外国人採用を検討する際、
「在留カードとは何を確認するための書類なのか」
「どこを見れば就労できる人材か判断できるのか」
と迷うことはありませんか。
在留カードは、日本に中長期間在留する外国人に交付される重要な身分証であり、採用時の確認不足は企業側のリスクにもつながります。
本記事では、在留カードの基本的な役割や主な記載事項、様式変更と特定在留カードの概要を整理したうえで、外国人を採用する際に確認すべき在留資格の種類、資格外活動許可、在留期間満了日、偽造カードの見分け方までわかりやすく解説します。
INDEX
在留カードとは日本に住む外国人に交付される身分証のこと
在留カードとは、日本に中長期間在留する外国人に対し、上陸許可や在留資格の変更許可、在留期間の更新許可などに伴って交付されるカードです。
在留カードは外国人が適法に日本へ在留していることを示す証明書であり、氏名や住所、在留資格、就労の可否などを確認できる身分証でもあります。
たとえば、日本人が運転免許証を本人確認書類として使う場面があるように、在留カードも外国人本人の身分や在留に関する情報を確認するための重要な書類といえます。
なお、在留カードが交付されるのは3か月を超える在留期間を持つ中長期在留者であり、短期滞在者や3か月以下の在留期間で在留する外国人には交付されません。
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在留カードの基本概要 |
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| 役割 | 身分証明書、在留許可証 |
| 交付対象者 | 3カ月を超えて日本に在留する外国人 ※「外交」「公用」「特別永住者」「短期滞在」などを除く |
| 交付のタイミング | 上陸許可時、在留期間更新許可時、在留資格変更許可時など |
| 記載事項 | 「氏名・住所等の身分事項」 「在留資格の種類・在留期間満了日等の許可内容」 「在留カード番号等の識別情報」など |
| 在留カードの種類 | ・旧様式の在留カード ・新様式の在留カード(2026年6月14日以降交付分) ・特定在留カード(マイナンバーカード一体式) |
在留カードの主な記載事項
外国人を採用する際は、その外国人が日本でどのような業務を行うことができるのか、事前に把握することが重要です。
ここでは、在留カードから読み取れる情報について解説します。


本人の身分事項
在留カードは顔写真付きのカードであり、本人確認を行う際には、カードの写真と本人が一致しているかを確認することが重要です。
券面には、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地など、外国人本人の身分を示す情報が記載されています。
新規入国後に住居地を届け出た場合や国内在留者が住所を変更した場合は、市区町村での手続きを経て、裏面に最新の住居地が記載されます。
なお、在留カードの氏名はローマ字表記が原則ですが、中国や韓国の方など漢字氏名を使用する場合は、手続きによりローマ字氏名に加えて漢字を併記する申し出を行うことが可能です。
許可を受けた在留資格の情報
在留カードには、外国人が日本でどの在留資格を持って滞在しているか、いつまで在留できるか、就労に制限があるかといった情報が記載されています。
具体的には、在留資格の種類、在留期間(1年・3年・5年など)、在留期間の満了日、就労制限の有無などを確認できるため、外国人採用の場面では特に重要な確認項目です。
加えて、カードには在留に関する許可の種別や許可年月日なども記載され、上陸許可、在留資格変更許可、在留期間更新許可など、どの手続きに伴って交付されたものかを把握する手がかりになります。
また、本来の在留資格では認められていない就労活動を行う場合には資格外活動許可が必要となり、許可を受けているときは裏面の資格外活動許可欄に内容が記載されます。
在留カードの識別情報など
在留カードには、在留カード番号、交付年月日、在留カードの有効期間の満了日など、カードそのものに関する情報が記載されています。
具体的には、在留カード番号は、在留カード等番号失効情報照会などでカードが失効していないか確認する際にも使用される重要な番号です。
在留カードの有効期限は、多くの場合は在留期間の満了日までですが、永住者や高度専門職2号のように在留期間の定めがない在留資格では、16歳以上の場合、交付の日から7年間がカードの有効期限とされています。
在留カードの様式変更と特定在留カード
2026年6月14日以降に発行される在留カードは新しい様式となり、従来の在留カードとは券面上で確認できる項目に一部違いがあります。
これにあわせて、希望する外国人については、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚にまとめた特定在留カードの制度も導入されます。
