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特定技能の定期届出(定期報告)と随時届出の概要と実施時期について解説

特定技能の定期届出(定期報告)と随時届出の概要と実施時期について解説

特定技能外国人を雇用しているものの、

「定期届出はいつまでに何を提出すればよいのか」
「どのような変更が随時届出の対象になるのか」

とお悩みではありませんか。

特定技能所属機関には、受入れ状況などを定期的に報告する手続きと、一定の事由が生じた際に行う届出があり、それぞれ提出時期や必要書類が異なります。

本記事では、特定技能の定期届出(定期報告)と随時届出の違いをはじめ、提出時期や提出方法、必要書類、届出が必要となる主なケースをわかりやすく解説します。

制度変更後のルールも踏まえ、企業が届出漏れを防ぐために確認しておきたいポイントを整理します。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 | きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

特定技能外国人を雇用する企業には2種類の届出義務がある

特定技能外国人の受入れ後も、企業には入管へ一定の事項を届け出る義務があります。

そこで、届出漏れを防ぐためにも、それぞれの役割や違いを理解しておくことが大切です。

以下では、企業が対応する2種類の届出について順に解説します。

特定技能2種類の届出

定期届出 1年に一度、特定技能外国人の受入れ状況を入管に報告するための届出
随時届出 雇用条件や受入れ状況、支援計画の変更など一定の届出事由が生じた際に都度入管に報告するための届出

1年に一度、受入れ状況を入管に報告する定期届出

定期届出とは、特定技能外国人を受け入れている企業が、対象年度の受入れ・活動・支援の実施状況を出入国在留管理庁へ報告する手続きです。

毎年4月1日から翌年3月31日までを対象期間とし、その内容を翌年5月31日までに届け出る仕組みとなっており、対象期間中に1日でも所属していた特定技能外国人は原則として報告対象に含まれます。

また、定期届出では、特定技能外国人ごとの年間の活動日数や報酬の支給総額、支援の実施状況などを記載し、登録支援機関に支援の全部を委託している場合でも、企業側がその内容を取りまとめて提出します。

入管(出入国在留管理庁)とは?役割や利用する場面などを簡単に解説

変更が生じたタイミングで入管に報告する随時届出

随時届出とは、特定技能外国人の受入れを続ける中で、雇用契約や支援体制などに所定の変更・事由が生じた場合に、その都度、出入国在留管理庁へ報告する手続きです。

具体的には、雇用契約の変更・終了・再締結、支援計画や支援委託契約の変更、受入れの継続が困難となった場合などが届出の対象となり、特定技能基準省令の基準を満たさなくなった場合や、支援計画の実施が困難になった場合にも手続きが必要です。

また、随時届出は原則として届出事由が生じてから14日以内に行う必要があるため、対象となる変更等を把握した際は、必要な手続きを早めに確認することが重要です。

なお、支援を登録支援機関へ委託している場合でも、随時届出は登録支援機関ではなく、受入れ企業である特定技能所属機関が行います。

提出先と提出方法

特定技能の届出では、必要書類を準備するだけでなく、適切な方法で手続きを行う必要があります。

また、届出方法には複数の選択肢があるため、自社に合った方法を確認しておきましょう。

以下では、それぞれの手続きについて解説します。

窓口で直接届出を実施する方法

窓口で届出を行う場合は、特定技能所属機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局または支局へ、届出書や必要な添付書類を持参して提出します。

複数の事業所で特定技能外国人を受け入れている場合でも、本店所在地を管轄する入管が提出先となるため、事前に出入国在留管理庁のWebサイトで管轄する地方出入国在留管理局・支局を確認しておきましょう。

郵送で実施する方法

郵送で届出を行う場合も、窓口へ持参する場合と同様に、特定技能所属機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局または支局が提出先となります。

そのため、法人の場合は登記上の本店所在地を基準として管轄を確認したうえで、作成した届出書と必要な添付書類を郵送します。

なお、郵送であれば入管の窓口へ出向く必要がないため、遠方の企業でも手続きを進めることができますが、定期届出や随時届出にはそれぞれ提出期限があるため、期限に余裕を持って書類を準備するとよいでしょう。

オンラインで実施する方法

オンラインで届出を行う場合は、出入国在留管理庁電子届出システムを利用することで、入管の窓口へ出向いたり書類を郵送したりせずに手続きできます。

ただし、電子届出を利用するためには、あらかじめ利用者登録と利用申出を行う必要があるため、初めて利用する企業は事前に手続きを済ませておきましょう。

また、定期届出だけでなく随時届出も電子届出システムの対象となっており、必要な添付書類についてもオンラインで提出できます。

届出時の提出書類一覧

特定技能の届出では、手続きの種類や企業の状況などによって、準備する書類が異なります。

そのため、自社に必要な資料をあらかじめ確認しておくことが大切です。

以下では、届出ごとに必要となる書類を整理して解説します。

定期届出の提出書類

定期届出では、「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号)」を中心に、特定技能外国人の受入れ状況や支援の実施状況などを確認できる書類を提出します。

