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「特定在留カード」とは?在留カードとマイナンバーカードはいつから一体化される?

「在留カードとマイナンバーカードの一体化はいつから始まるのか」
「所持している在留カードを切り替えないといけないのか」

と疑問に感じていませんか。

2026年6月から新しい制度が始まり、外国人本人だけでなく、雇用主側の確認実務にも関係する内容です。

この記事では、特定在留カードの基本的な仕組み、運用開始時期、取得するメリット、申請方法、手続き上の注意点をわかりやすく解説します。

制度の全体像を知ることで、切り替えを検討する際の判断材料にできるでしょう。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

特定在留カードとは従来の在留カードにマイナンバーカードが一体化したもの

特定在留カードとは、従来の在留カードにマイナンバーカードとしての機能を持たせた新しい仕様の在留カードです。

具体的には、従来の在留カードの身分証や在留管理の機能に加えて、マイナンバーカードとして利用できるマイナ保険証などの各種の機能を1枚にまとめたものです。

外国人全員が自動的に特定在留カードへ切り替わるわけではなく、取得するかどうかは本人の希望によります。

そのため、一体化を希望しない場合は、通常の在留カードとマイナンバーカードをそれぞれ持つ形も引き続き可能です。

画像引用元:出入国在留管理庁|特定在留カード交付申請について

通常の在留カードと特定在留カードの機能比較表

カードの種類 通常の在留カード 特定在留カード
主な機能 ・身分証明書
・在留許可証
・身分証明書
・在留許可証
・マイナンバーカード
有効期限 在留期間満了日まで
※最大2カ月間の特例期間による在留期間延長あり
在留期間満了日まで

※最大2カ月間の特例期間による在留期間延長はあるが、マイナンバーカードの機能は延長措置なし

申請先 地方出入国在留管理官署 地方出入国在留管理官署または市区町村役場
必要な手続き 在留諸申請を行うと許可時に交付される 在留諸申請や住民登録の際に別途特定在留カード交付申請を行う必要あり

運用開始は2026年6月14日から

特定在留カードの制度は、2026年6月14日から運用が開始されました。

ただし、制度開始後も自動的に特定在留カードへ切り替わるわけではなく、取得を希望する場合に申請する仕組みとなっています。

特定在留カードには利便性の向上といったメリットがある一方で、事前に把握しておきたい注意点もあります。

そのため、制度の内容を十分に理解したうえで、自身の状況に応じて取得するかどうかを検討するとよいでしょう。

従来の在留カードも仕様を変えて並行運用される

特定在留カードの取得は任意であるため、制度開始後も、マイナンバーカード機能を持たない在留カードは引き続き使われます。

ただし、2026年6月14日以降に交付される在留カードは新様式となり、特定在留カードでない通常の在留カードについても券面記載事項が見直されます。

具体的には新様式のカードには「在留期間」「許可の書類」「許可年月日」「交付年月日」が記載されません。

今後当分の間は、「旧様式」「新様式」「特定」の3種類の在留カードが存在することとなるため、雇用主が外国人従業員の在留状況を確認する場合は、特定在留カードか通常の在留カードかだけでなく、交付時期による券面表示の違いにも注意が必要です。

参考:出入国在留管理庁|在留カードとは?

特定在留カード取得のメリット

在留カードとマイナンバーカードの一体化には手続きや本人確認の負担を軽くできる可能性があります。

ここでは、外国人本人や雇用主に関係する主な利点を見ていきます。

取得や更新の手続きを同時に行うことができる

従来は、在留期間更新などの手続きとマイナンバーカードに関する手続きは、それぞれ別の窓口で行う必要がありました。

これに対し、特定在留カードを希望する場合は、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請などに併せて、交付申請を行えるようになっています。

そのため、外国人本人が複数の窓口に足を運ぶ負担を減らしやすく、勤務先にとっても手続きに伴うスケジュール管理がしやすくなるでしょう。

ただし、どの窓口で申請できるかは同時に行う手続きの種類によって異なるため、事前に申請先を確認することが重要です。

デジタル庁の本人確認アプリに対応している

デジタル庁のマイナンバーカード対面確認アプリは、マイナンバーカード等のICチップを読み取り、氏名や住所、生年月日などの本人情報を確認するためのアプリです。

特定在留カードはマイナンバーカードの機能を持つカードであるため、同アプリの活用により、カードの券面だけに頼らず、ICチップ内の情報を使った本人確認が可能になります。

