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ワーキングホリデーの外国人を雇用したい!雇用形態や日本で働くための条件を紹介

ワーキングホリデーの外国人を雇用したい!雇用形態や日本で働くための条件を紹介

ワーキングホリデーの外国人を雇用したいと考えても「本当に働けるのか」「手続きは難しくないか」と不安に感じる方もいるでしょう。

制度の仕組みやルールを十分に理解しないまま採用を進めると、在留資格の確認漏れや雇用管理上のトラブルにつながるおそれがあります。

この記事では、ワーキングホリデー制度の概要から雇用形態、採用の流れ、注意点までを分かりやすく解説します。

この記事の監修
山根 謙生

日本人・外国人含め全国で「300社・5,000件」以上の採用支援実績を持つ人材採用コンサルタント。監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用にも取り組んでいる。外国人雇用労務士、外国人雇用管理主任者資格、採用定着士認定保有。(一社)外国人雇用協議会所属。

ワーキングホリデーとは?

ワーキングホリデーの外国人を雇用したい!雇用形態や日本で働くための条件を紹介①

ワーキングホリデー(通称「ワーホリ」)とは、日本と相手国・地域との二国間の取り決めに基づき、若者が主として休暇を過ごす目的で一定期間滞在しながら、旅行・滞在資金を補うための付随的な就労が認められる制度です。

日本では、在留資格「特定活動」の一類型として扱われています。

滞在中は、生活費を補う範囲で就労も認められており、働きながら日本での生活や文化を体験できる点が特徴です。

ただし、ワーキングホリデーはあくまで休暇を主目的とする制度であり、就労は付随的に認められるものです。

企業が雇用する際は、通常の就労ビザとは制度趣旨が異なることを踏まえ、在留資格や在留期間を確認したうえで、適切な業務内容や雇用形態を検討することが重要です。

なお、日本は2026年2月1日時点で、31カ国・地域とワーキングホリデー制度を導入しています。

導入国は以下のとおりです(2026年2月1日時点)。

区分 対象国
アジア圏 韓国、台湾、香港
オセアニア地域 オーストラリア、ニュージーランド
北米・南米エリア カナダ、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ
欧州(ヨーロッパ) フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、スペイン、アイスランド、チェコ、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、フィンランド、ラトビア、ルクセンブルク、オーストリア、マルタ

参考:外務省「ワーキング・ホリデー制度

オーストラリア、カナダ、韓国、アイルランドは、原則18歳以上25歳以下とされつつ、当局が認める場合は30歳以下まで申請できます。

ワーキングホリデーの外国人を雇用するメリット

ワーキングホリデーの外国人を雇用したい!雇用形態や日本で働くための条件を紹介②

ワーキングホリデー人材の雇用は、他の在留資格と比べて就労に関する制約が比較的少なく、短期から柔軟に活用できる点が特徴です。

人手不足の解消に加え、語学対応や社内の国際化にもつながるため、観光業やサービス業を中心に導入が進んでいます。

ここでは、企業側にとっての主なメリットを解説します。

1. 職種制限がなく採用しやすい

ワーキングホリデーは、他の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)と比べて就労内容に関する制約が比較的少なく、風俗営業など一部の業務を除き幅広い職種で就労が可能です。

なお、留学生には週28時間の就労制限がありますが、ワーキングホリデーにはこのような時間制限はありません。

そのため、より柔軟なシフト調整が可能な点もワーキングホリデー人材の採用メリットといえます。

2. 語学力を活かして訪日客対応に貢献できる

ワーキングホリデーで来日する外国人の多くは、一定の語学力や異文化理解を備えた人材も多く、接客業において即戦力としての活躍が期待できます。

特に台湾や韓国など、日本語に比較的親しみのある国・地域からの人材は、飲食店や宿泊施設でも円滑に業務に対応できるケースが見られます。

さらに、英語や中国語、韓国語など多言語対応が観光地や宿泊施設などでは、観光客への対応力の向上につながるでしょう。

訪日外国人の増加が続く中で、こうした語学対応力は企業の競争力強化にも寄与する要素となります。

3. 繁忙期に合わせた短期雇用がしやすい

ワーキングホリデーは原則として最長1年間の滞在が可能であり、短期雇用との相性が良い制度です。

スキー場やリゾート施設、観光地シーズンに需要が集中する業界では、繁忙期に合わせて人材を確保しやすく、効率的な人員運用の実現につながる可能性があります。

また、必要な期間に応じて雇用しやすいことから、人件費の最適化や企業側の負担軽減につながる点もメリットです。

外国人本人にとっても短期間で働きながら日本文化を体験できる機会となるため、双方にとってメリットのある雇用形態といえるでしょう。

ワーキングホリデーの外国人を雇用した場合の雇用形態は?