また、登録支援機関へ1号特定技能外国人の支援を全部委託している場合は、登録支援機関が作成した支援実施状況についても、特定技能所属機関が取りまとめて提出する必要があります。

ただし、定期届出で必要となる添付書類は、特定技能所属機関が出入国在留管理庁の定める「一定の基準」を満たしているかによって異なるため、自社がどちらに該当するかを確認したうえで準備しましょう。

出入国在留管理庁の定める「一定の基準」
一定の基準を満たす所属機関 一定の基準を満たさない所属機関
以下(1)~(3)のすべてを満たす所属機関

(1)過去3年間に指導勧告書の交付又は改善命令処分を受けていない
(2)在留諸申請をオンライン申請、各種届出を電子届出で行っている
(3)以下いずれかに該当する機関

① 日本の証券取引所に上場している企業
② 保険業を営む相互会社
③ 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
④ 一定の条件を満たす企業等
⑤ 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
⑥ 特定技能所属機関として3年間の継続した受入れ実績を有し、過去3年間に債務超過となっていない法人

一定の基準を満たす所属機関に該当しないすべての所属機関

参照:出入国在留管理庁|特定技能所属機関(受入れ企業・事業主の方)による定期届出 提出資料一覧表

登録支援機関とは?申請方法と失敗しない選び方のポイントを解説

一定の基準を満たさない場合

定期届出では、出入国在留管理庁が定める一定の基準を満たしていない特定技能所属機関について、受入れ・活動・支援実施状況を報告するための書類に加え、所属機関の適格性などを確認するための資料も提出する必要があります。

一定の基準を満たさない場合の提出書類は以下の通りです。

一定の基準を満たさない場合の定期届出・提出書類一覧
提出書類の名称 提出の要否
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書 必須書類
特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況 必須書類
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(署名欄) 複数の登録支援機関に支援委託を実施している場合のみ提出
報酬支払証明書 振込以外で報酬を支払っている場合に提出
理由書(届出が遅れた場合など) 届出が遅れた場合やその他補足説明が必要な場合に提出
基準適合性に関する誓約書 必須書類
特定技能所属機関概要書 必須書類
以下いずれかの書類
・受け入れた中長期在留者リスト
・生活相談業務を行った中長期在留者リスト
・中長期在留者の受入れ実績等に関する資料
自社支援を行う場合にいずれかを提出
登記事項証明書 法人の場合は提出
業務執行に関与する役員又は個人事業主の住民票の写し 必須書類
労働保険料の納付に係る資料 直近1年分を提出
社会保険料の納付に係る資料 届出日の属する月の前々月までの12か月分を提出
納税証明書(その3) 必須書類
法人住民税または個人事業主の個人住民税の納付に係る資料 直近1年分を提出

一定の基準を満たす場合

一定の基準を満たす特定技能所属機関については、定期届出の際に求められる添付資料の一部を省略できるため、通常より提出書類を簡素化できます。

一定の基準を満たす場合の提出書類は以下の通りです。

一定の基準を満たす場合の定期届出・提出書類一覧
提出書類の名称 備考
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書 法人の場合は本社から1部のみ提出
特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況 必須書類
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(署名欄) 複数の登録支援機関に支援委託を実施している場合のみ提出
報酬支払証明書 振込以外で報酬を支払っている場合に提出
理由書(届出が遅れた場合など) 届出が遅れた場合やその他補足説明が必要な場合に提出
一定の事業規模及び基準適合性に関する誓約書 必須書類
一定の基準を満たすことを立証する書類 四季報の写し、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写しなどを提出
特定技能所属機関概要書 必須書類
書類省略に当たっての誓約書 必須書類

随時届出の提出書類は届出事由により異なる

随時届出では、すべてのケースで同じ書類を提出するのではなく、雇用契約や支援計画の変更、受入れ困難など、届出が必要となった事由に応じて使用する様式や添付資料が異なります。

そのため、変更や問題が生じた場合には、その内容がどの届出事由に該当するのかを確認したうえで、対応する届出書と必要な資料を準備することが重要です。

なお、出入国在留管理庁では、雇用契約・受入れ困難、支援計画変更・委託契約・基準不適合、支援計画の実施困難などに分けて提出書類一覧表を公開しているため、手続きの際は該当する最新の一覧表を確認しましょう。