このように、本人確認の場面では、在留カードとしての役割だけでなく、マイナンバーカード機能を活用した確認にも対応できる点が特徴です。

特定在留カードの取得方法

特定在留カードの取得申請は、従来の在留カードやマイナンバーカードの申請手続きとは異なる点があります。

ここからは、申請対象者や申請先、必要書類など、申請前に確認しておきたい基本事項を解説します。

申請対象者は中長期在留者

特定在留カードの申請対象となるのは、従来の在留カードの交付対象と同じ中長期在留者です。

中長期在留者とは、3カ月を超えて日本に在留する許可を受けた外国人のうち、短期滞在、外交、公用など一定の在留資格に該当しない人などのことです。

また、特定在留カードはマイナンバーカード機能を併せ持つため、住民基本台帳に登録されていることも前提になります。

申請先は管轄の入管または市区町村役場

申請先は、特定在留カードの交付申請をどの手続きと併せて行うかによって異なります。

たとえば、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請などの入管手続きと同時に申請する場合は、管轄の地方出入国在留管理官署で行います。

一方で、新規上陸後の住居地届出や引っ越しに伴う住居地変更の手続きに併せる場合は、市区町村の窓口が申請先になります。

そのため、本人や雇用主は、申請のタイミングに応じて、入管と市区町村のどちらで手続きするのかを確認しておくことが大切です。

申請先と同時に行う手続きの種類

申請先 同時に行う手続き
地方出入国在留管理官署 ・住居地以外の在留カード記載事項の変更届出
・住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
・在留カードの有効期間の更新申請
・汚損等による在留カードの再交付申請
・交換希望による在留カードの再交付申請
・在留期間更新許可申請
・在留資格変更許可申請(引き続き中長期在留者に該当する場合に限る。)
・永住許可申請
市区町村の窓口 ・新規上陸後の住居地届出
・在留資格変更等に伴う住居地の届出
・住居地の変更届出

申請書類

申請時には、特定在留カード等交付申請書、暗証番号設定依頼書、写真1葉を用意します。

加えて、特定在留カード等の交付申請と同時に行う在留申請や届出がある場合は、その手続きに必要な書類も提出します。

また、旅券と在留カードの提示が必要であり、旅券を提示できない場合は、その理由を記載した理由書を準備します。

なお、申請書は地方出入国在留管理官署用と市区町村用で分かれているため、申請先に合った様式を使用しましょう。同時に行う申請や届出で写真を出す場合は重ねて写真を提出する必要はありません。

代理人・取次者が受領する場合の注意点

代理人・取次者が特定在留カードを本人に代わって受け取る場合は、以下1~5の書類を窓口で提示する必要があります。

代理人・取次者が受領する場合の必要書類一覧

1.申請人が自ら出頭して特定在留カードの受領をすることを要しない場合であることを疎明するに足りる資料
2.出入国在留管理庁から申請人宛てに転送不可の扱いで郵送した出頭通知書
3.代理人・取次者と申請人の関係性を証明する次のア又はイの書類

ア 法定代理人の場合は戸籍謄本、出生証明書など

イ 法定代理人以外の場合は委任状など

4.代理人・取次者の本人確認書類(以下のアからウのいずれかの書類)

ア 個人番号カード、運転免許証、運転経歴証明書、旅券、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書のうちのいずれかの書類(暗証番号の入力またはICチップに記録された写真を確認できるもの)

イ アの書類で暗証番号の入力またはICチップに記録された写真を確認できない場合は、2つ以上の書類

ウ その他出入国在留管理庁長官が適当と認めるもの

5.申請人の本人確認書類(次のアまたはイのうち2つの書類※アを1つ以上含む必要あり)

ア 個人番号カード、運転免許証、運転経歴証明書、旅券、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書、一時庇護上陸許可書、仮滞在許可書

イ 官公署から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、出入国在留管理庁長官が適当と認めるもの

特定在留カード取得申請の注意点

特定在留カードは、通常の在留カードとは異なる扱いがあるため、事前確認をしないまま進めるとさまざまな影響が生じる可能性があります。

ここでは、申請前に押さえておきたい実務上のポイントを整理します。

申請から交付までに最短でも2週間程度かかる

特定在留カード等は通常の在留カードより交付までに10日ほど長くかかると案内されており、申請から受領まで最短でも2週間程度は見込んでおく必要があります。

そのため、勤務先への提出、一時帰国、住居地変更、銀行や携帯電話などの手続きでカード確認が必要な場合は、交付時期を踏まえて予定を立てることが大切です。

オンライン申請に対応していない

在留資格に関する申請の多くはオンラインで行えますが、当面の間、在留申請オンラインシステムでは特定在留カードの交付申請を受け付けないとされています。

そのため、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請などと併せて取得を希望する場合は、地方出入国在留管理局の窓口で手続きする必要があります。