ワーキングホリデーの外国人を雇用したい!雇用形態や日本で働くための条件を紹介③

ワーキングホリデーで来日する外国人の雇用形態は、アルバイトやパートなどの非正規雇用が一般的です。

ワーキングホリデーは最長1年の滞在を前提とした制度であり、比較的短期間での就労が中心となるため、柔軟に働ける雇用形態が選ばれる傾向にあります。

そのため、多くの企業では繁忙期の人手不足を補う目的で、柔軟に働けるアルバイトとして受け入れるケースが多くみられます。

一方、ワーキングホリデーの在留資格であっても、雇用形態自体に制限はないため、正社員として雇用することも可能です。

ただし、ワーキングホリデーはあくまで一定期間の滞在を前提とした在留資格です。

期間終了後も継続して雇用する場合には「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへ変更する必要があります。

なお、ワーキングホリデーでは風俗営業など一部の業務を除き、幅広い業務に従事することが可能です。

ただし、就労ビザへ変更する場合は業務内容に専門性が求められるほか、日本人と同等以上の報酬水準などの条件を満たす必要があります。

ワーキングホリデーの外国人が日本で働くための条件

ワーキングホリデーで日本に滞在し働くためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

制度はあくまで「休暇」を主目的としており、就労は生活費を補うために付随的に認められるものです。主な条件は以下のとおりです。

  • 日本と協定を結んでいる国・地域の国民であること
  • 申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(国・地域により異なる場合あり)
  • 主な目的が観光・休暇であること
  • 子どもなどの扶養家族を同伴しないこと
  • 有効なパスポートを保有していること
  • 帰国用の航空券、またはそれを購入できる資金を有していること
  • 滞在初期の生活費をまかなえる資金を有していること
  • 健康状態が良好であること
  • 過去にワーキングホリデービザの発給を受けていないこと(例外あり)

参考:外務省「2 ワーキング・ホリデー・査証(ビザ)発給要件」

なお、近年は制度の見直しにより、一部の国・地域では複数回の参加が認められるケースもあります。

適用条件は国ごとに異なるため、最新の情報を確認することが重要です。

ワーキングホリデーの外国人を雇用する際の流れ

ワーキングホリデーの人材を雇用する際は、日本人の採用とは異なり、在留資格の確認や届出など特有の手続きが必要です。

あらかじめ流れを把握しておくことで、法令違反やトラブルを防ぎ、スムーズな受け入れにつながります。

ここでは、企業側が押さえておきたい基本的な手順を解説します。

在留資格(ビザ)を確認する

最初に行うのが、在留資格(ビザ)の確認です。

ワーキングホリデーは在留資格「特定活動」に該当し、旅行・滞在資金を補うための付随的な就労が認められているのは前述のとおりです。

また、在留カードやパスポートに添付された指定書を確認し「特定活動(ワーキングホリデー)」として適切に滞在しているか、在留期限が切れていないかをチェックする必要があります。

