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2027年に追加される特定技能「資源循環分野」の業務内容や受入れの条件について解説

資源循環分野で人手不足が続き、特定技能外国人の受入れを検討しているものの、

「自社の業務は対象になるのか」
「いつから採用できるのか」

と悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

2027年からは、特定技能の新分野として資源循環分野の受入れが始まる予定です。

本記事では、特定技能「資源循環分野」が追加される背景や対象となる業務内容、外国人側・受入れ企業側に求められる条件について解説します。

制度開始に向けて、今から確認しておきたいポイントを整理します。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

資源循環分野の受入れは2027年開始予定

はじめに、2026年1月23日の閣議決定により、特定技能の対象分野に「資源循環分野」が追加されることになりました。

この分野は、2027年度からの制度開始が予定されており、家庭や事業活動から出る廃棄物の中間処理などを担う事業者にとって、外国人材の受入れを検討できる新たな選択肢となります。

一方で、制度開始後すぐに自由に採用できるわけではなく、技能評価試験の整備や協議会への加入、受入れ企業側の要件確認など、事前に整理すべき事項があります。

そのため、資源循環分野で特定技能外国人の雇用を考えている企業は、制度の対象業務や受入れ基準を早めに確認し、自社の事業内容が要件に合うかを把握しておくことが重要です。

特定技能「資源循環分野」の概要

分野の名称 資源循環分野
業務区分 廃棄物処分業(中間処理)の1区分
開始時期 2027年4月予定
受入れ見込み数 令和10年度末までの3年間で900人程度
在留資格 特定技能1号

制度創設の背景

なぜ資源循環分野が特定技能の対象に加わることになったのでしょうか。

ここからは、業界の人手不足の状況と、国が示している受入れ見込み数を確認していきます。

資源循環分野の人手不足の状況

背景として、資源循環分野では循環型社会ビジネスの市場拡大に対応するため、廃棄物処分業の中間処理を担う人材の確保が課題となっています。

具体的には、令和10年度に必要な就業者数は12万2,000人と推計される一方、実際の就業者数は10万5,000人にとどまる見込みです。

そのため、同年度には中間処理に従事する人材が1万7,000人不足するとされており、令和6年度の廃棄物処理業の有効求人倍率も5.35倍と高い水準です。

このように国内人材の確保や生産性向上を進めても4,500人程度の不足が残る見通しであり、外国人材の受入れが必要とされています。

参照:出入国在留管理庁|資源循環分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針

資源循環分野の特定技能受入れ見込み数

このため、資源循環分野全体では、令和8年度から令和10年度までの3年間で4,500人の受入れ見込み数が設定されています。

この人数は、ICTやIoTを活用した設備導入による生産性向上、職場環境の整備による国内人材の確保を進めても、なお不足すると見込まれる人数を踏まえたものです。

内訳を見ると、1号特定技能外国人は令和8年度から3年間で900人とされ、令和10年度末までの受入れ上限として運用されます。

一方、育成就労外国人は令和9年度から2年間で3,600人とされており、特定技能よりも育成就労の枠が大きく設定されている点が特徴です。

特定技能「資源循環分野」の業務内容

資源循環分野で設定される業務区分は、「廃棄物処分業(中間処理)」です。

対象となる業務は、家庭や事業活動から出る廃棄物について、減量化、減容化、安定化、安全化を目的として中間処理を行う業務とされています。

具体的には、廃棄物処理施設における処分業務が中心となり、破砕・中和・焼却などの設備操作や、燃え殻を集める作業など、日本人従業員が通常行う関連業務に付随的に従事することも認められています。

ただし、実際にどの作業が主たる業務や関連業務として整理されるかは、今後公表される分野別運用要領などで詳細を確認する必要があります。

資源循環分野の受入れ要件

資源循環分野で外国人材を受け入れるには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか。

ここからは、外国人本人に求められる要件と、受入れ企業が確認すべき要件に分けて解説します。

外国人側の要件

外国人が特定技能「資源循環分野」で働くためには、一定の技能と日本語能力を備えていることが前提となります。

ここでは、資源循環分野で求められる試験と日本語能力の水準を確認していきます。

資源循環分野特定技能1号評価試験

資源循環分野で特定技能1号の在留資格を取得するには、原則として資源循環分野特定技能1号評価試験に合格する必要があります。

この試験は、廃棄物処理施設で中間処理業務に従事するために必要な技能水準を確認するものと位置づけられます。

2026年6月時点では、具体的な出題内容や実施時期などは公表されていないため、詳細は今後の発表を待つ必要があります。

ただし、対象業務が廃棄物の中間処理であることを踏まえると、廃棄物の分類や処理工程、安全衛生、設備操作に関する基本的な知識などが重要になると考えられます。

日本語試験(JLPT N4またはJFT-BASIC)