また、特定在留カードを取得した後も、次回の更新で再び特定在留カードの交付を希望する場合は、オンライン申請ではなく窓口申請を前提に考えることになります。

したがって、オンライン申請の利便性を優先するのか、カードの一体化を優先するのかを、申請前に確認しておくことが大切です。

在留カードは携帯義務があるためマイナンバーカード紛失のリスクが生じる

マイナンバーカードは日常的に持ち歩かず、自宅などで保管している人も少なくありません。

しかし、特定在留カードは在留カードとしての性質を持つため、中長期在留者には常時携帯義務が課されます。

その結果、マイナンバーカード機能を含むカードを日常的に携帯することになり、従来よりも紛失や盗難に注意する必要があります。

そのため、利便性だけで判断せず、本人の生活状況やカード管理のしやすさも踏まえて、一体化するかどうかを検討するとよいでしょう。

マイナンバーカード機能の有効期限は在留期間満了日まで

在留期間更新許可申請などを行い、審査中に在留期間満了日を過ぎる場合でも、マイナンバーカード機能の有効期間は本来の在留期間満了日までとされています。

そのため、入管法上の特例期間により在留期間満了日以降に在留を継続できる場合でも、マイナンバーカード機能が同じ期間延長されるわけではありません。

在留期間満了日前であれば、市区町村の窓口でマイナンバーカード機能の有効期間に関する変更手続きを行うことができますが、在留期限を過ぎるとマイナ保険証などの機能が使えなくなる可能性があるため、更新申請中でも従来の満了日前に手続きを済ませることが重要です。

紛失時は従来の在留カードが交付される

特定在留カードをなくした場合などの再交付では、速やかに在留カードとして使えるものを交付する必要があるため、通常の在留カードが交付されます。

通常の在留カードが交付された後に、改めて一体化を希望する場合は、別途、特定在留カードの交付申請を検討することになります。

したがって、特定在留カードを取得した後は、携帯義務があることを踏まえつつ、紛失時の手続きや再交付後の扱いも理解しておくことが大切です。

在留諸申請の際に毎回特定在留カード交付申請を行う必要がある

特定在留カードは一度取得すれば、次回以降の在留手続きでも自動的に交付され続けるものではありません。

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請などの際に、引き続き特定在留カードを希望する場合は、その都度、交付申請を行う必要があります。

したがって、雇用主や支援担当者が手続きを案内する場合も、本人の希望を事前に確認し、申請方法や必要書類を整理しておくとよいでしょう。

新規上陸時に交付されるのは従来の在留カード

新規上陸時に空港などで交付されるのは、特定在留カードではなく通常の在留カードです。

そのため、日本へ入国する時点で、在留カードとマイナンバーカードの機能が一体化したカードを受け取ることはできません。

入国後すぐに特定在留カードを希望する場合は、市区町村で新規上陸後の住居地届出を行う際に、交付申請を併せて行う流れになります。

特定在留カード交付申請をしても必ず交付されるわけではない

特定在留カード等の交付申請を行った場合でも、必ず希望どおりに特定在留カード等が交付されるとは限りません。

たとえば、申請後に氏名が変わった場合など、個別の事情によっては通常の在留カード等が交付されることがあります。

また、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請と同時に申請した場合でも、審査終了時点で特例期間満了日までの残日数が1カ月未満のときは、通常の在留カード等が交付される場合があります。

まとめ

この記事では、特定在留カードの概要、2026年6月14日以降の運用開始による変更点、従来の在留カードとの関係、申請先や必要書類、交付までの期間などを解説しました。

特定在留カードは便利な仕組みですが、取得は任意であり、通常の在留カードも引き続き利用できます。

オンライン申請に対応していないことや、マイナンバーカード機能の有効期限、紛失時の扱いなど、事前に確認すべき点もあるため、外国人本人や雇用主は、利用するメリットと手続き上の注意点を確認したうえで、申請するかどうかを判断しましょう。

この記事の監修
安藤 祐樹
安藤 祐樹 きさらぎ行政書士事務所 / 行政書士

きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

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