新様式の在留カードや特定在留カードでは、1年・3年・5年などの在留期間、許可の種類、許可年月日、交付年月日が券面には表示されません。
そのため、これらの情報を確認したい場合は、カード表面だけで判断せず、ICチップに記録された情報の確認が必要になる点に注意しましょう。


画像引用元:出入国在留管理庁|特定在留カード交付申請について
外国人を採用する際に確認すべきポイント
外国人を採用する際は、許可を受けている在留資格の種類や在留期間などが自社の業務に対応しているのか事前に確認する必要があります。
ここからは、採用時に確認すべきポイントを解説します。
在留資格の種類
外国人を採用する際は、在留カード表面の在留資格欄を確認し、予定する業務に従事できる資格かを判断する必要があります。
たとえば、介護職員の採用の場合、在留資格「介護」「永住者」「定住者」などの在留資格を保有していることが確認できれば入管法上は介護業務に従事しても問題ないと判断できます。
※初任者研修の修了など業種ごとのルールによる制限はあります。
在留資格を確認した結果、現在の在留資格のままでは自社の業務に従事できないときは、採用前に在留資格変更許可を受けることができるか検討しましょう。
特定技能や特定活動の場合は指定書も確認する
在留資格が「特定技能」「特定活動」「高度専門職」の場合は、在留カードの記載だけでなく、指定書の内容も確認する必要があります。
これらの在留資格では、法務大臣が個別に指定した活動内容や就労できる範囲が指定書に記載されているためです。
通常、指定書はパスポートに貼付されていますが、オンライン申請で許可を受けた場合には、パスポートとは別の書類として交付されることがあります。
そのため、採用予定者がこれらの在留資格を持っている場合は、在留カードの就労制限欄とあわせて指定書を確認し、自社で予定している業務に従事できるかを判断することが大切です。
資格外活動許可の有無
留学生や家族滞在者をアルバイトとして採用する場合は、在留カード表面だけでなく、裏面の資格外活動許可欄まで確認する必要があります。
たとえば、在留資格「留学」や「家族滞在」は、在留カード表面の就労制限の有無に「就労不可」と記載されるのが通常です。
ただし、資格外活動許可を受けている場合は、在留カード裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」といった内容が記載され、アルバイトを行うことが可能です。
留学生や家族滞在者の採用時には許可の有無だけでなく、勤務可能な時間を適切に管理し、許可された範囲を超えないようにすることが大切です。
在留期間の満了日
在留期間の満了日は、外国人が現在の在留資格で日本に在留できる期限を示すため、採用時には必ず確認しておく必要があります。
満了日を過ぎると現在の在留資格に基づく活動を続けられなくなるため、企業側でも期限管理を行うことが重要です。
また、転職者を採用する際に在留資格変更許可申請が必要となる場合は、満了日前に申請できるよう、採用段階から自社で用意すべき書類を確認しておくことが大切です。
在留資格の変更なしで採用できる場合でも、採用後すぐに更新時期が到来する場合は、申請時に自社の情報や添付書類をスムーズに渡せるように準備しておきましょう。
在留カード携帯と管理の基本ルール
在留カードは、採用判断にも重要な書類ですが、外国人本人が日常的に使う大切な証明書です。
ここでは、外国人本人の在留カード携帯義務と企業側の確認・管理についての考え方を解説します。
中長期在留者には在留カード携帯義務がある
中長期在留者には、在留カードを常に携帯し、入国審査官、入国警備官、警察官などから提示を求められたときは応じる義務があります。
中長期在留者とは、3カ月を超えて日本に在留する外国人のうち、外交、公用、短期滞在、特別永住者などを除く外国人のことをいいます。
在留カードを携帯していない場合は20万円以下の罰金、提示に応じない場合は1年以下の懲役または20万円以下の罰金の対象となることがあります。
なお、実務上は在留諸申請やその他のやむを得ない理由により一時的に在留カードがない状態で在留することもありますが、そのような場合は在留カードの表裏を印刷したコピーなどを持ち歩くようにすると無用なトラブルを避けることができます。
在留カードの不当な取り上げや管理は禁止されている
在留カードは中長期在留者本人に常時携帯義務がある書類であるため、企業が原本を預かったまま管理することは認められません。
そのため、採用時や在留期限の管理に必要な確認を行う場合でも、原本を確認した後は速やかに本人へ返却することが大切です。
一方で、企業側は就労可否や在留期間を常に把握しておく管理責任があるため、採用する場合は原本確認を行ったうえで、在留カードの写しを保管しておくとよいでしょう。
在留カードの確認は必要なタイミングで適切に行う