日本語能力については、日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2相当以上に合格していることが求められます。

これは、日常生活でよく使われる表現を理解し、身近な場面で基本的なやり取りができる水準を確認するための要件です。

資源循環分野では、廃棄物の種類や設備操作、安全確認に関する指示を理解する必要があるため、試験合格後も現場で使う日本語への慣れが重要になります。

そのため、受入れ企業側でも、作業手順や注意事項をやさしい日本語で説明するなど、外国人が安全に働けるように教育体制を整えておくことが大切です。

受入れ企業側の要件

特定技能制度では、外国人本人が要件を満たしていても、企業側の体制が整っていなければ受入れはできません。

ここからは、事業内容、協議会、支援体制、法令遵守など、企業が確認すべき項目を整理します。

分野別運用方針で定められた業種に該当すること

資源循環分野で受入れを行うには、分野別運用方針で定められた業種に該当している必要があります。

対象には、一般廃棄物や産業廃棄物の処分業者のほか、再生利用、広域的処理、無害化処理、各種リサイクル関連法に基づく認定事業者などが含まれます。

資源循環分野の受入れ対象事業者は以下のとおりです。

資源循環分野の特定技能外国人受入れ対象事業者

許可等の根拠法 資源循環分野の受入れ対象事業者
廃棄物処理法 一般廃棄物処分業者
産業廃棄物処分業者
特別管理産業廃棄物処分業者
再生利用認定業者
広域的処理認定業者またはその委託を受けて当該認定に係る処理を業として実施する者
無害化処理認定業者
容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 第 16 条第1項に規定する認定特定事業者
第 21 条第1項に規定する指定法人またはこれらの者の委託を受けて分別基準適合物の再商品化に必要な行為を業として実施する者
特定家庭用機器再商品化法 第 23 条第1項の認定を受けた製造業者
第 32 条に規定する指定法人またはこれらの者の委託を受けて特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に必要な行為を業として実施する者
使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律 第11 条第1項に規定する認定事業者又はその委託を受けて使用済小型電子機器等の再資源化に必要な行為を業として実施する者
プラスチック資源循環促進法 第 32 条の規定により市町村の委託を受けて分別収集物の再商品化に必要な行為を実施する指定法人またはその再委託を受けて分別収集物の再商品化に必要な行為を業として実施する者
第 34 条第4項第1号の認定に係る再商品化計画に従って分別収集物の再商品化に必要な行為を業として実施する者
第 40 条第1項に規定する認定自主回収・再資源化事業者またはその委託を受けて使用済プラスチック使用製品の再資源化に必要な行為を業として実施する者
第 49 条第1項に規定する認定再資源化事業者又はその委託を受けてプラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化に必要な行為を業として実施する者
資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律 第 12 条第1項に規定する認定高度再資源化事業者もしくはその委託を受けて再資源化に必要な行為を業として実施する者
第 17 条第1項に規定する認定高度分離・回収事業者

環境大臣が設置する特定技能の協議会の構成員であること

資源循環分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、環境大臣が設置する協議会の構成員になる必要があります。