なお、ワーキングホリデーの査証は、本人が自国の日本大使館や総領事館などを通じて取得するものであり、企業側が申請を行うことはありません。

雇用契約を締結する

在留資格に問題がないことを確認した後は、雇用契約を締結します。

外国人であっても、日本人と同様に労働基準法が適用されるため、賃金や労働時間、業務内容などの労働条件を明記した契約書を作成する必要があります。

特に、外国人の場合は言語の違いによる認識のズレが生じやすいため、できるだけ分かりやすい表現を用い、必要に応じて英語や母国語での説明を行うことが重要です。

手続きを怠ると後のトラブルや法的リスクにつながる可能性があるため、不安がある場合は社会保険労務士など専門家への相談を検討するとよいでしょう。

外国人雇用状況を届け出る

採用後は、外国人雇用状況の届出をハローワークへ提出する必要があります。

これは外国人労働者を雇用したすべての企業に義務付けられている手続きであり、採用時だけでなく離職時にも提出が必要です。

届出を怠った場合は行政指導の対象となる可能性があるため、忘れずに対応することが重要です。

こうした手続きを適切に行うことで、法令を遵守しながら安定した外国人雇用を実現できます。

ワーキングホリデーの外国人を雇用する際の注意点

ワーキングホリデーの外国人を雇用したい!雇用形態や日本で働くための条件を紹介④

ワーキングホリデーの人材は柔軟に雇用できる一方、在留資格や税務、社会保険の取り扱いなど、日本人雇用とは異なる注意点があります。

これらを正しく理解していないと、不法就労や手続き漏れといったリスクにつながる可能性があります。

ここでは、企業が押さえておくべき重要なポイントを解説します。

1.在留資格と滞在期間を確認する

ワーキングホリデーは就労が認められている在留資格ですが、あくまで休暇を主目的とした制度であるため、風俗営業など一部の業種では就労できません。

雇用前に、業務内容が制度の範囲内であるかを必ず確認しましょう。

また、滞在期間は最長1年と定められており、期限を超えて就労させた場合は不法就労と判断されるリスクがあります。

そのため、採用時だけでなく、雇用期間中も在留期限を継続的に管理することが重要です。

2. 非居住者としての課税ルールを理解する

ワーキングホリデーで来日している外国人は、滞在期間や生活実態によっては「非居住者」として扱われる場合があります。

この場合、給与所得に対しては20.42%の所得税が源泉徴収される仕組みです。

ただし、滞在期間や生活の本拠の状況によっては「居住者」として扱われ、日本人と同様の累進課税が適用されるケースもあります。

課税区分によって税率や手続きが異なるため、個々の状況に応じて判断することが重要です。

3. 社会保険の適用条件を把握する

外国人を雇用する場合でも、社会保険の基本的な考え方は日本人と同様であり、加入の有無は国籍ではなく、労働時間や雇用期間などの条件によって判断されます。

まず、労災保険は雇用形態を問わず適用され、ワーキングホリデー人材であっても原則として対象となります。

雇用保険についても、週20時間以上の勤務が見込まれ、31日以上の雇用見込みがある場合には加入対象となります。

また、健康保険や厚生年金については、一定の労働時間や雇用条件を満たす場合に加入が必要となります。

さらに、日本と母国との間で社会保障協定が締結されている場合には、二重加入を防ぐために適用除外となるケースもあります。

制度ごとの違いを正しく理解し、適切に手続きを行うことが求められます。

ワーキングホリデーの外国人雇用ついてよくある質問

ワーキングホリデー人材の雇用に関しては、「就労時間の制限」や「年金の扱い」など、日本人雇用とは異なる点に疑問を持つ企業も少なくありません。

ここでは、実務でよくある質問を中心に分かりやすく解説します。

Q. ワーキングホリデーの外国人が週28時間を超えて働いたら違法になりますか?

A.違法にはなりません。ワーキングホリデーは「特定活動」の在留資格であり、留学生のような週28時間以内といった就労制限は設けられていません。

そのため、日本人と同様に労働基準法の範囲内で、1日8時間・週40時間のフルタイム勤務も可能です。

「外国人のアルバイト=週28時間以内」という認識は、資格外活動許可で働く留学生や家族滞在者に該当するルールであり、ワーキングホリデーには当てはまりません。

ただし、国によっては就労期間に制限がある場合もあるため、採用時には在留カードや指定書の内容を確認することが重要です。

Q. 国民年金は外国人のワーホリ期間中でも払う必要がありますか?

A.はい、日本に居住する20歳以上の人は、外国人であっても国民年金(または厚生年金)への加入義務があります。

ワーキングホリデーで滞在している場合も対象となる点に注意が必要です。

一方で、多くのワーキングホリデー人材は日本での前年所得がないため、市区町村に申請することで保険料の免除や納付猶予が認められるケースが一般的です。

企業側としても、こうした制度を案内することで、生活面の不安を軽減し、就業の安定につなげることができます。

Q. ワーホリ期間が終わった後、そのまま「就労ビザ」へ切り替えることはできますか?

はい、多くの場合は日本国内で就労ビザへ変更することが可能です。

本人が学歴や職務内容の要件を満たしていれば、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に切り替え、正社員として継続雇用することもできます。

ただし、イギリスやフランス、台湾など一部の国との協定では、ワーキングホリデー終了後に一度帰国することが前提とされており、個別の事情によっては日本国内での在留資格変更が認められないケースがあります。

その場合は、一度本国へ帰国したうえで、在留資格認定証明書(COE)を取得し、改めて来日する手続きが必要となることがあります。

国籍や状況によって取り扱いが異なるため、事前に確認することが重要です。                  

まとめ

ワーキングホリデー人材の雇用は、採用のしやすさや語学対応、短期雇用の柔軟性といったメリットがある一方で、在留資格や税務、社会保険など特有の注意点も存在します。

制度の仕組みやルールを正しく理解し、在留資格の確認や各種手続きを適切に行うことで、リスクを抑えながら効果的に人材を活用することが可能です。

自社の人手不足や業務内容に合わせて、無理のない形で導入を検討することが重要です。

この記事の監修
山根 謙生

日本人・外国人含め全国で「300社・5,000件」以上の採用支援実績を持つ人材採用コンサルタント。監理団体(兼 登録支援機関)に所属し、技能実習生・特定技能外国人の採用にも取り組んでいる。外国人雇用労務士、外国人雇用管理主任者資格、採用定着士認定保有。(一社)外国人雇用協議会所属。

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