参照:出入国在留管理庁|雇用契約・受入困難の届出提出書類一覧

参照:出入国在留管理庁|支援計画変更・委託契約・基準不適合の届出提出書類一覧

参照:出入国在留管理庁|支援計画の実施困難の届出提出書類一覧

定期届出のよくある質問

定期届出の準備を進めると、対象者の範囲や記載内容など、判断に迷う場面も少なくありません。

そこで、入管庁が公表しているQ&Aをもとに、定期届出のよくある質問を以下にまとめました。

入国前や入国直後で就労開始前の者は届出対象ですか

在留資格認定証明書が交付されていても、対象期間中に日本へ入国していない外国人(上陸許可を受けていない外国人)は定期届出の対象外です。

一方、対象期間中に特定技能1号または2号として上陸許可や在留資格変更許可を受けていれば、実際の就労開始が翌年度になった場合でも届出対象となります。

在留資格認定証明書の申請方法と入国までの流れや手続きの注意点について解説

年度の途中で退職した者は届出の対象ですか

年度の途中で退職した特定技能外国人も、定期届出の対象となります。

具体的には、届出の対象期間中に1日でも特定技能所属機関に所属していた場合は報告が必要であり、年度末の時点ですでに退職していることを理由に対象外とはなりません。

届出後に誤りがあることが判明した場合はどのように対処すべきですか

紙で提出した定期届出に誤りが判明した場合は、提出済みの内容を補正したうえで、届出先の地方出入国在留管理局へ連絡しましょう。

電子届出の場合は、理由書と補正した届出書等を、所属機関の所在地を管轄する入管へ窓口または郵送で提出します。

報酬の支給総額(年間)にはいつからいつまでの支給額を含めるべきですか

報酬の支給総額(年間)には、届出対象期間中に実際に支払われた給与の総額を記載します。

例えば、毎月20日締め・翌月10日払いの場合は、4月10日から翌年3月10日までの支給額が対象となり、基本賃金や諸手当を合算した税金等の控除前の金額で計算します。

随時届出のよくある質問

随時届出は、企業の状況に変化が生じた際に対応するため、実務では届出が必要か判断に迷うケースも多くあります。

ここからは、特定技能外国人を雇用する企業が押さえておきたいポイントを、具体的なケースごとに解説します。

期限までに提出できなかった場合は遅れて提出することはできますか

随時届出の期限を過ぎた場合でも、届出書を提出することは可能です。

ただし、期限を過ぎて提出していない状況は、違反な状態であるため、速やかに提出しましょう。

なお、遅れて提出する際は、届出が遅延した理由を説明する文書の添付が必要です。

届出を怠った場合は罰則がありますか

届出を怠った場合や虚偽の内容を届け出た場合には、罰金刑や過料に問われる可能性があります。

万が一罰則が科されると、一定期間、特定技能の受入れが停止されるリスクもあるため、必ず実施するようにしましょう。

会社の本社が移転しましたが随時届出は必要ですか

会社の本社移転により特定技能所属機関の住所が変わった場合でも、特定技能雇用契約の変更に係る随時届出は必要ありません。

ただし、特定技能外国人本人が、所属(契約)機関の所在地変更について届出を行う必要があるため、企業から本人へ提出を促しましょう。

新たに受け入れる特定技能外国人の就労開始が遅れた場合に届出は必要ですか

就労開始日が当初の予定より遅れただけであれば、特定技能雇用契約の変更に係る届出は必要ありません。

ただし、入国または在留資格変更許可から1か月を経過しても就労を開始していない場合は、状況説明書を添付して受入れ困難に係る届出を行う必要があります。

特定技能外国人を転勤または部署変更させる場合は届出が必要ですか

在留資格の許可申請時に提出した雇用条件書に記載していない事業所に転勤させる場合は、届出が必要です。

また、同じ事業所内の部署変更でも、雇用条件書の「就業の場所」で部署まで指定しており、その記載内容が変わる場合は届出の対象となります。

給料の支給額が増加した場合に届出は必要ですか

昇給によって基本賃金の支給額が増加しただけであれば、特定技能雇用契約の変更に係る届出は必要ありません。

日給制から月給制へ変更するなど、賃金の支給方法自体を変更した場合は、支給額が増加していても届出が必要となり、変更日から14日以内に提出します。

まとめ

特定技能外国人を雇用する企業には、受入れ状況などを報告する定期届出と、雇用契約や支援体制などに所定の変更が生じた際に行う随時届出があります。

2026年4月から定期届出は年1回となっており、随時届出とあわせて現在のルールを把握しておくことが大切です。

届出の遅れや漏れは、その後の特定技能外国人の受入れに影響する可能性もあります。

担当者を決めて提出時期を管理するとともに、雇用条件や支援体制を変更する際は届出の要否を確認し、不明な点があれば管轄の入管や専門家へ相談しながら適切に対応しましょう。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 | きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)


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