外国人採用ガイド

【保存版】面接で本当の「日本語力」を見極めるには? | 元日本語教師が実体験から解説

【保存版】面接で本当の「日本語力」を見極めるには? | 元日本語教師が実体験から解説

この記事をご覧いただいている外国人採用のご担当者様は、これまでに外国人の「日本語力」について考えたことはありますか?また、すでに外国人を採用したことがある企業様の場合、社内共通言語は英語でしょうか?日本語でしょうか?

技能実習生や特定技能外国人の受入れをお考えの企業様は、ほとんどの場合、日本語でコミュニケーションを取ることかと思います。

皆様の会社では、外国人社員に対してどの程度の日本語レベルを望んでいますか?
希望する日本語レベルの人材を採用し、業務に支障が出ないようにするためには、面接時にしっかりと日本語力を確認する必要があります。

それでは、その「日本語力」はどのように把握すればよいのでしょうか?

候補者の日本語力を知る最初の場が面接です。

この記事では、面接で最低限おさえたい日本語力と立ち振る舞いについてお伝えします。

ポイントをおさえて、面接でしっかりと日本語力を確かめましょう!

 

 

この記事を書いた人
ライターネーム
megmyanmar
延べ9か国4,000人の外国人に日本語指導経験ありの元日本語教師。海外送り出し機関での就業経験あり。面接立ち合いから入国前後のフォローなども行う。2021年日本へ帰国し再就職。現役人事。夫は外国人。

日本語学習期間は実は参考にならない⁉

学習期間は参考程度に聞きましょう

外国人採用のご担当者様は、何を基準に「この候補者は日本語が上手だ」や「あの候補者はあまり日本語が上手でなかった」と判断しますか?

まず面接が始まったらすべての候補者に対して、「どの程度の期間、日本語を学習したのか」を確認するようにしましょう。この回答は、期間が長ければいいというものでもありません。

日本語力の習熟度は送り出し機関の教育レベルに大きく左右されます。そのため、学習期間が長くても必要なレベルに達していない候補者は多く存在します

この記事を書いている筆者は海外の送り出し機関での就業経験があり、これまでに複数国の送り出し機関に訪問し、現地の指導を見てきました。正直、信じられないような指導方法をとっているような送り出し機関も数多く存在しますし、現地の日本語教師が指導できるようなレベルに達していないようなところも存在します。

しかし、日本人の日本語教師がいれば良いとも言い切れないのも問題の一つです。

なぜなら、海外の送り出し機関では日本語教師になる資格や条件が必要ないからです。

日本国内で日本語教師として働くには、資格や学歴などの条件をクリアする必要がありますが、海外ではその条件が必要ありません。そのため、「資格がない日本人」が指導しているというような送り出し機関も数多く存在します。日本国内より日本語教師になる要件が甘いため、このようなことが起きてしまいます。「送り出し機関に日本人教師が在籍している=質の高い教育をしている」とは限りません。学習期間の長さだけで判断せず、しっかりと面接した上で見極めていきましょう!

面接で日本語力を確認するには?

質問の仕方と具体例

日本語教師が同席していればベストですが、難しい場合は以下のポイントに注意して質問をします。

質問は簡単なものから徐々に難しくする

序盤は候補者が教科書で学習したであろう日本語力を確認します。送り出し機関によって使用しているテキストは違いますが、それでも概ね日本語学習において学ぶ文型や語彙の順番は同じです。下記に例文を記載しますので、一文字も変えることなくそのまま面接で使ってみてください(下に行くほど難易度が上がっています)。※一文字でも変えると難易度が変わってしまう場合があります。

【例文紹介】
・どうやって日本へ行きますか?
・どうして日本に行きたいですか?
・どのくらい日本で働きたいですか?
・病気の時、どうしますか?
・あなたの部屋にどんな絵が飾ってありますか?
・部長から仕事を頼まれたらどうしますか?
・あなたが先生なら生徒をアメリカに行かせますか?

候補者によって学習期間が異なりますので、これらの質問に全部答えられなくても問題はありません。あくまで参考ですが、学習期間が3ヵ月程度の場合、しっかりと回答できるのは上から3つ目まで、良くても4つ目までです。学習期間が半年程度あれば全て回答できるでしょう。