協議会は、制度の適正な運用や受入れ状況の把握などを目的として設けられるもので、受入れ企業は分野ごとのルールに沿って参加することになります。

そのため、外国人材の採用を検討する段階で、協議会への加入手続きや加入時期、必要書類などを確認しておくことが大切です。

特定技能の分野別協議会とは?加入の義務や時期、入会費用について解説します

協議会が行う情報の提供、意見の聴取、調査等に対し協力すること

協議会の構成員になるだけでなく、協議会が実施する情報提供、意見聴取、調査などに協力することも求められます。

これは、資源循環分野における受入れ状況や制度運用上の課題を把握し、適正な受入れを進めるための仕組みです。

そのため、受入れ企業は外国人の雇用状況や支援の実施状況について、必要に応じて情報を整理し、協議会からの求めに対応できる体制を整えておく必要があります。

環境省が行う調査、指導等に対し協力すること

受入れ企業は、環境省が実施する調査や指導などにも協力する必要があります。

資源循環分野は、廃棄物処理や再資源化に関わる業務を対象とするため、制度の運用だけでなく、関係法令に沿った適正な事業実施も重要になります。

そのため、企業は許可や認定の内容、外国人が従事する業務、支援体制などについて、環境省から確認を求められた場合に説明できるよう準備しておくことが大切です。

1号特定技能外国人支援計画を策定し実施すること

1号特定技能外国人を受け入れる企業は、外国人が安定して日本で働き、生活できるよう支援計画を作成し、その内容を実施する必要があります。

支援計画には、入管法により定められた10種類の支援の実施が義務付けられており、受け入れ中は継続的に支援を実施しなければなりません。

義務的支援10項目は以下のとおりです。

  • 事前ガイダンスの実施
  • 入国・帰国時の送迎
  • 住居の確保や生活に必要な契約支援
  • 生活オリエンテーションの実施
  • 公的手続等への同行
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談・苦情への対応
  • 日本人との交流促進支援
  • 転職時の支援(人員整理等の場合)
  • 定期的な面談と行政機関への報告

なお、自社単独で支援体制の確保が難しい場合は、入管庁の名簿に登録された支援機関である「登録支援機関」に支援業務を委託することができ、その場合は受入れ企業は適切に支援義務を果たしたものとして取り扱われます。

特定技能の義務的支援とは?10項目の支援内容と任意的支援との違いについて解説

支援委託をする場合は登録支援機関が協議会や環境省に協力すること

1号特定技能外国人への支援を登録支援機関に委託する場合は、委託先の機関も協議会や環境省への協力に対応できることが求められます。

これは、支援業務を外部に任せた場合でも、資源循環分野における適正な受入れや制度運用を確保する必要があるためです。

そのため、登録支援機関を選ぶ際は、生活支援の実施能力だけでなく、分野別の協議会対応や環境省からの調査・指導への協力体制も確認しておくことが重要です。

委託後も受入れ企業の責任がなくなるわけではないため、支援状況や関係機関への対応を継続的に把握できる連携体制を整えておきましょう。

登録支援機関とは?申請方法と失敗しない選び方のポイントを解説

納税、社会保険等に関する義務を適切に履行していること

そのほか、特定技能外国人を受け入れる企業は、納税や社会保険、労働保険などに関する義務を適切に履行している必要があります。

これらは資源循環分野に限らず、特定技能外国人を受け入れる機関に求められる基本的な基準です。

たとえば、税金や保険料の未納がある場合、受入れ機関として適切性を欠くと判断される可能性があります。

そのため、申請前には法人税や住民税、社会保険料、労働保険料などの納付状況を確認し、必要な証明書類を準備できる状態にしておくことが大切です。

特定技能外国人の社会保険加入のルールや手続きの流れ、企業が注意すべきポイントを解説

過去5年間に労働法や入管法違反がないこと

加えて、受入れ企業は、過去5年間に労働関係法令や入管法に関する違反がないことも重要です。

これは外国人労働者に対する違反だけでなく、日本人従業員に対する未払い賃金、違法な長時間労働、労働条件の不適切な取扱いなども含まれます。

そのため、特定技能外国人を受け入れる前に、すべての従業員に対する雇用契約、賃金支払い、労働時間管理、社会保険の加入状況などを点検しておく必要があります。

過去の法令違反がある場合は、受入れ機関としての適格性を欠くと判断され、在留資格申請が認められない原因となる可能性があります。

過去1年間に従業員の非自発的離職や外国人の行方不明者を発生させていないこと

受入れ企業は、過去1年間に従業員の非自発的離職や外国人の行方不明者を発生させていないことも確認されます。

非自発的離職とは、会社都合の解雇や退職勧奨など、労働者本人の意思によらない離職を指し、外国人だけでなく日本人従業員も対象になります。

そのため、特定技能外国人を採用する前に、直近1年間の退職状況や雇用管理の実態を整理しておくことが大切です。

外国人の行方不明者が発生している場合も、支援体制や雇用管理に問題があると判断される可能性があるため、受入れ後の相談対応や生活支援を適切に行う必要があります。

まとめ

この記事では、2027年に追加予定の特定技能「資源循環分野」について、制度創設の背景、対象となる業務内容、外国人側の要件、受入れ企業側の要件を解説しました。

資源循環分野では、廃棄物処分業の中間処理を中心に受入れが想定されており、企業には協議会への参加や関係機関への協力、法令遵守体制の整備などが求められます。

特定技能外国人の受入れを検討している企業は、制度開始を待つだけでなく、自社の許可・認定内容、雇用管理、支援体制を早めに確認しておくことが大切です。

今後公表される分野別運用要領や試験情報を確認しながら、採用に向けた準備を進めましょう。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

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