何年滞在できますか?

技能実習生の在留期間は原則3年間とされており、一定の条件を満たす場合には最長5年まで延長が可能です。

受入れ企業や監理団体が技能実習法令により定められた要件を満たし、実習生本人が所定の試験に合格する必要があります。

このような条件をクリアした場合に限り、技能実習3号として4年目・5年目の実習が認められます。

厚生労働省|技能実習制度の仕組み

技能実習計画とは何ですか?

技能実習計画とは、技能実習の内容や到達目標、実施方法などを定めた計画書で、事前に外国人技能実習機構の認定を受ける必要があります。

受入れ企業は認定を受けた実習計画どおりに実習を実施することが求められます。

企業に配属された後の1年目については、監理団体による月1回の訪問指導が行われ、計画に沿って実習が進んでいるか確認されます。

特定技能との違いについて教えてください

技能実習制度は、開発途上地域への技能や技術の移転を目的とした国際協力の制度です。

これに対して特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。

特定技能は実習ではなく労働に該当するため、在留する外国人は本人の意思で転職することが認められています。

ただし、転職にあたっては出入国在留管理庁の許可が必要となり、一定の手続きや制約があります。

技能実習と特定技能の違いとは?11のポイントを比較表で徹底解説

育成就労制度とは何ですか?

育成就労制度とは、現行の技能実習制度を発展的に解消する形で創設される新たな制度です。

この制度は、2027年から開始される予定とされており、日本の労働市場の実情を踏まえた仕組みへの転換が図られています。

従来の技術移転目的とは異なり、人手不足への対応と人材育成の両立を重視する点が特徴です。

育成就労制度とは|いつから始まる?技能実習との違いや転籍の条件を徹底解説

送出機関とは何ですか?

送出機関とは、技能実習生の出身国において候補者の募集や選抜を行い、日本へ送り出す役割を担う機関です。

その業務には、来日前の日本語教育や日本の生活習慣、制度の概要に関する事前教育の実施も含まれます。

原則として、技能実習制度における送出機関は、現地政府などから認定を受けた事業者でなければなりません。

送り出し機関とは?業務内容や費用、選び方のポイントを詳しく解説

実習生の日本語能力はどのくらいですか?

技能実習制度では、介護職種を除き、日本語能力に関する要件は設けられていません。

そのため、来日する実習生の日本語力には個人差があり、あいさつ程度からある程度の会話ができる水準まで幅があります。

職種により必要な日本語能力は異なるため、明確な要件は設定されていませんが、円滑に実習計画を進めるためには、面接などの際に実習生の日本語能力を確認しておくことが重要です。

なお、介護分野については、在留許可の要件として日本語能力試験N4以上が求められています。

入国前後の手続きに関する質問

入国までにどのくらいの期間がかかりますか?

技能実習生の受入れは、申込みから日本への入国、企業への配属までおよそ5〜8か月程度を要します。

その内訳には、現地での募集や選抜、入国前講習、技能実習計画の認定申請、在留資格認定証明書の交付審査などが含まれます。

ただし、書類準備や審査状況によっては、予定より入国時期が遅れる場合もあります。

また、入国前講習のスケジュールや出国手続きに要する期間は、送り出し国の制度や送出機関の体制によって異なります。

面接は海外現地で行う必要がありますか?

技能実習生の面接は、受入れ企業が現地に赴いて実施する方法と、オンラインで行う方法のいずれも可能です。

面接は実習生との相性や人柄を見極める重要な工程であり、直接会うことが望ましいとされていますが、渡航の負担も大きいため、最終的な実施方法は各企業の判断で決めることができます。

受け入れの費用はどのくらいかかりますか?

技能実習生の受入れにかかる費用は、加入する監理団体によって異なります。

監理団体が設定する手数料は実費相当額とされており、企業への配属までの初期費用として講習費や渡航費、在留資格申請関連費用などで50万円前後かかることが一般的です。

これに加えて、監査費や監理費、訪問指導費、在留資格更新費などの月額費用が、月4万円程度発生するケースが多いです。

技能実習生の受け入れ費用はいくら?初期費用や相場の内訳を詳しく解説

入国後講習とは何ですか?