※ここでの「回答できる」の意味は「語彙も文法も意味を理解し、聞き取りができる」という意味です。

候補者が学習したであろう語彙・文法を使う

学習してきた日本語力が身についているかどうかを確認するには、言い回しや表現にも気を付けなければなりません。

・それ、あそこに置いておいてください
・それ、あそこに置いておいて
・それ、あそこに置いといて

どれも同じ内容の指示ですが、実は候補者にとっては難易度が大きく変わります。

ちなみに、3つ目の「それ、あそこに置いといて」の表現が一番難しく、この表現方法は初級では習いません。テキスト上だけで言えば、ほとんどの候補者が理解できない初中級レベルです。そのため、「学んできた日本語力の確認」をするならテキスト通りに表現しなければなりません。さらに細かく日本語力の習得を見極めたい、といった企業様であれば日本語教師に判断してもらうことをおすすめします。しかし、日本語教師が面接に同席していない企業様がほとんどかと思いますので、その時は通訳者や送り出し機関職員に質問内容や表現方法を相談し、曖昧なイメージだけで日本語力の判断をしないようにしましょう。

通訳者に求めることを決めておこう

上記で質問例をいくつか提示しましたが、これ以外にも聞きたいことはたくさんあると思います。

そこで重要になってくるのが通訳者です。基本的に、面接には送り出し機関の現地通訳者が同席しています。

・正確な回答が欲しいから質問は全て通訳してほしい
・コミュニケーション力を測りたいからできるだけ通訳はしないでほしい
・2回質問するから、回答できなかった時だけ通訳してほしい

このように、企業様によって面接で確認したいことは様々かと思います。何を知りたいのか、どの程度細かい情報を得たいのかなど、面接開始前にあらかじめ通訳者・送り出し機関と確認しておきましょう

▼面接時に確認したい質問内容については以下の記事をご参照ください▼

【採用担当者必見】 元送り出し機関職員が語る、外国人面接の心得!|現地面接・Web面接のメリット&デメリットも

自社が求める日本語力をイメージしておこう

外国人の日本語レベルを測るための検定試験はいくつか種類がありますが、代表的なもので、日本語能力試験(JLPT)という試験があります。N5~N1までの5段階のレベルがあり、N1が最も難易度が高い認定です。送り出し機関によっては、受け入れ企業の希望に関係なく、候補者にはN4の取得を必須としているところもあります。

  • 漢字は書けなくてもいいから会話ができればいい
  • レポートを書く機会もあるのでバランスの良い読み書き能力が必要

など、大体で構いませんので自社がどの程度の日本語力を望んでいるかは社内で共通の認識を持っておきましょう。なお、日本語能力試験にスピーキングとライティングはありません。つまり4技能(話す・書く・読む・聞く)のうち、「話す」「書く」の試験内容がありません。試験結果と会話力は一致するとは限りませんのでご注意ください。

”立振る舞い”が大切な理由って?

「知ったかぶり」は見逃してはいけないポイント

面接では日本語力だけでなく立振る舞いもチェックしましょう。

この立振る舞い、実はかなり大事です。

これも筆者の実体験ですが、多くの送り出し機関は、正しい文法や語彙の習得を最大の目標としてテキストに沿った日本語指導をメインにすることがほとんどです。しかし、実際に日本で業務が開始された時に最も大事なことは、正しい文法の日本語の習得ではなく、自分の身の安全を守れるか、わからないことを素直に聞き返せるかといった立振る舞いなのです。

面接で自分を良く見せたいのは当然です。質問に対して素直に「わかりません」と言えない、もしくは、正確に理解していないのに「はい」と回答してしまう候補者も多くいます。面接では、候補者が理解できなかった質問に対して、「すみません、もう一度お願いします」と言えるかも確認しましょう。「●●はなんですか」や「●●は▲▲という意味ですか」といったオウム返しで確認できる候補者はかなり優秀です。このような聞き返しを多くの候補者ができるのであれば、その送り出し機関は「指示行動訓練」をしっかり指導しているという意味でもあります。

質問が理解できなかった時の候補者の様子も大事なチェックポイントです!

この立ち振る舞いを確認する方法はとても簡単です。どんなことでも構いませんのでわざと早口で話したり難しい質問をしたりするだけです。

  • 日本の人口増減について、あなたの意見をお聞かせ願いたいです
  • 持病はないですか?(あるorないと回答が来たら次に「持病の意味はなんですか?教えてください」と更に質問をする)

このように難しい言い回しなどで候補者の反応を見ましょう!

お互いに「ミスマッチの無いご縁」にするために

筆者は、海外の送り出し機関で日本語教育に携わり、日本国内でも指導をしてきました。

日本国内の企業様から「なぜこんなに日本語ができないのか」と送り出し機関に問い合わせが来たことがありましたが、その実習生は学習期間に対して相応かそれ以上に日本語を習得できていました。

このように、日本語教師からの視点と企業様からの視点は違うことがあります。日本語教師は、日本語力を文法や語彙等の根拠に基づいて判断しますが、そうでない方にとっての判断は、聞いた時の感覚や情意になります。ある程度のレベルの日本語力を求めている企業様は、日本語教師に相談する、もしくは面接での同席をおすすめします!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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