厚生労働省は、国籍などを理由とする就職差別につながらないよう、採用選考時は在留カードの提示を求めるのではなく、在留資格や資格外活動許可の有無を口頭または書面で確認し、採用内定後に在留カードで確認する配慮が必要としています。
一方で、企業は外国人を雇用する際に就労できる人材かを確認する必要があり、確認不足のまま就労資格のない外国人を働かせると、不法就労助長罪に問われる可能性があります。
たとえば、永住者など在留カードに「就労制限なし」と記載される人は、日本人と同じように就労内容の制限なく雇用できるため、採用決定後の原本確認でも実務上大きな支障が生じにくい場合があります。
これに対して、就労系の在留資格では、自社業務に従事できるか、在留資格変更が必要かを採用前に検討する必要があるため、差別防止への配慮と不法就労防止の観点を踏まえながらも、確認方法や時期を状況に応じて適切に判断することが大切です。
在留カード偽造の見分け方
採用時には在留カードを確認することが重要ですが、偽造在留カードが出回ることもあり、カードの提示だけで安心とはいえません。
そのため、面接時や採用手続きでは、本人確認と記載内容の整合性を確認します。
また、公的な照会等を活用することで、確認の精度を上げることもできます。
記載事項に矛盾がないか確認する
偽造を見分ける一番の方法は、在留カードの氏名や顔写真を見て、提示者本人のものかを確認し、実際に話しをする中で内容に矛盾が生じていないかを確認する方法です。
具体的には、在留資格、就労制限の有無、在留期間の満了日、裏面の資格外活動許可欄などを見比べ、内容に不自然な点がないかを確認します。
たとえば、在留カード券面上の許可種別が「上陸許可」となっている場合は記載の許可年月日が日本に上陸した日であり、「更新許可」となっている場合は記載の許可年月日以前から同じ許可を受けて在留していたことがわかります。
「変更許可」となっている場合は許可年月日以前に別の在留資格や活動内容の指定を受けて日本に在留していたということになります。
このように在留カードに記載されている情報には表面上の許可種別だけではなく、過去の在留歴に関する情報も含まれています。
それらの情報を読み取りながら在留カード記載内容と本人の説明に矛盾がないかを確認することでカードの偽造をある程度見抜くことが可能です。
ホログラムや透かし文字を確認する
在留カードには偽変造を防ぐための加工が施されているため、目視確認では券面の表示だけでなく、カードを動かしたときの見え方も確認します。
具体的には、「MOJ」の透かし文字が入っているか、カードを傾けたときに左端部分の色が変化するかなどを確認する方法があります。
ただし、外観だけで偽造の有無を完全に判断することは難しいため、目視確認はあくまで複数の確認方法のひとつとして位置づけることが大切です。

画像引用元:出入国在留管理庁|「在留カード」及び「特別永住者証明書」の見方
在留カード等番号失効情報照会を活用する
在留カード等番号失効情報照会は、出入国在留管理庁が提供している確認方法のひとつです。
具体的には、在留カード番号と在留期間の満了日などを入力することで、その番号が失効していないかを確認できます。
ただし、この照会はカード番号の失効状況を確認する仕組みであり、有効なカードの番号などを悪用した偽造カードまで必ず見抜けるものではありません。
そのため、照会結果だけで判断せず、券面の記載、本人確認、ICチップの確認などと組み合わせて確認することが大切です。
出入国在留管理庁|在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ
在留カード等読取アプリケーション
在留カード等読取アプリケーションは、在留カードなどのICチップに記録された氏名や顔写真などの情報を読み取るためのアプリです。
具体的には、読み取った情報とカード券面の内容を見比べることで、偽変造の有無を確認しやすくなります。
利用時には本人の同意を得たうえでカードの提示を受ける必要があり、通常の本人確認と同じく適切な手順で行うことが大切です。
先述の在留カード等番号失効情報照会も併用し、カードの有効性を多面的に確認しましょう。
出入国在留管理庁|在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ
まとめ
この記事では、在留カードの基本的な役割、記載事項、2026年6月14日以降の新様式や特定在留カード、外国人採用時に確認すべき在留資格・資格外活動許可・在留期間満了日などを解説しました。
あわせて、在留カードの携帯義務や企業側の管理上の注意点、偽造カードを見分けるための確認方法も紹介しています。
外国人を採用する企業は、本人の説明だけで判断せず、在留カードや指定書などの書類を適切なタイミングで確認することが大切です。
採用前後の確認体制を整え、就労可否や在留期限を継続的に管理することで、不法就労や期限管理漏れのリスクを防ぎやすくなります。
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