入国後講習とは、技能実習生が日本に入国した後、企業に配属される前に受講する法定の講習です。

この講習は約1か月間、時間数にして160時間程度実施されることが定められています。

内容には、日本語、日本での生活ルール、関係法令の基礎、技能修得に資する座学などが含まれます。

宿舎(住居)は企業が手配する必要がありますか?

技能実習生の企業配属後の宿舎は、原則として受入れ企業の責任で手配する必要があります。

その際、寝室については1人当たり4.5平方メートル以上の広さを確保し、私有物を収納できる設備を設置するなどの基準があります。

家賃や共益費を実習生本人に負担させること自体は認められています。

ただし、敷金や礼金といった初期費用を実習生に負担させることは制度上認められていません。

技能実習生の住居に条件はある?設備基準や家賃控除の上限額も解説

実習生の社会保険加入について教えてください。

入国後講習の期間中は受入れ企業との雇用契約が成立していないため、技能実習生は国民健康保険に加入します。

その後、講習が終了して企業に配属される段階で、企業の健康保険へ切り替える手続きを行います。

労災保険や雇用保険についても、雇用契約の開始を前提として加入が必要となります。

このため、これらの保険は入国後講習が終わり、実際に就労を開始する時点で加入手続きを行います。

雇用契約に関する質問

給料を決定する上で知っておくべきルールはありますか?

技能実習生の給料を決める際は、日本の労働関係法令を遵守することが必要となるため、地域別最低賃金以上の水準を下回らない金額を支払う必要があります。

加えて、同じ技能や経験を有する日本人労働者と比べて、同等以上の報酬を設定しなければなりません。

ただし、資格の有無や経験年数といった合理的な理由に基づく差を設けること自体は認められています。

技能実習生の給与相場は?平均の手取り額や低賃金の実態も詳しく解説

技能実習生は転職できますか?

技能実習制度では、実習計画に基づいて特定の受入れ企業で技能を習得する仕組みとなっています。

そのため、原則として技能実習生が自由に転職することは認められていません。

一方で、受入れ企業の倒産や法令違反、ハラスメントなど、やむを得ない事情がある場合には転籍が認められることがあります。

雇用契約はいつから開始されますか?

技能実習生の雇用契約は、入国後講習を修了し、受入れ企業へ配属された時点から効力が生じます。

そのため、講習期間中は雇用関係が成立しておらず、企業が給与を支払う義務はありません。

ただし、講習中の生活に必要な食費や住居費に相当する費用については、企業側が負担する必要があります。

技能実習生の雇用契約を徹底解説 | 記入例や条件、作成時の注意点

実習生を一人で作業させることは可能ですか?

技能実習は、企業内で選任された技能実習指導員の指導の下で行うことが求められます。

そのため、実習生に対して単独で作業をさせる運用は認められておらず、常に適切な指導・監督体制を確保する必要があります。

解雇は可能ですか?

技能実習生であっても、日本人と同様に労働関係法令が適用されるため、不当な解雇は認められていません。

そのため、能力不足や一方的な都合のみを理由に解雇することは、原則としてできないとされています。

もっとも、重大な規律違反など正当な解雇事由がある場合には、解雇が認められる可能性もあります。

技能実習生を解雇する際のルールは?手順や注意点もわかりやすく解説!

福利厚生は日本人と同じ内容が必要ですか?

技能実習生であることを理由に、他の労働者と福利厚生の内容に差を設けることは、合理的な理由がない限り不当な取扱いとされるおそれがあります。

そのため、休暇の付与や社内施設の利用などについては、原則として日本人労働者と同等の条件を整える必要があります。

実習生が妊娠した場合はどうなりますか?

技能実習生についても、日本人労働者と同様に労働関係法令が適用され、妊娠や出産を理由とした不利益な取扱いは認められていません。

そのため、婚姻や妊娠、出産を理由に解雇したり、私生活の自由を不当に制限したりすることはできません。

産休・育休等の取得に際して、受入れ企業が不当な行為を行った場合には、技能実習計画の認定取消などの処分の対象となることがあります。

出入国在留管理庁|技能実習生の妊娠・出産について

技能実習生や特定技能外国人が結婚・妊娠・出産をした際に企業が取るべき対応について解説

在留資格に関する質問

入国した後は必ず3年は滞在できますか?

技能実習制度には1号・2号・3号の段階があり、入国後はまず1号として原則1年間の在留期間が付与されます。

その後、2年目に2号へ移行するためには、技能実習機構や出入国在留管理庁による審査を受ける必要があります。

この際、実習計画の実施不備がある場合や在留状況に問題がある場合には、移行が認められないこともあります。

実習生が失踪した場合、企業にペナルティはありますか?

技能実習生が失踪した場合でも、直ちに企業にペナルティが科されるわけではありません。

ただし、失踪の原因について企業側に責任があると判断された場合には、実習を適正に行わせる体制がないと評価されます。

その結果、当該企業は他の実習生を含めて技能実習の受け入れが停止される措置を受けることがあります。

出入国在留管理庁|技能実習生の失踪防止対策について

技能実習生が失踪する理由とは?企業側のペナルティや予防対策を解説

実習生は副業をすることが認められますか?

技能実習生は、認定を受けた技能実習計画に基づく活動のみが許されており、原則としてそれ以外の収入を得る行為はできません。

そのため、別の事業所で働くなどの副業は、入管法上の在留資格の範囲を超える活動と扱われます。

入管庁から資格外活動許可を受けた場合には副業が認められる余地もありますが、この許可が下りる可能性は極めて低く、実務上は副業は認められないと理解しておく必要があります。

技能実習が終わったら帰国せずに特定技能に移行できますか?

技能実習2号を良好に修了した者は、帰国せずに特定技能へ在留資格を変更することが可能です。

その際、同一の職種・業務区分であれば、特定技能評価試験および日本語試験はいずれも免除されます。

別の職種へ移行する場合には、特定技能評価試験への合格が必要となります。

ただし、この場合でも日本語能力試験については免除の対象とされています。

技能実習から技人国への変更は認められますか?

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした在留資格であるため、原則として他の在留資格への変更は認められていません。

そのため、「技術・人文知識・国際業務」など、いわゆる技人国への在留資格変更は制度上想定されていません。

例外的に特定技能については、一定の要件を満たすことで技能実習からの移行が認められています。

まとめ

本記事では、技能実習制度の基本的な仕組みから、受け入れまでの流れ、費用、宿舎や社会保険、雇用契約の開始時期、転籍や解雇の可否、在留資格の段階的な更新、特定技能への移行要件まで、企業側が押さえておくべき実務上のポイントをよくある質問形式で整理しました。

技能実習生の受入れを検討している企業は、まず自社が制度要件を満たしているか、疑問点があれば専門家や監理団体に相談してください。正確な理解と事前準備が、円滑な受け入れとトラブル防止につながります。

「外国人採用の窓口」が
あなたの採用活動をサポート!

外国人採用の窓口は
外国人採用に特化したBtoBマッチングサービスです。

日本全国 10,000社 を超える
監理団体・登録支援機関・外国人紹介会社を一括で検索し
簡単に比較・相談・検討することができます。

「外国人の採用方法が分からない」
「技能実習生や特定技能外国人の依頼先が分からない」
「監理団体や会社がたくさんあって探すのが大変」
「手続きや申請が複雑で自社では行えない」

といったお悩みのある方は
今すぐ無料相談ダイヤルまでお電話ください!

外国人採用の専門家が丁寧に対応させていただきます(全国対応)。

「外国人採用の窓口」にできるコト

・外国人採用のご相談
・監理団体のご紹介
・登録支援機関のご紹介
・外国人紹介会社のご紹介
・行政書士事務所のご紹介

ご利用料金

ご利用料金は完全無料です。
サイトのご利用から監理団体・登録支援機関等のご紹介まで
一切料金はかかりません。
安心してご利用くださいませ。

Copyright© 外国人採用の窓口 , 2026 All Rights Reserved Powered by STINGER.